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EDDIE HINTON『VERY EXTREMELY DANGEROUS』&..

 暖かな日曜日。国勢調査の調査票回収でムラの半分を回ってきた。稲刈りの終わった田んぼが多く、早くも秋始末が始まっている。
●EDDIE HINTON『VERY EXTREMELY DANGEROUS』
            『hard luck guy』
ジェフ・マルダーとエイモス・ギャレット関係を聴こうとCD棚に手を伸ばしたら、エイモスの隣のエディ・ヒントンに指が吸い寄せられた。夕方だったせいもあり、暗い裏通りの先に街灯が灯るジャケットの『
VERY EXTREMELY...』が聴きたくなった。エディ・ヒントンと言えばアラバマのマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオのギタリストとして知る人ぞ知る存在。俺もこの'78年アルバムを聴くまでは、セッション・ギタリストとしての彼しか知らなかった。アリサ・フランクリンやパーシー・スレッジに曲を提供しているソングライターであり、「白いオーティス・レディング」と呼ばれるほどの喉を持つシンガーだということも。オーティスと言えば、この2枚のアルバムをリリースしたのはキャプリコーン。そのレコード会社を設立したのはオーティスのマネージャーだったフィル・ウォルデンだ。アメリカ南部では、黒人と白人の共通した基盤の上にR&Bがある。だからこのエディの2枚のアルバムから聴こえてくるのは、ブルー・アイド・ソウルではなく、R&Bそのものなのだ。
 編集盤である『hard...』に納められたオーティスの「Sad Song」。こんな男臭い泣き笑いの歌はめったにないよ。
Fa~Fa-Fa-Fa-Fa-Fa-Fa-Fa~♪と、エディの歌声が耳からはなれない。
ヴェリー・エクストリームリー・デンジャラス(VERY EXTREMELY DANGEROUS).../エディー・ヒントン(EDDIE HINTON)
¥2,300
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Hard Luck Guy/Eddie Hinton
¥1,939
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Rory Gallagher『The Beat Club Sessions』DVD+CD

 斎樹真琴『サキモノ!?』読了。あのうっとおしいセールスの電話、アノ電話をかけてくるアノ連中の物語。大学卒業してサキモノ会社に就職した青木照子の奮闘記。まるでブートキャンプ(新兵訓練所)のような職場は悲哀に満ちているけど、主人公照子の負けず嫌いであっけらかんな性格のおかげで、楽しい物語(マンガっぽくはあるが)となっている。
 さて10月1日は国勢調査。臨時雇いの国家公務員である私。2-3日の土日に全戸回収したいけど、さて。
●Rory Gallagher『The Beat Club Sessions』DVD+CD
 おおっ!ロリー・ギャラガーの'71~'72年の映像だ。「ライヴ・イン・ヨーロッパ」の頃の映像だよ。ハゲハゲなストラトがこれほど似合うギタリストは他にいないよね。ドイツのTV番組"ビート・クラブ"からの映像で、ここの映像はレーザー・ディスクであるだけ見ているのでこのサイケな映像処理は馴染み深く懐かしい。たくさん見ているといっても、未公開な映像もたくさんあったわけで、このようにロリーをまとめて見られるのは幸せなことだ。若き日のロリー・ギャラガー、ロックとブルースとギターが大好きな、汗っかきな(笑)田舎の兄ちゃんな感じ、そのスターっぽくない素朴で真っ直ぐなブルース・ロックがたまらなく愛おしい。アコギとハーモニカによる弾き語り、マンドリンによるブルースもロリーらしく、見ていて頬が緩む。テレキャスター持てばもちろんスライドが唸る。今時のデレク・トラックスのようにテクニカルではないけど、素晴らしくエモーショナルなスライド・ギターもロリーのトレード・マークだった。そしてラストには嬉しい「メッシン・ウィズ・ザ・キッド」。この時代、ロリーの名刺代わりの1曲だ。俺も高3の頃、頑張ってコピーした想い出のブルース・ナンバーだ。ありがとうロリー・ギャラガー!見終えて心からそう思った。
ビート・クラブ・ライヴ 1971-1972(初回限定生産盤) [DVD]/ロリー・ギャラガー
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サキモノ!?/斎樹 真琴
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友部正人『クレーン』

