ボブズ・フィッシュ・マーケット『THREE DECADES』
●ボブズ・フィッシュ・マーケット『THREE DECADES』
ボブズとは懐かしい!なんと32年ぶりの新作とある。デビュー・アルバム、もちろんLP盤は持ってるんだよね。ただ印象薄い。いまいちなアルバムだった気がする。いかにもウエスト・コーストのロックが好きなバンドって印象で、線の細い感じだったかな。ライブに接した事のある人によれば、あのアルバムはボブズの良さ・力量が発揮されていないということだった。まあそれはいいとして、、、。たまにボブズを思い起こすのは、スライド・ギターの名手日倉士歳朗の名を見かけた時、ああボブズにいた日倉士さんだ、と思う時だけだった。
そんなボブズの復活を知った時、懐かしい思いはあったけど、期待はなかった。でも、この新作を聴いてみたら、サウンドは古くさいけど、その古さが頼もしい、骨太なロック・バンドがそこにいた。今時、こんなアーシーなロックが聴けるとは思わなかった。時にザ・バンドを思わせるような。これもメンバーの年輪というか、伊達に歳を重ねてはいなかった証だ。先ずは拍手を、そしていつかどこかでライブを楽しみたいバンドだ。ボブズ・フィッシュ・マーケット!
ボブズとは懐かしい!なんと32年ぶりの新作とある。デビュー・アルバム、もちろんLP盤は持ってるんだよね。ただ印象薄い。いまいちなアルバムだった気がする。いかにもウエスト・コーストのロックが好きなバンドって印象で、線の細い感じだったかな。ライブに接した事のある人によれば、あのアルバムはボブズの良さ・力量が発揮されていないということだった。まあそれはいいとして、、、。たまにボブズを思い起こすのは、スライド・ギターの名手日倉士歳朗の名を見かけた時、ああボブズにいた日倉士さんだ、と思う時だけだった。
そんなボブズの復活を知った時、懐かしい思いはあったけど、期待はなかった。でも、この新作を聴いてみたら、サウンドは古くさいけど、その古さが頼もしい、骨太なロック・バンドがそこにいた。今時、こんなアーシーなロックが聴けるとは思わなかった。時にザ・バンドを思わせるような。これもメンバーの年輪というか、伊達に歳を重ねてはいなかった証だ。先ずは拍手を、そしていつかどこかでライブを楽しみたいバンドだ。ボブズ・フィッシュ・マーケット!
- THREE DECADES/BOB’S FISH MARKET
- ¥3,000
- Amazon.co.jp
池波正太郎『幕末新撰組』
●池波正太郎『幕末新撰組』
池波正太郎の新撰組と聞けば、そりゃあ面白いに決まってるから読みたい。そしてそれを娘が持っていたのでさっそく拝借。主人公は二番隊隊長永倉新八。これもいいなあ。永倉新八!竹を割ったように真っ直ぐな快男児。そして幕末を生き延び、大正四年に七十七歳の長寿を全うした男。剣を取っては、近藤、土方をしのぎ、ナンバーワンの沖田と互角だったともいわれる。というようなことは新撰組ファンには知られたことです。
さて池波新撰組の永倉新八はといえば、江戸っ子剣士ですね。単純明快を好み、女性に対しては純情で、もちろん宵越しの金は持たねえ(笑)って好漢である。これは池波さんの江戸っ子贔屓から来ているわけで、西国贔屓の司馬遼太郎が書けば、様相も変わってくるんだよね。佐々木譲(北海道生まれ)が榎本武揚を主人公に書いた『武揚伝』では、勝海舟なんかめちゃくちゃ悪い奴だし。
勝てば官軍、歴史は勝者によって作られる。教科書の日本史では「明治維新」といかにも立派だけど、江戸っ子や東国の反薩長勢力にとっては、思いはまた別だったはずで、賊軍だった新撰組の衰えない人気の裏には、こうした負け組への共感が根強いことが伺える。俺も日本史の中では負け組であり裏日本新潟の人間だから、明治維新なんていう言葉には複雑な思いを持っているひとりだ。
そうだ、永倉新八のことだった。この物語は、永倉が近藤達と出会った頃から、大正に大往生するまでの人生を描いている。ぶれない男の成長物語として痛快であり、特に明治期の晩年の永倉がかっこいい。
