音盤ながし -20ページ目

DUB COLOSSUS『ADDIS THROUGH THE LOOKING GLASS』

●DUB COLOSSUS『ADDIS THROUGH THE LOOKING GLASS』
 近頃はTeitterで音楽情報を仕入れることが多い。Twitterで気になるCDの情報を知り、買って聴くことも多くなった。このダブ・コロッサスも、信頼しているフォロワーさん推薦だったので迷わずゲット。中身の濃い音楽で、一筋縄ではいかない感じが良いんだよね。
 謳い文句が、「<エチオピーク・ミーツ・ジャマイカン・ダブ>再び!ワールド~レゲエ~クラブの垣根を越えた最新作」。ほら、なんかそそるでしょ(笑)。アフリカもレゲエもダブも、しょっちゅう聴くわけじゃないし、ご無沙汰ぎみではあるけど、昔から好きな音楽なんだよね。だから興味津々で聴いてます。このバンド、ネット情報によれば、「イ
ギリスのエスニック・トランス・バンドとして90年代より活動しているTRANCE-GLOBAL UNDERGROUNDの創始メンバーのひとりで、その後TEMPLE OF SOUNDなどで活躍してきたマルチ音楽家ダブラー Dubulah(a.k.a. Nick Page)がプロデュースを務めるプロジェクト・ティーム。」とのこと。エチオピアのアディス・アベバで地元一流ミュージシャンや有名女声歌手とレコーディングを行い、さらにイギリスでオーヴァー・ダブされ完成したとあります。
 
“エチオピアのエディット・ピアフ”シンタイェフ“ミミ”ゼネベによるコブシまじりの強烈な歌は、エチオピア歌謡というべきもので、アラブ歌謡に似た感じ。そんな歌のバック・トラックにレゲエそしてダブが演奏され、そしてブラスが鳴り響き、ラウンジ系というか演歌っぽい旋律をクリーンなエレキ・ギターが奏でるというなかなかのミクスチュアー・ミュージックなんですね。こりゃあ一筋縄ではいかんわね(笑)
 エチオピアとレゲエといえばラスタ!ですよね。その辺の拘り具合は、さらに聴いて、訳詞でも読まないと判断できないんだけど、きっとなにかあるんだよね。
アディス・スルー・ザ・ルッキング・グラス/ダブ・コロッサス
¥2,310
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関口良雄『昔日の客』

●関口良雄『昔日の客』
 「...かつては私の背中におんぶされ、私の両手に手を引かれるようにして運ばれた本達よ。...」著者関口さんが、愛蔵の書物を日本近代文学館へ寄贈した時のことを綴った文章です。まるで自分の子供(あるいは老いた親)のように本を愛した著者の心情にうたれ、心が温かくなりました。
関口さんは古本屋さんです。そしてその当時昭和20~30年代、関口さんは本の買い付けなど、風呂敷に本を包んで運んでいたのですね。
 東京大森の古書店「山王書房」には、多くの作家や学者も訪れました。そんな山王書房を舞台に、尾崎士郎、尾崎一雄、上林暁、野呂邦暢など特に親交の深かった作家達との交友や、古本にまつわる話しが、素敵な短編小説のような語り口で綴られたのがこの随筆集です。昭和53年、著者が59歳で逝った1年後に出版され、その後幻の名著として語り継がれ、去年夏葉社より待望の復刊となりました。
 本書の魅力はずばり関口良雄さん本人の魅力です。古本を愛し、文学者を愛し、お酒が好きで、話し好きで、酔うと歌い出す、そんな関口さんが素敵です。そして、今では、そんな関口さんのようなひと、ここに登場するような人達、そんな人付き合い、そういったものすべてが『昔日の客』のように思われます。
 日本も日本人も、変わってしまい、
『昔日の客』の世界は懐かしい日本を想い起こさせます。そして僕はそんな懐かしい日本が好きなんだと思います。
昔日の客/関口 良雄
¥2,310
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船戸与一『大地の牙〜満州国演義6』

●船戸与一『大地の牙~満州国演義6』
 豪腕船戸与一の書く満州クロニクルも第6巻。本は重いし、内容はますます重苦しい。昭和13年の満州そして中国が舞台。三国同盟前夜、独ソ不可侵条約、ノモンハン事件、甘粕正彦の満映理事長就任、汪兆銘の南京政府樹立、この辺が第6巻の背景だ。

