《前編》 より

 

 

【性質をもとに意識レベルを判断できない】
 同じ性質をもつ人間の意識レベルが全く同じだったり、言動がいつも意識レベルを反映したりしているわけではない。 ・・・(中略)・・・ 。
 多くの経験をつんで高いレベルの意識を持っていても、経験が否定的で暴力的なものばかりだったら、当然、言動には否定的な傾向が現われる。
 反対に経験が少なく、意識レベルがかなり低くても、前向きで気持ちの良い経験ばかりだったら、行動も前向きなものになるだろう。だから性質をもとに意識レベルを判断すると、大きな間違いをすることになる。
 性質という「果」は、意識レベルという「因」にもとづいているとは言えない。「因・果」の間に、経験という「縁」が介在しているのだし、悪しき霊界存在が「縁」となっている場合も多々ある。
 「因・果」は西洋の英知、「因・縁・果」は東洋の叡智。
 人間の性質は、おもに現世での学校教育からつくられると思う人が多いが、それは間違っている。
 人間の基本となる性質は、過去世経験にもっとも影響されている。とくに、長く暮した星での経験の影響が強い。(p.216)
 地球以外に意識が全然及ばない人って、何度も何度も地球にばっか転生していた人なんだろうか。
 チャンちゃんはどの星から来たのか分からないけれど、地球生活が得意じゃないし、犬と遊んでいる時が一番幸せだし、23日生まれだしするから、これからは大犬座にあるシリウスから来たことにしておこうか。
   《参照》   『日月地神示』 白峰聖鵬 (明窓出版) 《後編》
             【数霊】
             【分岐点の23】

 

 

【世界は驚きに満ちている】
 地球と宇宙で多くの経験を積んだ者は、反射的に判断を下したりしない。
 わかりきったように見える場合でも、ほかの可能性に心を開いている。長い経験から、世界は驚きに満ちていると知っているからだ。
 一方、過去世経験の少ないものは、すばやく判断するし、断定的な性質をもつ。無意識のうちに自分を守っているせいだ。(p.217)
 転生経験の多寡は、情報量の多寡、学習量の多寡とも言えるはずである。
 「世界は驚きに満ちている」って、いい表現だなぁ~と思う。
   《参照》   『この数学書がおもしろい』 著者41名 (数学書房)
              【本の読み方】

 

 

【意識の拡大を達成する方法】
 意識の拡大は、禁欲的な修業だけでなく、人生のあらゆる経験、瞬間からも起こる。人生そのものが修業であり、経験から得た記憶によって意識は拡大されていくのだ。
 意識の拡大に関してもっとも重要なのは、どんな人生を生きるかではなくて、人生の瞬間をどう過ごすかだ。瞬間に集中すればするほど、体験は印象深くなり、強い記憶が残り、意識の拡大も速まる。たとえば、悲しみや苦しみが近づいてきたとき、避けようとせずに勇敢に立ち向かえば、意識はさらに上がるのだ。
 反対に、過去の後悔や未来の心配ばかりして、今の瞬間に集中しなければ、地球で長く経験をつんでも役には立たず、意識も大きく広がらない。(p.219-220)
 だから神道では、出家せずに日常生活を送りながら “中今” に生きることを大切にしている。
   《参照》   『未来を拓く君たちへ』 田坂広志 (KUMON)
             【「生きる」から「生き切る」へ】

 

 

【意識拡大をいちばん邪魔するもの】
 大変動を学習する機会として活用するには、人間の意識拡大をいちばん邪魔するものは自分の「先入観」であると知っておく必要がある。「先入観」とは、本人がすでにもっている、世界を見る枠組みや考え方のことだ。(p.244-245)
 信念のほとんどが、自分の中で生まれたものではなく、まわりの人から受け継いだものだとわかれば、これまで自分自身の人生を生きてこなかったことに気づきだす。
 あなたはだれかほかの人の人生を生きてきたのだ。
 自分のもつ信念体系に普遍的な価値がないだけでなく、自由な思考や意識の拡大を邪魔されていると感じだしたら、「先入観」をひとつずつ捨てる準備ができたのだ。
 前に述べたように、「先入観」は社会にスムースに適応するための枠組みとなっている。そのためまだ物質的に豊かで幸せな生活を送りたいと思っているなら、先入観をこわして捨てるのは、ふつうの環境では難しいだろう。
 だが遅かれ早かれ、自分が今、異常な状況にいると気づくことになる。(p.249)
   《参照》   『アセンションの超しくみ』 サアラ (ヒカルランド) 《前編》
            【社会意識(コントロール・グリッド)という檻から出る】

