名残惜しく下田を離れ、再び始まった185系の旅。
行きに比べればゆったりと、走りを満喫する静かな旅。
車内ものんびりジョイント音が響き、時折眠気も誘発される。
伊豆熱川、13:04着。
朝の賑わいに対すると、土曜の午後イチはまだそこまででもない。
そこへ、東京からの「サフィール踊り子1号」が到着。
E261系は結局251系との入れ替わりになり、1年ほど定期列車として“競演”していた。
個々に見てはいても意外なほど並びを撮れておらず、却って新鮮だったりする。
そしてさらに快走を続け、209系と再会して…
13:14、伊豆高原へ。
ここでは下りと同じ、2番線へ到着。
伊豆高原から東京方面へは、イベント帰りにも利用したことがある。
記録も折々に行っていて馴染みのある駅だが、2番線に発着する上り特急は初めてだ。
ここでは下り同様3分ほど停車。
少しホームでリラックスできる時間が。
帯なしの8000系8004Fは、朝と変わらぬ位置に留置されていた。
ワンマン表示と連結器周りさえ気にしなければ、東急時代のままである。
そして、なぜここで185系は伊豆高原駅は2番線に入線したのか?
伊東方に行ってみて、その理由が判明した。
3番線に先行した普通列車が居たのである。
通常上り列車では、2番線に普通列車が入線して待避になるはずなのだが…
この列車は13:09から11分間停車し、もともと臨時列車の運転がない日は所謂“カラ待避”に。
それもあって発着番線を変更していないのだろうが、極めてレアなシーンであるには違いない。
しかも停車していたのは3000系。
かつて散々並んでいたであろう両形式の並びを、伊豆で見られる時代が来ていた。
そしてさらに、下り「リゾート21」とも交換。
リゾート21も登場から40年近く。
まだ2編成が残り、走り装置もすっかり旧式の抵抗制御。
これから先どうなっていくのであろうか?
下り列車が到着すると、すぐに発車。
懐かしい車両、
懐かしい音、
懐かしい風景。
ノスタルジックなものがどれだけ現代に受け入れられるかは、正直難しい。
そのあたりはやはり、鉄道趣味者の嗜好は周りとは違うことを自覚せねばならない。
世代交代は世の常、どこもそうして今に繋がっているものであるからだ。
“残して欲しい”の独り言は、得てして“独りよがり”と表裏一体であることを理解しておきたい。
3年ぶりの伊豆急の旅。
往復約2時間、充実した185系による旅は、いよいよ終わりを迎える。