 TANITA始めました。その話はそのうちに。

●友部正人『クレーン』

 友部さんの新作、東京ローカル・ホンク全面参加の『クレーン』が届いた。先ずは言っておこう、素晴らしい!去年10月の京浜ロックフェスで友部正人&東京ローカル・ホンクのステージに接し、お互いの相性の良さは判っていた。まるでディランのネバー・エンディング・ツアーのように、現在進行形でロックな友部正人がそこにいた。ライブのMCで、ホンクとのレコーディングを行っていると言っていたので、リリースが待ち遠しかった。アルバムのライナーでユミさんが「基本的に友部の歌とバンドの演奏は同時録音で、...音楽を生け捕りにするような感じが気に入っています。」と書いていて、まさにその新鮮な活きの良さがサウンドから伝わってくる。ちなみにレコーディング・スタジオの名前はビッグ・ピンク・スタジオ。おお!まるでザ・バンドとディランみたいじゃないか。こっちのビッグ・ピンクはウッドストックではなく大塚ビッグ・ピンクだけど(笑)。アルバムに収録の「雨の向こう」「廃品回収業者」などは京浜ロックでも歌われ印象に残っていたし、「追伸」「ロックンロール」など懐かしい曲もあり、それらがかっこよく甦っていることも長年の友部ファンとしては嬉しいところだ。今は亡きどんととの共作「かわりにおれは目を閉じてるよ」の緩やかさも素敵だ。珍しく「ぼく」ではなく「おれ」と歌ってるところが、ちょっとくすぐったいかな(笑)。明日も聴こう!
クレーン/友部正人
¥3,000
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RICHARD THOMPSON『DREAM ATTIC』

 小西康陽『マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚』をパラパラ読み続けている。裏表紙には彼のスタンス表明がある。曰く「CDなどまったく集める価値がない。まして音楽配信など以ての外。1974年以降の音楽に聴くべき価値などない。同じく1974年以降に生まれた女性にも興味を失った。この世にはダンスのための音楽と独りで聴くための音楽しか存在しない。そもそもディスクガイド本を買う人間に音楽がわかるはずがない。」と怪気炎!(笑)まあその割り切り方は良し、としよう。本書はディスクガイドとしてより、音盤にまつわる二三の事柄をロマンティックに書いた本として面白い。また知らない音盤がたくさん登場して刺激的だ。
●RICHARD THOMPSON『DREAM ATTIC』
 我等がRTの新作は"Electric"バンドによるレコーディング・ライヴの1枚と、"Guitar and Vocal Demos"の1枚による2枚組。エレキを持ってもアコギを持っても、いつものRT節健在。相変わらず上質なロックを披露してくれる。いつも思うのだが、RTやスティーヴ・ウインウッドの音楽から感じられる翳りと気高さは、ジャック・ヒギンズの小説に似ていると思う。英国って寒くて海も空も暗いんだろうなという思いと、そこに寄って立つ人々の強さ逞しさと哀愁を感じてしまう。とにかくアメリカのロックとは違う、英国ロックならではの哀愁がRTからは漂うのだ。そういえばクラプトンだって、哀愁たっぷりのおじさんだしね(笑)
ドリーム・アティック [日本盤・ボーナスディスク付]/リチャード・トンプソン
¥2,625
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マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。小西康陽。/小西 康陽
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音盤日記(2010.9月)より

922-23日 曇り//曇り 体調・普通  

 北重人『夜明けの橋』読了。タイトルがいいね。作者が得意とする江戸幕府草創期の物語。短編集で、それぞれに時代の夜明けを感じさせる。戦国の世が終わり、武士も生きる道を模索する。戦国武将モノのような有名な武士のかっこうつけた話ではなく、主が敗れ名もなく禄もない武士の懸命に生きる姿が清々しくもあり、また武士の世の終わりを寂しく思う気持ちも背景としてあり、時代の節目をさりげなく捉えた冴えた視点の物語だと思う。北重人は全部読もうとここまで来て、残るのはあと1冊となった。もったいなくてすぐには読めないなあ。

 昨日今日と卯之木の秋祭り。今日は半日、神輿でムラを廻った。雨でびしょぬれになりながらも、若い衆と酒を飲みながら廻るのは楽しいものだ。来年から3年間は集落の副区長~区長~顧問とムラの役を務めるため神輿には参加できないので、祭りの神輿に参加するのは今年が最後かなとも思う。

