音盤ながし -32ページ目

XTCだった!

 ご近所さんが庭木の冬囲いを始めると、こちらもなんか急かされる今日この頃。フジオさんの野菜直売所は野沢菜と大根で大忙しの大賑わいだ。うちにもお客さん分けて欲しいよ(笑)

●XTC『drums and wires』
     『BLACK SEA』

 Twitterでアンディ・パートリッジが誕生日だって知り、発作的に聴きたくなったXTC。ざっと一掴みのCDを持ってきて聴いてみて、やはり俺はこの2枚が一番好きだと再確認した。彼等の3-4枚目にあたる'79年'80年アルバム。80年代って俺が一番ロックから離れていた時期で、カリブ・アフリカ・アジアなどの所謂ワールドミュージックや黒人音楽に惹かれていて、とにかく未知の聴きたい音楽が山ほどあった。まあそんな中で一番聴いたロック・バンドといえば、このXTCとそして日本ではムーンライダーズ。大御所ロック・バンドやらヒット量産産業ロックにはまったく興味なかったし、髪つんつん逆立てシャツ破いてツバ吐きながらパンクするにはちょっと歳を感じていた俺にとっては、XTCやライダーズのようなロックがピンと来たんだよね。優れたポップ感覚とひねくれた感性に確かな腕前、そんなロックは自分がバンドでやりたいロックでもあったし。そもそもXTCを聴くきっかけはライダーズの鈴木兄弟がXTCのファンだと言ってたからで、またそのプロデューサー、スティーヴ・リリーホワイトも注目の存在だった。だからあの頃のライダーズのアルバムにはXTCっぽさがけっこうあるんだよね。そんなとこをニヤニヤしながら聴いてたわけだけど。そういえば奥田民生のいたユニコーンだってXTCっぽさがあったバンドだと思う。やっぱこの『ブラック・シー』なんか聴けば、そのビートルズ譲りのポップ・センスに切れ味鋭いロック・サウンドがなんともかっこよくて、バンドやるなら真似てみたいって思わせる魅力がXTCにはあったね。
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『家族トランプ』明野照葉/WILTON CRAWLEYのゲテクラ!?

 またまたブログさぼっちまった。他人様の為と言うより自分のための備忘録のようなブログなのでメイワクをかけることはないけど、でも公開していることだし、真面目に書き続けたいとは思っているのです。
 7日8日と富山の氷見へ行ってきました。ムラの仲間達との年に一回の旅行です。もう何十年も続いている暴飲暴食旅行(笑)なんですが、さすがにみんな50過ぎると胃がもたない(涙)若い頃に比べて酒の量も食い物の量も落ちたね。だから少量でも美味しいものを食べたいし飲みたいという嗜好に変わってきつつありますね。
 明野照葉『家族トランプ』読了。主人公窓子は30代独身、中野区の自宅から通勤の会社員。父母との気まずい三人暮らし。ひょんなことから先輩キャリアウーマン潮美と友達関係になり、彼女の三ノ輪の実家で素晴らしい家族と出会う。まあそんなお話し。三ノ輪の人達は皆心温かく主人公を癒してくれるという、ちょっと出来過ぎな感もあるけど、まあそこは物語だから、、、読後感良しってことで。