池波正太郎の新撰組と聞けば、そりゃあ面白いに決まってるから読みたい。そしてそれを娘が持っていたのでさっそく拝借。主人公は二番隊隊長永倉新八。これもいいなあ。永倉新八!竹を割ったように真っ直ぐな快男児。そして幕末を生き延び、大正四年に七十七歳の長寿を全うした男。剣を取っては、近藤、土方をしのぎ、ナンバーワンの沖田と互角だったともいわれる。というようなことは新撰組ファンには知られたことです。
さて池波新撰組の永倉新八はといえば、江戸っ子剣士ですね。単純明快を好み、女性に対しては純情で、もちろん宵越しの金は持たねえ(笑)って好漢である。これは池波さんの江戸っ子贔屓から来ているわけで、西国贔屓の司馬遼太郎が書けば、様相も変わってくるんだよね。佐々木譲(北海道生まれ)が榎本武揚を主人公に書いた『武揚伝』では、勝海舟なんかめちゃくちゃ悪い奴だし。
勝てば官軍、歴史は勝者によって作られる。教科書の日本史では「明治維新」といかにも立派だけど、江戸っ子や東国の反薩長勢力にとっては、思いはまた別だったはずで、賊軍だった新撰組の衰えない人気の裏には、こうした負け組への共感が根強いことが伺える。俺も日本史の中では負け組であり裏日本新潟の人間だから、明治維新なんていう言葉には複雑な思いを持っているひとりだ。
そうだ、永倉新八のことだった。この物語は、永倉が近藤達と出会った頃から、大正に大往生するまでの人生を描いている。ぶれない男の成長物語として痛快であり、特に明治期の晩年の永倉がかっこいい。
- 幕末新選組<新装版> (文春文庫)/池波 正太郎
- ¥660
- Amazon.co.jp
BUDDY MILLER『THE MAJESTIC SILVER STRINGS』
今日、近所の農家からアスパラをいただいた。初物ですよ、ありがたや。
●BUDDY MILLER『THE MAJESTIC SILVER STRINGS』
バディ・ミラーをリーダーに、マーク・リボー、ビル・フリーゼル、グレッグ・リースというギターの名手達が集ったバンドのアルバム。リリースは2011年、レコーディングは2010年にバディがプロデュースを行ったロバート・プラント『バンド・オブ・ジョイ』制作中の合間に行われたそうだ。
バディ、マーク始め皆好きなギタリスト達のアルバムなので、自然そのギター・プレイ、そして熱いアドリブの応酬なんかを期待して聴き始めたが、それは見事に裏切られたな(笑)。皆さんプロ中のプロ、充分に大人である。穏やかで余裕のセッション。彼等の好きな古いカントリー・ソングが取り上げられ、パティ・グリフィン、エミルー・ハリスなどゲスト・シンガーが華を添える。地味なアルバムである、で聴き続けていると地味が滋味に変わってくる。滋味なギターなんて、そう弾けるもんじゃないし。う~ん流石!
先の4人のギタリスト達のボトムを受け持つのはドラムのジェイ・ベルローズとベースのデニス・クロウチ。知る人ぞ知るT・ボーン・バーネット~ジョー・ヘンリーがプロデュースするアルバムの常連であり、先の4人もまたそのセッションの常連だ。つまり、これは、ギタリストのアルバムというより、T・ボーン~ジョー・ヘンリーの諸作に連なるアメリカーナってことになる。
●BUDDY MILLER『THE MAJESTIC SILVER STRINGS』
バディ・ミラーをリーダーに、マーク・リボー、ビル・フリーゼル、グレッグ・リースというギターの名手達が集ったバンドのアルバム。リリースは2011年、レコーディングは2010年にバディがプロデュースを行ったロバート・プラント『バンド・オブ・ジョイ』制作中の合間に行われたそうだ。
バディ、マーク始め皆好きなギタリスト達のアルバムなので、自然そのギター・プレイ、そして熱いアドリブの応酬なんかを期待して聴き始めたが、それは見事に裏切られたな(笑)。皆さんプロ中のプロ、充分に大人である。穏やかで余裕のセッション。彼等の好きな古いカントリー・ソングが取り上げられ、パティ・グリフィン、エミルー・ハリスなどゲスト・シンガーが華を添える。地味なアルバムである、で聴き続けていると地味が滋味に変わってくる。滋味なギターなんて、そう弾けるもんじゃないし。う~ん流石!
