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 1995年頃の台湾・上海・香港・シンガポールの各都市を巡って書かれた文化比較論。主に化粧品会社からの取材情報を元に女性特有な視点で興味深い文化比較の考察が行われている。


【日本の女性は美しい】
 2003年以降に、この4都市を巡った自分自身の経験からも頷ける内容。「香港には美人が少ないなぁ」という自身の素直かつ露骨な思いが、この本にも同様に書かれていたので笑ってしまった。「このあたりは、やや垢抜けているのかなぁ」と感じていたコーズウェイ・ベイ付近の地域は、後でガイドブックをよく読むと日本企業が集まっている地域だった。「日本の女性は美しい」という最近の資生堂の広告コピーは正しい。もしも日本男児のくせに 「韓国の女性は美しい」 などとのたまわったら、鼻息荒く反論すべき。 「いいえ、美しいのは日本の女性です」 と。それが100%絶対に議論の余地無く真実なのだから(個々に例外はあれど・・・)。


【CMから見る文化】
 テレビCMの作り方から文化の深みを考察している内容には深く頷いた。商品の機能的な側面を強調して買え買えと連呼するCM主体のこれらの都市は、イメージや遊び心を盛り込んでCM広告する日本と比べて、文化の深さないし厚みという点で遠く及ばないということ。


【日本の国力の根源は日本語にある】
 著者はここまで限定的には語ってはいないが、「日本の国力の根源は日本語にある」という定義がいつも私の頭の中にはある。そもそも日本語の繊細な表現力に比肩しうる言語は世界中にないということは知っておくべきことである。繊細さは高度な技術と芸術を生み出すが、繊細さの欠如はありふれた技術と機能説明に終始せざるを得ないという結果を導く。


【出版事情に見る日本の文化的厚み】
 そして、日本と海外の出版事情を比較すれば、日本の多種多様なそれに匹敵する国は他に無いとも言える。日本の先人達が翻訳し咀嚼しより繊細な解釈を施した世界中の文化が日本文化の中に既に取り込まれている。興味さえあるならば日本国内にいながらにして世界中のことがいくらでも学べるのだ。


【日本は、世界文化の中心になりうるだけの文化という潜在力を既に十分持っている】
 都市の外観だけを見るならば、技術的に完成度が高まった段階でスタートを切れる都市のほうが後発優位の恩恵に浴するのは当然。「香港やシンガポールのMRT(地下鉄)に比べたらロンドンのセントラルラインなんてモグラの穴だし、東京の銀座線なんて跳ねたら頭がぶつかっちゃう」 「上海の高層ビル群は高さも形状も数も凄いよねぇー」 とは確かに言える。しかし、だからといってそこに至るまでに積み重ねられた文化の厚みを見落としているのならば、何をかいわんやである。
 日本は、世界文化の中心になりうるだけの広範かつ深遠な文化という潜在力を既に十分持っている。かつてモーニング娘たちが歌っていたように「日本の未来はウォウウォウ・・、世界が羨むイェイイェイイェイ」となるのである。間違いない。


【ブログなので追記】
・私って日本文化の極右翼勢力に属するようです。政治的にはやや右であっても極右ではありません、
 あくまでも文化的極右です。読書と体験を重ねていたら、自然とそうなってしまいました。
・日本の文化力・総合力の優位性を何年も前から語っていたのは、私の知る限りでは、日下公人さんです。
 『21世紀、世界は日本化する』や『そして日本が勝つ』(いずれもPHP)はお勧めです。
・韓国人の著者・呉善花さんが書いている数多くの書籍は、比較相対的な視点で日本文化を語っています。
 日本人にとってとても有意義な著者です。

  呉善花(オ・ソンファ)著の読書記録

     『なぜ「日本人がブランド価値」なのか』

     『韓国人から見た北朝鮮』

     『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』

     『日本人て、なんですか?』 呉善花・竹田恒泰

     『帰化日本人』  黄文雄・呉善花・石平

     『「反日」を捨てる韓国』

     『日本オリジナルへの旅』

     「日本」 を理解する

     『「脱亜超欧」へ向けて』

     『化粧するアジア』

 

<了>