●WILTON CRAWLEY『
WILTON CRAWLEY 1927-1930』

 ファンの間では " ゲテクラ " つまりゲテモノ・クラリネット奏者と呼ばれ親しまれているウィルトン・クロウリー。ノベルティ色の強いジャズを歌い演奏した人ですね。キャブ・キャロウェイやルイ・ジョーダンのような黒人音楽の巨人達も、お笑い+音楽として人気者だったようだから、やはりステージに立つ芸人としてショーマン・シップを発揮するってことは当たり前のことで、ジャズも遡れば楽しい芸人がたくさんいたんじゃないかな。クレイジー・キャッツの先輩達だよね。
 ウィルトン・クロウリーのクラリネットがゲテモノ扱いされるのは、その奏法にもあるようで、そのビブラートやタンギングは、クラシックでは絶対に教えないような強烈なもので、ある意味人間の声を模しているようにも感じられます。人間臭い音色なんだよね。クラリネットが泣いたり怒ったり笑ったりしてる。愛嬌があり人懐こいクラリネットですね。クロウリーのような黒人音楽はジャンル的に狭間にあるようで、つまりジャズ・ファンにもブルース・ファンにもソウル・ファンにも聴かれることがない、というより知らされていない可哀想な存在に思えます。俺がこの音盤に出会えたのは今は亡き名古屋の黒人音楽音盤屋ネットワークの佐藤真介さんのおかげです。佐藤さんからはブルースだけでなく、ジャイヴとかアーリー・ジャズなどボードビル風というか芸能臭い楽しい黒人音楽をいろいろと紹介されました。こうした耳の肥えた音盤屋さんに出会えたことに、その音盤を聴き想い出すたびに感謝しています。佐藤さんありがとう。合掌
家族トランプ/明野 照葉
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Showman Composer & Clarinetist/Wilton Crawley
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北方謙三『楊令伝 十五巻』完結/ジュリエットとアイドルワイルド・サウス

 北方謙三『楊令伝 十五巻』読了。あ~~終わってしまった。寂しいよ~。2006年に『水滸伝』(全十九巻)を読み始めて、その続編だった『楊令伝』(全十五巻)。素晴らしい英雄譚だった。女っ気のまるでない(すこしはあった)物語だったのに、そんなこと忘れていたくらいに凄い漢(おとこ)達のオンパレードだった。宋江、晁蓋、呉用、公孫勝、盧俊義、燕青、阮三兄弟、呼延灼、豹子頭林冲、九紋竜史進、青面獣楊志、穆弘、秦明、花栄、戴宗、王進、魯智深、武松、李逵、花飛麟、呼延凌、秦容、そして楊令。敵役に童貫、李富、そして岳飛。蕭珪材も忘れられないな。スリルと臨場感たっぷり、大スペクタクルな合戦シーン。頭領として孤独に向き合う宋江そして楊令。野放図で豪快な李逵のなぜか肉料理。まだまだある...とにかく感想として何を書いて良いか困るほど面白すぎる物語だった(と過去形に泣く)。ただただ北方謙三に感謝するのだ。

●JULIET『Yokosuka Bay』
●IDLEWILD SOUTH『KEEP ON TRUCKIN'』

 1976年にリリースされた日本のロック・バンド、横須賀のジュリエットと神戸のアイドルワイルド・サウスのアルバム。どちらもこの一枚を出したきりだったと思う。ジュリエットの柴山和彦は今ジュリーのバックでギターを弾いてるし、アイドルワイルドの松浦善博はツイストのギタリストとして活躍し今もその凄腕を買われて様々なセッションやバンドで活躍しているようだ。この2枚のアルバム、大好きなので時折思い出しては聴いているんだけど、その憧れと純情ぶりにハートが熱くなる。当時日本のロックはまだまだ手探り状態で、米英の本場ロックは遠く憧れの対象だった。
 横須賀のジュリエットはオールマンBBを得意とするバンドだったらしいが、『Yokosuka Bay』ではモロにリトル・フィート愛。すべてオリジナル曲だけどフィート的なシンコペーションとスライド・ギターがかっこいい。もちろん「ジェシカ風」インストも爽やか。
「ジェシカ風」インストってこの時代のトレンドだったよね。
 神戸のアイドル・ワイルド・サウスはオールマン愛の塊だね。この純情にこちらはころっとやられちまう。全曲オールマン風のオリジナル。巧いしかっこいい!軽快に転がるピアノはオールマン『ブラザーズ&シスターズ』のもろ影響。70年頃に比べて日本のロック・ギタリストの技量がもの凄く上がっている事が、この両バンドを聴いただけでもよくわかる。
 巧いしセンスの良い曲もたくさんあったのに売れないってのが当時の日本ロック。大多数の若者は歌謡フォークを聴いていたんだものね。
楊令伝 15 天穹の章/北方 謙三
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YOKOSUKA BAY/ジュリエット
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鈴木亜紀『Blue Black』