先の4人のギタリスト達のボトムを受け持つのはドラムのジェイ・ベルローズとベースのデニス・クロウチ。知る人ぞ知るT・ボーン・バーネット~ジョー・ヘンリーがプロデュースするアルバムの常連であり、先の4人もまたそのセッションの常連だ。つまり、これは、ギタリストのアルバムというより、T・ボーン~ジョー・ヘンリーの諸作に連なるアメリカーナってことになる。
- ザ・マジェスティック・シルヴァー・ストリングス/バディ・ミラー
- ¥3,465
- Amazon.co.jp
細野晴臣『HoSoNoVa』/佐藤泰志『海炭市叙景』
一気に気温が上がり、昨日県内では29°を記録した所もあった。我が家の回りの田んぼは、これから田植えが始まろうとしている。
●細野晴臣『HoSoNoBa』
ホソノとボサノバだ。別にボサノバのアルバムじゃないけど、ボサノバ気分な新作。全12曲中7曲が自作&共作。共作の相手は作詞の星野源。彼の詞はほのぼの鋭いね。オールド・タイミーな曲調ばかりなのは想像していたとおり。手堅い出来上がりだ。一昨年の京浜ロックで細野さんの歌声を堪能したけど、デビュー時よりずっと、自分はシンガーじゃない、たまについでに歌うことはあっても歌手じゃない、と思っていたという細野さんだが、この数年はずっと歌手細野晴臣としてフロントに立つ。「悲しみのラッキースター」のような滋味が満ちた曲と歌は細野さんならではの世界だ。低くつぶやくような歌声に、聞き耳をたてる。耳を澄まして聴く音楽はじつに豊かだ。そこに聴こえてくるいかしたギター。2曲でソロをとる鈴木茂のギターはほんと素晴らしい!ブラボー茂くん!
●佐藤泰志『海炭市叙景』
2章18の短編からなる小説。季節は冬から春。この後、夏と秋の章が書かれる予定だったが、作者の死により未完の小説となったと解説で知った。未完といっても本作はそれぞれの短編に繋がりがあるわけじゃないので、一編一編をそれぞれに味わうことが出来る。そしてその先に海炭市で暮らす人達が群像劇のように浮かび上がってくる。海炭市のモデルは、作者の故郷函館市。これは地方都市の市井の物語。しかし、物語というより、タッチはドキュメンタリーのようにクールだ。首都一極集中で疲弊する地方都市。各編の主人公はそれぞれ仕事を持っている(失業者もいたな)、どれもパッとしない仕事だ。世に言う負け組。作者は社会への不満を著すでもなく、登場人物に感情移入するでもなく、たんたんとその生活を著す。どこにでもあるような営みに、読むこちらが親近感を憶え、すこし辛くなる。これはなかなか凄い小説だ、とじわじわ突き刺さる。
●細野晴臣『HoSoNoBa』
ホソノとボサノバだ。別にボサノバのアルバムじゃないけど、ボサノバ気分な新作。全12曲中7曲が自作&共作。共作の相手は作詞の星野源。彼の詞はほのぼの鋭いね。オールド・タイミーな曲調ばかりなのは想像していたとおり。手堅い出来上がりだ。一昨年の京浜ロックで細野さんの歌声を堪能したけど、デビュー時よりずっと、自分はシンガーじゃない、たまについでに歌うことはあっても歌手じゃない、と思っていたという細野さんだが、この数年はずっと歌手細野晴臣としてフロントに立つ。「悲しみのラッキースター」のような滋味が満ちた曲と歌は細野さんならではの世界だ。低くつぶやくような歌声に、聞き耳をたてる。耳を澄まして聴く音楽はじつに豊かだ。そこに聴こえてくるいかしたギター。2曲でソロをとる鈴木茂のギターはほんと素晴らしい!ブラボー茂くん!