●山下達郎『COZY

 素晴らしかった達郎のライヴを思い出し聴いている。「ドリーミング・ガール」が入っているってことは、けっこう前のアルバムなんだ。NHKの朝ドラのテーマ曲だった。でもなんだったか思い出せないので調べてみたら、H8年の 松嶋菜々子主演『ひまわり』だった。そうそう弁護士モノだったねえ。今、毎朝楽しみに見ている『ゲゲゲの女房』ももうじき終了。テーマ曲の「ありがとう」を10年後に聴いて、すぐに『ゲゲゲの女房』の曲だと判るだろうか。

 このアルバムは'98年の作品だけど、山下達郎はいつの時代も変わらないな。この前35周年のライヴを見た時にも思ったが、その音楽の骨格がシュガーベイブから現在まで変わっていない。いい音楽は普遍だという強靱な精神力を感じる。まさに「新しすぎず、古すぎず、時の試練に耐える歌」と達郎が口にしているとおりだ。

COZY/山下達郎
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夜明けの橋/北 重人
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915-18日 晴れ/曇り//晴れ 体調・普通  

 2,3日前はおろか昨日の天気も思い出せない。たしか急に涼しくなって、それで半ズボン止めたんだけど、今日はまた暑いから半ズボン。周りの田んぼでは稲刈りが始まったから、もう秋なんだけよね。

CharTRADROCK Eric by Char

   『TRADROCK Jeff by Char

    『TRADROCK The V by Char

 チャーのトラッド・ロック・シリーズのエリック・クラプトン編、ジェフ・ベック編、ベンチャーズ編です。それぞれ演奏シーンのDVD付き。まあ結論から言えばエリックが一番フツーでつまらなかった。ジェフは金子マリ、ナルチョ、佐藤準からなる懐かしい俺にとっては幻のスモーキー・メディスンの再演てな感じで、二期ベック・グループのファンク・ロックな感じが楽しめて良かった。一番良かったのはベンチャーズ編で、これは選曲が良いのと、ベンチャーズの持つラウドなガレージっぽさを表現していたのがナイスでした。

 チャーはね、特別ファンてわけでもないのに気になる存在なんだ。歌謡番組で歌っていた若い頃のフラッシーなギター・プレイが脳裏に焼き付いてるんだよね。手垢の付いたロック・フレーズをけっして弾かないシャープなセンスが断然かっこよかった。しかしその後から今日に至るまで、チャーのギターを聴いてあの頃以上の衝撃を受けることはなかった。チャーはもっとやれる人だと思うから、いつも気にはなっている。そう言えばサッカーの小野伸二みたいだよね(笑)一緒にやったことある人達はそのテクニックとセンスをベタ誉めする、けどここ一番の決定打がないという印象。いつかチャーが凄くかっこいいギターを弾いてくれることを期待しています。同じオジサン・ロック・ギタリストとして。

 

912-14日 晴れ/曇り//晴れ 体調・普通  

 「すべてのアメリカ近代文学は、マーク・トウェインが書いた一冊の本、『ハックルベリー・フィンの冒険』から始まる」とヘミングウェイが述べたことは知っていた。が、「『ハックルベリー・フィンの冒険』は、方言、エスニックな人物造形、喜劇的な誤解などを完備した、いかだに乗ったミンストレル・ショーだといえるだろう」はジョン・リーランド著『HIP:THE HISTORY』のいかした記述。ブ厚い本だけど、かっこいい(HIPな)言い回し満載で刺激的かつ楽しい本だ。