 物語は満州~中国に渦巻く陰謀に翻弄される敷島四兄弟の動きを追って進行する。長男太郎は東大卒の外務省官僚、現在は満州国国務院外務局高級官僚だ。次男の次郎は家を飛び出し満州浪人から馬賊の首領となった。馬とモーゼルが似合うナイス・ガイだったが、今はフリーの身でルノーを運転しきな臭い場所で活躍する。三男の三郎は関東憲兵隊の大尉で花形と呼ばれる凄腕だ。特務として危険な仕事を任される。四男の四郎は早稲田で演劇を始め、そして無政府主義を標榜する劇団に入る。その思想そして不倫関係の弱みをにぎる悪漢!特務機関員間垣徳蔵に操られ、大陸に放り込まれる。今は甘粕の満映に在籍。
 こんな、抜き出しただけで黒々してる満州国演義、船戸与一がぐいぐいと引き込み読ませちゃうんだよね。早く続きが読みたいぞ。
大地の牙―満州国演義〈6〉 (満州国演義 6)/船戸 与一
¥2,100
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絲山秋子『ダーティ・ワーク』

 明日は娘が通っている津南中等教育学校の体育祭。第一期生が6年生(高三)となり、初めて6学年揃っての体育祭となるわけだ。娘は今3年生で先輩が上に3学年いたわけで、親から見ても普通の中学生活を送ってきたと思う。しかし一期生である6年生には、入学した時から先輩がいなかった。先輩のいない学生生活って、俺にはなかなか想像できないんだけど、なにか一期生の誇りのようなものを、抱いていてくれたらいいなと思う。伝統のない学校に、最初に伝統を創るなんてかっこいいじゃないか。伝統は君達から始まる。君達が後輩の誇りとなることを信じているよ。
 
●絲山秋子『ダーティ・ワーク』
 絲山さんのはたいてい読んでると思う。なにが好きなのか、からっとした叙情があるね。それと多いのがダメ男小説だ。絲山さんはきっと、ダメ男が好きなんじゃないかな(笑)絲山さんがロック好きなのは、これまでの作品で知ってました。本作はローリング・ストーンズのアルバム名(曲名)がタイトルの連作短編集。各章のタイトルもストーンズの曲名からいただいている。登場人物
は様々だけど、やはりダメ男、恋に不器用な女性など、絲山作品らしい人達がいる。
 最初に登場する熊井ちゃんという女ギタリスト。彼女はプロのギタリスト。だけどそんなに売れてるわけじゃない。ステージに立つと男に間違われる容姿(らしい)で、さばさばした性格、一見クールに生きてるようで、じつは不器用で傷つきやすい熊井ちゃん。彼女がこの連作短編の主要人物となる。読み始めはわかんないんだけど、だんだんと人間関係が判ってくるんだよね。
 最終章、人付き合いが不器用な男女が再開、やはりぎこちなくつきあいながら、ゆらめく光明に向かって歩み始める、そんなお話し。よかったよ。
ダーティ・ワーク (集英社文庫) (集英社文庫 い 66-1)/絲山 秋子
¥450
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TEDESCHI TRUCKS BAND『REVELATOR』

 今日6月16日、ようやく我が家の居間からコタツが消えた。まあね、このひと月程はコタツに入ることもなかったんだけど、田植え時や梅雨時の頃に、急に冷え込むことがあって、その用心のためにコタツがあったんだよね。でも六月半ば、さすがにコタツもじゃまになってきたから、もうこのへんでってことで片付けましたよ。11月から今まで、長のお勤めご苦労さん、コタツさん。

●TEDESCHI TRUCKS BAND『REVELATOR』
 デレク・トラックス、スーザン・テデスキ夫妻の双頭バンドとしてのデビュー・アルバム。
これが予想以上に素晴らしかった。デレクのギターの腕前、とくにスライド・ギターの巧さは、新生オールマン・ブラザーズやデレク・トラックス・バンド、そしてクラプトンのバックでの演奏などで実証済み。ジョン・フルシアンテ、ジョン・メイヤーと並ぶ若手ギタリスト三羽烏とも称される人気者だ。ただ俺には、巧いけどガッツがない、エモーショナルに欠ける、そんな印象があった。ジャム・バンド風な悠長な演奏にたいするイメージが大きかったせいだ。なので、このテデスキ・トラックス・バンドも最初は気乗りがしなかった。ところが、アルバムの評判の良さが、どんどん目に耳に入ってきて、う~むこれはやはり聴いてみなけりゃイカンね、となったわけ。
 いや~聴いて良かった~最高!かっこいい!これは快作です。テデスキのブルージーな歌声と、そこに絡むデレクのギターの素晴らしさ。しなやかにウネるリズムに乗って、デラニー&ボニーやデレク&ドミノスなどを思わせる、南部ロックの最新系を耳にした感動がある。なにより、デレクのギター&スライドが今までになくエモーショナルでキレがある。こんなにスカッとするギター・プレイは、最近のバンドの中では久しぶりに耳にする。若き実力者が、素晴らしいバンドを得て、真のギター・ヒーローになったんだね。この先、ほんと楽しみだわ~。
レヴェレイター/テデスキ・トラックス・バンド
¥2,520
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