●佐藤泰志『海炭市叙景』
2章18の短編からなる小説。季節は冬から春。この後、夏と秋の章が書かれる予定だったが、作者の死により未完の小説となったと解説で知った。未完といっても本作はそれぞれの短編に繋がりがあるわけじゃないので、一編一編をそれぞれに味わうことが出来る。そしてその先に海炭市で暮らす人達が群像劇のように浮かび上がってくる。海炭市のモデルは、作者の故郷函館市。これは地方都市の市井の物語。しかし、物語というより、タッチはドキュメンタリーのようにクールだ。首都一極集中で疲弊する地方都市。各編の主人公はそれぞれ仕事を持っている(失業者もいたな)、どれもパッとしない仕事だ。世に言う負け組。作者は社会への不満を著すでもなく、登場人物に感情移入するでもなく、たんたんとその生活を著す。どこにでもあるような営みに、読むこちらが親近感を憶え、すこし辛くなる。これはなかなか凄い小説だ、とじわじわ突き刺さる。
- HoSoNoVa/細野晴臣
- ¥3,150
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- 海炭市叙景 (小学館文庫)/佐藤 泰志
- ¥650
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マイク・フィニガン『MIKE FINNIGAN』
天気いいねえ。黄砂が酷かったり、風が強かったりはあるけど、畑は賑やかになり、田んぼの仕事も始まった。我が家もようやくストーブを片付け、ここから夏に向かうわけだ。東電福島原発はやはりメルトダウン。津波以前に地震で被害を受けてたことが明るみになった。事ここに至っても御身大切な隠し事だらけ。国も東電も信じられず、放射能の恐怖にさらされる。そして節電を煽る夏に向かう。
●マイク・フィニガン『MIKE FINNIGAN』
'76年作、LP時代の愛聴盤が去年ようやくCD化された。キーボーディストとしてマイク・フィニガンを知ったのは、デイヴ・メイソンのライブ盤『情念』で、これも'76年作品だから、あまり時をおかずに両盤を聴いていたはずだ。
フィニガンの初ソロ・アルバムで、先ずヴォーカルの上手さにびっくり。キーボードの腕前は知られていたけど、これだけ歌える人とは思っていなかった。マッスル・ショールズのミュージシャンをバックに、南部色の強いロックなんだけど、埃っぽさや暑く湿った感じもなく、澄み切った南部の大地を思わせるピュアで力強い歌声が印象的だ。マリア・マルダーとエイモス・ギャレットも参加し、らしいコーラスとギター・プレイを披露。アラン・トゥーサンを2曲も取り上げ歌っているところにトゥーサンへの敬愛が感じられたり、そしてラストに歌われるジェシ・ウインチェスター「ミシシッピ・オン・マイ・マインド」の穏やかな歌声にもグッと引き込まれる。これも名盤だよね。
●マイク・フィニガン『MIKE FINNIGAN』
'76年作、LP時代の愛聴盤が去年ようやくCD化された。キーボーディストとしてマイク・フィニガンを知ったのは、デイヴ・メイソンのライブ盤『情念』で、これも'76年作品だから、あまり時をおかずに両盤を聴いていたはずだ。
フィニガンの初ソロ・アルバムで、先ずヴォーカルの上手さにびっくり。キーボードの腕前は知られていたけど、これだけ歌える人とは思っていなかった。マッスル・ショールズのミュージシャンをバックに、南部色の強いロックなんだけど、埃っぽさや暑く湿った感じもなく、澄み切った南部の大地を思わせるピュアで力強い歌声が印象的だ。マリア・マルダーとエイモス・ギャレットも参加し、らしいコーラスとギター・プレイを披露。アラン・トゥーサンを2曲も取り上げ歌っているところにトゥーサンへの敬愛が感じられたり、そしてラストに歌われるジェシ・ウインチェスター「ミシシッピ・オン・マイ・マインド」の穏やかな歌声にもグッと引き込まれる。これも名盤だよね。
- Mike Finnigan/Mike Finnigan
- ¥1,559
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