細野晴臣『HoSoNoVa』/佐藤泰志『海炭市叙景』
一気に気温が上がり、昨日県内では29°を記録した所もあった。我が家の回りの田んぼは、これから田植えが始まろうとしている。
●細野晴臣『HoSoNoBa』
ホソノとボサノバだ。別にボサノバのアルバムじゃないけど、ボサノバ気分な新作。全12曲中7曲が自作&共作。共作の相手は作詞の星野源。彼の詞はほのぼの鋭いね。オールド・タイミーな曲調ばかりなのは想像していたとおり。手堅い出来上がりだ。一昨年の京浜ロックで細野さんの歌声を堪能したけど、デビュー時よりずっと、自分はシンガーじゃない、たまについでに歌うことはあっても歌手じゃない、と思っていたという細野さんだが、この数年はずっと歌手細野晴臣としてフロントに立つ。「悲しみのラッキースター」のような滋味が満ちた曲と歌は細野さんならではの世界だ。低くつぶやくような歌声に、聞き耳をたてる。耳を澄まして聴く音楽はじつに豊かだ。そこに聴こえてくるいかしたギター。2曲でソロをとる鈴木茂のギターはほんと素晴らしい!ブラボー茂くん!
●佐藤泰志『海炭市叙景』
2章18の短編からなる小説。季節は冬から春。この後、夏と秋の章が書かれる予定だったが、作者の死により未完の小説となったと解説で知った。未完といっても本作はそれぞれの短編に繋がりがあるわけじゃないので、一編一編をそれぞれに味わうことが出来る。そしてその先に海炭市で暮らす人達が群像劇のように浮かび上がってくる。海炭市のモデルは、作者の故郷函館市。これは地方都市の市井の物語。しかし、物語というより、タッチはドキュメンタリーのようにクールだ。首都一極集中で疲弊する地方都市。各編の主人公はそれぞれ仕事を持っている(失業者もいたな)、どれもパッとしない仕事だ。世に言う負け組。作者は社会への不満を著すでもなく、登場人物に感情移入するでもなく、たんたんとその生活を著す。どこにでもあるような営みに、読むこちらが親近感を憶え、すこし辛くなる。これはなかなか凄い小説だ、とじわじわ突き刺さる。
●細野晴臣『HoSoNoBa』
ホソノとボサノバだ。別にボサノバのアルバムじゃないけど、ボサノバ気分な新作。全12曲中7曲が自作&共作。共作の相手は作詞の星野源。彼の詞はほのぼの鋭いね。オールド・タイミーな曲調ばかりなのは想像していたとおり。手堅い出来上がりだ。一昨年の京浜ロックで細野さんの歌声を堪能したけど、デビュー時よりずっと、自分はシンガーじゃない、たまについでに歌うことはあっても歌手じゃない、と思っていたという細野さんだが、この数年はずっと歌手細野晴臣としてフロントに立つ。「悲しみのラッキースター」のような滋味が満ちた曲と歌は細野さんならではの世界だ。低くつぶやくような歌声に、聞き耳をたてる。耳を澄まして聴く音楽はじつに豊かだ。そこに聴こえてくるいかしたギター。2曲でソロをとる鈴木茂のギターはほんと素晴らしい!ブラボー茂くん!
●佐藤泰志『海炭市叙景』
2章18の短編からなる小説。季節は冬から春。この後、夏と秋の章が書かれる予定だったが、作者の死により未完の小説となったと解説で知った。未完といっても本作はそれぞれの短編に繋がりがあるわけじゃないので、一編一編をそれぞれに味わうことが出来る。そしてその先に海炭市で暮らす人達が群像劇のように浮かび上がってくる。海炭市のモデルは、作者の故郷函館市。これは地方都市の市井の物語。しかし、物語というより、タッチはドキュメンタリーのようにクールだ。首都一極集中で疲弊する地方都市。各編の主人公はそれぞれ仕事を持っている(失業者もいたな)、どれもパッとしない仕事だ。世に言う負け組。作者は社会への不満を著すでもなく、登場人物に感情移入するでもなく、たんたんとその生活を著す。どこにでもあるような営みに、読むこちらが親近感を憶え、すこし辛くなる。これはなかなか凄い小説だ、とじわじわ突き刺さる。
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