 

 

【映画という事前教材】
 映画などのマスメディアは、人びとのたまったエネルギーを解放し、先入観を打ち砕けるよう、うまく助けてきた。
 たとえば、映画 『マトリックス』 は、人生は計画されたものだというヒントをくれた。『ハリー・ポッター』シリーズは、想像と現実との区別を打ちこわし、地球が5次元に上がることによって起こる衝撃を和らげている。
 映画『ロード・オブ・ザ・リング』は、新時代が来る前に全人類が体験する試練とともに、その後に調和と繁栄の統一王国が生まれることもほのめかしている。
 地球の大災害を描いた多くの映画、『インディペンデンス・デイ』、『ディープ・インパクト』、『アルマゲドン』、『デイ・アフター・トゥモロー』などは、地球の浄化過程で起こる破局を警告している。
 また、映画『パッション』は、この世を動かしているのは人間ではなく宇宙の特別な目的であることをわからせ、今すぐ聖者が目の前に現れたら、それに気づけるだろうかと問いかけている。(p.274)
 前半の映画情報はいいにしても、後半のそれらは「闇の権力」が画策していることの事前情報みたいに読めてしまう。特に『パッション』のそれなんて見え見えである。この本は、キリスト教徒の多い韓国人向けに書かれたものだから、このような見え透いたシッポがついているのである。
   《参照》   『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術』 ベンジャミン・フルフォード (講談社)《前編》
             【「プロジェクト・ブルービーム」で人類を奴隷に】
   《参照》   『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術』 ベンジャミン・フルフォード (講談社)《後編》
             【 “地球最後の日” は実施されるのか?】

 

 

【もっとも貴重な時間】
 生まれる前に立てた計画によって、5次元に昇る者は、大変動後も地球にとどまるか、ほかの5次元世界に移るか選べる。
 4次元以下の意識をもつ者は、本人の周波数に合ったほかの世界に移ることがすでに決まっている。
 ・・・(中略)・・・ 。
 大地はすでに震え始め、気象の安定したパターンはなくなった。そして人類全員に、もっとも貴重な時間がやってきた。自分に欠けていたものを感じる時間だ。
 これまで転生を繰り返し、地球にとどまりつづけた存在は皆、すぐに銀河一帯に散らばっていく。(p.276)
 自分に欠けていたものを感じる時間とは、この度、地球に転生してきた目的を思い出す時間ということだろう。
 社会生活に馴染めないで引きこもっている人々ほど、貴重な時間を活かせる可能性が高いかもしれない。
   《参照》   『地球維新 ガイアの夜明け前』 白峰 (明窓出版) 《後編》
             【地球維新というフェスティバル】

 

 

【人間の意識拡大のため】
 人間の苦難は、ある意味、物質主義から生じる。
 地球大変動は、この点に関して特別な体験となる。自分のものだと思っていたものをすべて失い、もう所有しなくてよいという喜びを知る。
 物質界で何も所有していないことに気づくと、恐怖や不安はすべて消えうせ、ほんとうの心の平和を味わう。
 外界のなにものにも揺らがない心の平和だ。
 なにが起きても、もう恐れることはない。
 地球大変動の時期に、当然だと思ってきたものがもう当然ではなく、いちばん強く信じていたことがもはや正しくないとわかってくるだろう。
 もちろん、これまで人生に強い力を及ぼしてきた先入観や既存の知識は揺らぎだす。
 人間は、新たな可能性すべてに心を開くようになるだろう。まさにこうして、人間の意識は、大変動を通して拡大するのだ。(p.280-281)
 この本は、キリスト教文化圏に託しこまれてきた地球大変動というハードランディングを前提として記述されているけれど、ソフトランディングに切り替えられる可能性を示唆している下記リンクのような著作もある。
   《参照》   『死後体験Ⅱ』 坂本政道 (ハート出版)
             【未来は決まっていない】
   《参照》   『分裂する未来』 坂本政道 (ハート出版) 《後編》
             【強調したい点:2012年以降の世界】

 いずれの場合であっても、目的は、「人類の意識拡大」にあることは変わらない。大きな変動を経験せずに人類全体の意識が拡大する方法って、かえってちょっと考えづらいけれど、人類全体の意識は、徐々にではあれ日々変容し続けているのは確実である。

 

 
<了>