Delaney & Bonnie & Friends

 『ON TOUR WITH ERIC CLAPTON4CDBOX

 ギター・アンプのツアー・ケースを模したボックスが超かっこいい!デラニー&ボニーは'60年代後半から'70年代前半に活躍したスワンプ・ロックの夫婦デュオで、彼等の残した『ホーム 』(69年)、『オリジナル・デラニー&ボニー』(69年)、『オン・ツアー・ウィズ・エリック・クラプトン』(70年)、『 デラニーよりボニーへ』(70年)、『モーテル・ショット』(71年)はどれも俺の愛聴盤でした。白人とは思えないソウルフルな歌唱は南部の本場仕込みで、黒人のソウルのレーベルとして有名なメンフィス・スタックスで白人としては初リリースとなる『ホーム』を吹き込んだ程です。ただし逆人種差別により、スタックスを去ることになったのですが。日本のほとんどのロック・ファンがそうだと思うけど、当時デラ・ボニを知ったきっかけはエリック・クラプトンが参加した『オン・ツアー』。そしてそのバック・バンドを引き抜いてデレク&ドミノスを結成し『レイラ』を作ったという話し。庇を貸して母屋を取られるかっこうとなったデラ・ボニがなんとなく可哀想。これもオールド・ロック・ファンには有名な話しですが、69年、クラプトンとウインウッドによるスーパー・グループ、ブラインド・フェイスがアメリカ・ツアーを行い、その前座がデラ・ボニ&フレンズだった。ところがクラプトンは、自分達のバンドよりデラ・ボニが気に入ってしまい、勝手に移籍、あきれるウインウッド(笑)。クラプトンはデラ・ボニのサポート・ギタリストとしてツアーを廻ることになった。このBOXはそのデラニー&ボニー&フレンズの69年イギリス・ツアーを収録している。オリジナル・アルバムでは聴けなかった音源がたくさんあり興味ぶかい。ただ俺としては、まるでサザン・ソウルのアルバムのような『ホーム』、そしてスワンプ・ロックの金字塔『オリジナル・デラニー&ボニー』、さらにデュアン・オールマンのスライドが唸るサザン・ロック調『 デラニーよりボニーへ』が大好きなアルバムで、『オン・ツアー』にはイマイチな感想しかなかった。いまあらためてこのBOXを聴いているけど、やはりイマイチな印象。まあ箱がいいからなあ(笑)

ヒップ アメリカにおけるかっこよさの系譜学 (P‐Vine BOOKs)/ジョン・リーランド
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910-11日 晴れ/曇り 体調・普通  

 山田風太郎『甲賀忍法帖』読了。理屈抜きに面白い。まあ面白いことはわかっていたけど、流石山田風太郎大先生です。伊賀・甲賀忍者の精鋭が10人ずつがトーナメント的な感じで命をかけて戦う。その奇抜な忍法たるや...忍者に夢中だった少年時代を想い出した。この作品は昭和33年連載開始とある。思えば、昭和の30年代って忍者の一大ブームだったんじゃないかな。マンガにテレビに小説にと忍者は大活躍。またマンガ雑誌の広告に手裏剣などの忍者道具が載っていたのもこの頃、つまり俺の少年時代だった。『甲賀忍法帖』を読みながら、そっくり似たマンガを想い出した。横山光輝の『伊賀の影丸』だ。『伊賀の影丸』も忍者集団による十番勝負が面白く強く印象に残っている。忍者モノってのは、俺達世代男子の一大ロマンだったような気がするなあ。

MILES DAVISCOOKIN'

 1956年のジャズ。マイルス・デイビス・クインテットの言わずと知れた名盤。超かっこいい!マイルスのジャズはスタイリッシュだよね。ジャズをカッコイイ音楽と世に知らしめたのはやはりマイルス・デイビスだったと思う。ただスイングすればいいってもんじゃない、と宣言したんだ。「マイ・ファニー・バレンタイン」のリリシズムはどうだ!一気にジャズの間口を広めたんじゃないかな。「エアジン」の疾走感はどうだ!都市の野生、ニューヨークの街をパンサーが駆け抜けるような...そうそう、マイルスのジャズは映像的なイマジネーションを刺激する。

 モダン・ジャズのまさに代名詞のようなマイルス・デイビス・クインテット。メンバーはデイビス(tp)、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。粋で巧妙なリズム隊、そしてこのクインテットで飛躍的な成長を遂げたといわれるコルトレーンの活きの良いプレイが聴けるのも嬉しい。

Cookin: Rudy Van Gelder Remasters Series/Miles Davis
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甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1) (講談社文庫)/山田 風太郎
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98-9日 雨/曇り/晴れ 体調・普通  

 頭上通過と思われた台風はションベン・カーブ(シュートか?)のようにひん曲がり福井上陸、その後熱帯低気圧となり東海関東に大雨を降らして太平洋へ抜けた。今日は町役場で国勢調査の説明会。4回連続で調査員とあいなった。ムラに居座りヒマそうにしていると、こんな役目が降ってくるのだ(笑)

