加えて、ホームに上がってから号車位置を間違えかけた!
散々東海道線を利用しているのに、指定された1号車が東京側だと勘違いしたのである。
少ししてから気づいて慌てて踵を返したが、やれやれどうしたものやか。
飲み物もギリギリで調達。
酒類は叶わなかったが、麦茶を買えたからまずは一安心。
そして先頭側。
相変わらずの賑わいっぷりに、少々立ち眩みすら覚える。
本当、あんたら3年以上前まで何してたのさ。
そんなツッコミを、心の中で何回してきたことだろうか?
それでも、それなんてまだ最近可愛いほうだと思ってしまうのが最近。
それくらい近年の情勢は、宜しくないことが続いてしまっているなと感じずにいられない。
ただそれは、あくまで都心部や首都圏近郊に限ったことなのだなとも。
それはまたこの日も、その先も、ずっと同じようなことを思ったのではあるが。
そして、8:50。
いよいよ臨時特急「185」は横浜駅から走り出した。
車内はほぼ満席。
さすが土曜の朝、といったところである。
しかも乗った1号車には、偶然鉄道写真つながりの友人M氏も乗っていて互いに爆笑。
列車は軽快に、東海道線を下っていくがー。
「踊り子」の頃と比べると、本気感はちょっとばかり窺いづらい。
追い抜きもないため、軽く流しているような印象すらも感じた。
指定座席が1号車、クハ、モーター無しというところもその感覚に乏しさを感じたのだろうか。
そして、検札も“自分は”淀みなく済み、横浜駅で買ってきた駅弁を開けた。
ご存じ大定番、崎陽軒のシウマイ弁当である。
時間が足りないとか特段食べたいもののアイデアに乏しい時は、だいたいここに行き着く。
それくらい安定のおかずが揃い、安定の美味を提供してくれるからである。
なお個人的には筍の煮物もとても好きなものであり、買う動機になる稀有なおかずである。
路線自体は半月前にも乗っているから、ひたすらのんびりと乗っていく。
が…
隣に乗ってきた若い乗り鉄氏は、そうではなかった。
やはりえきねっとで予約確保したそうだが…
指定席券売機での発券を忘れてきたそうなのである。
それで車掌氏にお伺いを立てたが案の定、対応はできず…
案内された連絡先に電話するために立ち、少なくとも東海道線内は戻ってくることがなかった。
自分も発券忘れを危惧しギリギリ発券したわけだが、見事に明暗が分かれた形となった。
やがて、相模湾が車窓を彩る。
折々の旅に金の思い出を刻んできた相模の海、毎回見る度に気持ちも新たになる。
そして9:56、熱海に到着。
横浜を発車してから初めての停車だったが、ここでも扉は開かない。
最末期の「ムーンライトながら」でもそうだったが、団臨に近いくらいの乗降分離の扱い。
だが、結構な乗降利用を期待できる熱海すら飛ばすのは、なかなかに勇気のあることでもある。
ここで遭遇したのは、209系改め伊豆急行3000系。
113・115系以来2回目のトレードとなったが、今のところ続くものは出ていない。
ここで1分ほど停車し、伊東線へ。
トンネルを抜けて、どんどん東伊豆に足を踏み入れていく。
ここから往年の力強い走りも戻っていく。
もっとも停車駅が少ないのは、それだけ車内の動きも減りゆっくり乗っていられることだ。
それは「あしかが大藤まつり号」に乗って、小山前後を通過した時も思っていたことである。
だが、元々のホームグラウンドである伊豆での乗車はまた格別の感であった。
…そして横浜から1時間20分余り、ひとつの区切りへー。