 北方謙三『楊令伝』も十五巻目。えっ!?これで完結なのか。寂しいな、読むのよそうかな(笑)これで最後かと思うともったいなくてね。

●鈴木亜紀『Blue Black』


 Twitterでハマダさんとフナトさんがヨカッタ・ヨカッタと話していたので、それじゃ俺もと聴いてみたくなったのさ。なるほどフナトさんがベースで参加してたのか。鈴木さん、'98年にアルバム・デビューとあるが、ノーマークだったな。プロフィールによると、自由型ピアノ弾き語り、作詞作曲とあり、写真集にエッセイ集に小説まで書くという。スペイン語もできるらしい。才女なんだなあ。
 ♪夏が近いのをいいことに ビールばっかり飲んでいる 人としてこんなことでいいのかと 見上げる空にこいのぼり......ビールと云えば あたしはビールとちがうから 最初のひと口で、ひと口ですべてをきめないで...♪ なんて歌が心地良い。素敵な空気感のある歌世界、ふわっとした突き抜け感がいいなと思う。歌い方に過剰な演出がないところは浜田真理子に似ていて、それにも好感がもてる。
 曲のひとつひとつにさりげなく物語があり、詞を読んでるだけでも楽しくなる。文筆家の才あり、なんですね。詞と曲と歌とピアノの案配が良くて、とても素敵なこのアルバムはセルフ・プロデュースでその上カバー・フォトまで自前です。なんともブラボーな鈴木亜紀に拍手喝采!
Blue Black ブルー・ブラック/鈴木亜紀
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10,000MANIACS『mtv unplugged』/大沢在昌『ブラックチェンバー』

 義父が23日(土)に亡くなり、26日に葬式、27日に初七日法要を済ませた。
大沢在昌『ブラックチェンバー』読了。警察、公安、暴力団、ロシアン・マフィア、そして正義を標榜する謎の組織ブラックチェンバー。大沢らしい小説だ。ハードボイルドを読み始めた20代の頃からずっと大沢の小説は好きだった。だが、どうもいけない。悪辣な連中が騙し合い殺し合う小説が、もう楽しめなくなった。暴力や殺人を含む活劇が嫌いになったわけじゃない。どうも大沢ハードボイルドのストーリー仕立てがエンタテイメントとして楽しめなくなった。元北朝鮮の女性工作員チヒの活かし方にも疑問が残った。まあ読むこちらの体力が低下しているってことかもしれないけど(笑)

●10,000MANIACS『mtv unplugged』

 10,000MANIACSというよりナタリー・マーチャントの、ソロになる以前の彼女を聴いてみたくなった。今年リリースされた彼女の新作『LEAVE YOUR SLEEP』がほんと素晴らしかったので。ウッドストック・サウンドという本の中で山本智志が「マニアックスはフェアポート・コンヴェンションを80年代半ばに登場させたようなグループだったが、そのなかで彼女は都会のジプシー、もしくは遅れてきたヒッピーといったムードを振りまき、アメリカの大学生やインテリ層を魅了した。」と書いている。そうかなるほどね。俺は彼女の目差しの強さ、毅然とした歌声に魅力を感じているんだけど、そこから感じられる知性は、若い頃はすこし違った風に発散していたのかな。'87年の『IN MY TRAIBE』で印象的だった
「ホワッツ・ザ・マター」「ヘイ、ジャック・ケルアック」「ライク・ザ・ウェザー」がここでも良い感じだし、パティ・スミスの「ビコーズ・ザ・ナイト」も客に大受けしてる。やはりこうして聴いてみると、マニアックスというバンドは、ナタリー・マーチャントというシンガーの魅力に負うところが大きかったということかな。
ブラックチェンバー/大沢 在昌
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Leave Your Sleep/Natalie Merchant
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Mtv Unplugged/10,000 Maniacs
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