SONNY ROLLINSSAXOPHNE COLOSSUS

 1956年のジャズ。これ聴いてるとジャズ喫茶だなあと思うんだよ。いい意味でね。「セント・トーマス」「モリタート」のような親しみやすいテーマから始まるジャズは、ミンガスやモンクのような先鋭的なところはないけど、喜怒哀楽が音楽に乗って自由奔放に流れ出し、逞しい生命力のようなものを感じさせる。やはりこれもジャズが一番熱かったころの名盤だと思い知る。名手トミー・フラナガン(p)、マックス・ローチ(ds)、そして新鋭ダグ・ワトキンス(b)。プレイヤーの駆け引きも素晴らしく、ロリンズの大らかさが全面展開だ。

Saxophone Colossus (Reis)/Sonny Rollins
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96-7日 晴れ/曇り 体調・普通  

 

●山下達郎『TATSURO YAMASHITA Performance 2010

      96日 新潟県民会館

 デビュー35周年を彩る達郎の全国ツアーが新潟にやってきた。俺にとってはシュガーベイブ以来35年ぶりに見る山下達郎だった。思った通りの、いやそれ以上の素晴らしいコンサートだった。手垢にまみれない逞しいロック魂を感じさせてくれた。

 メンバーは山下達郎(vo,g)、小笠原拓海(ds)、伊藤広規(b)、難波弘之(kbs)、柴田俊文(kbs)、佐橋佳幸(g)、土岐英史(sax)、国分友里恵、佐々木久美、三谷泰弘(bgvo)。伊藤、難波、土岐の3人は80年代からのライヴ仲間だ。16ビートを基調としたタイトなサウンドと各プレイヤーのソロをふんだんに盛り込んだ無駄のない円熟の演奏、そして達郎はテレキャスのカッティングで演奏をリードし、その歌声はどの楽器よりも優れた楽器として会場に響き渡る。あらためて、達郎の歌声はたんに歌声というより、楽器として超一級品だということを思い知った。あのひとりドゥーワップによるアカペラの歌声には感動し圧倒された。

 MC35年間をふり返り「シュガーベイブでコンサートに出始めた頃は、周りはノセノセのバンドばかりで、上田正樹&サウストゥサウス、ウエストロード・ブルース・バンド、めんたんぴん、久保田麻琴と夕焼け楽団とか。そんな中で僕らのバンドは「軟弱」とか言われまったくウケなかったし、出したLPもまったく売れなかった。先頃レコード・コレクター誌の「日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100」で、なんと3位に選ばれていてビックリだけどまったく実感がない...」というような話しをして、また「僕はロックといっても、ポップでリズムの強い音楽を目指していた。しかしそんな音楽への賛同者はあまりに少なく、誰とも連むこともなく、いつも疎外感を持ち孤高を友としてきた(ちょっと脚色w)。唯一、妻(竹内まりや)のプロデューサーとしての仕事が外部との窓口となり、それは救いであり、妻には感謝している。」と言うようなことを語る山下達郎に深く感じ入った。疎外感を持つことは表現者としては大事なことだ。安易に社会に溶解しない硬い魂を持つことは大事なことだ。

 俺は19歳の時、日比谷野音で22歳の山下達郎がフロントに立つシュガーベイブの音楽に触れ、凄くかっこいいと思った。その新しさに惹かれ、そして影響された。さっそくテレキャスターを買った(笑)。田舎モンの俺にとって、山下達郎のセンスに満ちた東京ロックはキラキラと眩しかった。歳の近さにアニキのような親しみも感じていた。そんなアニキと35年ぶりに再会し、その歌声と演奏に興奮した。俺のロックも、まだまだやっていけると、背中を押された新潟の夜だった。

 

95日 晴れ 体調・普通  

 「...第二次世界大戦後にあたるヒップの第三の結節点には、恩寵と至福を求めてメインストリームを拒絶したふたつの知的運動、ビバップとビート・ジェネレーションが並行して誕生した。これこそがヒップの黄金時代であり、のちに続くカウンターカルチャーにとってのテンプレートとなった。」!!!おおっかっこいいと大きく肯く。『HIP:THE HISTORY/ヒップ - アメリカにおけるかっこよさの系譜学』(ジョン・リーランド著)を読んでいるのだ。

 カミさんの中学校では今日が体育祭。しかしこの暑さのせいで、半日で終了となった。罪だよ、この暑さは。

DOUG WATKINSWATKINS AT LARGE

 1956年のジャズ。俺が生まれた年のジャズ。バップが熱く、ジャズが最高のヒップだった時代。ベースのダグ・ワトキンスはこの同じ年、ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』でもプレイし名声を得た。ダグは当時22同じデトロイトのジャズ仲間、ケニー・バレル(g)、ドナルド・バード(tp)にハンク・モブレー(ts)、アート・テイラー(ds)と皆20代の新鋭が集まり、そこにちょっと年長で経験豊富なデユーク・ジョーダン(p)が加わってのブローイング・セッション。豪快なウォーキング・ベース、溌剌としたプレイの応酬は、ただただ快感!

ワトキンス・アット・ラージ/ダグ・ワトキンス
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93-4日 晴れ//晴れ 体調・普通  

 長嶋有『夕子ちゃんの近道』読了。長嶋有の父親は『古道具ニコニコ堂です』なんて本も書いている古道具店の店主だそうだ。本作の舞台は「フラココ屋」という西洋アンティークほかよろず取扱いのまあ古道具屋のようなお店。馴染みのある環境を舞台にしているせいか、自然な感じで風通しのいい連作短編集だった。ただこの風通しの良さは、登場人物一人一人の軽さが一因かとも思う。主人公の名は明かされない。周りの人達にも細かい人物造形は感じられない。これは主人公とその周りの人達という群像を、その空気感を察知して感じて読んでくれという作品かなと思ったりもした。この感じは好きです。

LEE RITENOUR,V.A.LEE RITENOUR'S 6 STRING THEORY

 リトナーのリーダー・アルバムと言うよりは有名ギター・プレイヤー顔見世興行ですね。ジョン・スコフィールド、ケブ・モ&タジ・マハール、パット・マルティーノ、スティーヴ・ルカサー、ニール・ショーン、ジョージ・ベンソン、B.B.キング、アンディ・マッケイ、マイク・スターンほかの皆さん。当然のように達者なプレイを披露してくれて、ギター弾きの端くれである俺なんざ、ため息がとまらない(笑)。それぞれのギタリストがレコーディングに使用したギターとアンプが書き出してあり、ギター愛好者を対象にしているのは明白か? たしかにギターが好きだから、こうゆうの聴いて楽しめるってだけで、心に残るものでもなさそうで...まあいいじゃん。

シックス・ストリング・セオリー/リー・リトナーズ・シックス・ストリング・セオリー
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夕子ちゃんの近道 (講談社文庫)/長嶋 有

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91-2日 晴れ 体調・普通  

 9月に入ったのに相変わらず暑い日が続く。夏の盛りに暑いのはしかたないと諦められるが、お盆過ぎてそして9月に入ってもまだ30°以上がずうっと続いているわけで、こうした残暑はまことにキビシイ。バンド練習も、お盆過ぎたら涼しくなるからと思っていたのに、この前の練習なんかみんな汗だらだらで早めに切り上げた。今晩もバンド練習だけど、まだ暑そうでバンドの楽しみも半減だな。

●鈴木祥子『LIVE AT GB

 with JACK-TATI & KAWAI SHINOBU201059日のライヴを収録。DVDでライヴ映像も楽しめます。去年リリースされた公認海賊盤『Live At The SHIBUYA-AX』と同じメンバーによる同じ流れの音盤ですね。JACK-TATI=ジャック達でメンバーは一色進(g,vo)、宙GGPキハラ(g)、夏秋文尚 (ds)。夏秋はムーンライダーズのサポート・ドラマーもやっていたし、ライダーズ周辺にちょくちょく顔を出しているので知っていたし、一色もキハラも東京の物好きなロック・ファンの間では有名な存在だ。フランスの監督ジャック・タチにあやかったネーミングがかっこいいなと思っていた。ベースのかわいしのぶは前から鈴木祥子とよくツルんでいたので馴染みがある。まあとにかく鈴木祥子のバック・バンドというより、鈴木をヴォーカルにしたひとつのバンドって感じの一体感がある。曲調もロック感の強い曲が用意され、ヤサグレたザックリした感じのロック・バンドが良い感じだ。「優しい雨」などを期待するファンには向かないかな。これはロックなスズキさん全開のアルバムです。

 

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