さぁ、6050系でこの日3回目の北上。
久しぶりに見た「普通 会津田島」の方向幕と共に、野岩鉄道線を北上していく。
席も満遍なく埋まり、これまでよりも賑やかな雰囲気で走っていく。
改めて、鉄道というものは人が乗ってナンボだなという印象。
朝の鬼怒川温泉行きと逆で、川治湯元駅でそれなりの下車が。
朝同様、湯西川温泉駅でも多く下車。
それでも、まだ多くの乗客が引き続き6050系と共に北へ向かう。
一瞥した感じ、鉄道趣味人ばかりが残ったような印象だったが…
トンネルを抜ける度に、どんどん気候が変わっていく。
それでも、中三依温泉あたりまではギリギリ晴れていたが…
やはり山の天気は侮れず、やがて雪が降り始めてくる。
そして、ある駅で界隈の実情を垣間見る。
男鹿高原駅のホームに、立ち尽くす三脚。
いくら平均乗降客数1人未満という秘境駅とはいえ、ホーム真ん中に堂々と三脚を立てて撮影し
それを立てたまま放置(退避?)しているというのは、一体どういうことなのだろうか。
もし万が一風に煽られて、線路側に倒れかかったとしたらどうするつもりだったのだろうか?
このあたりの対応のまずさが、最近話題の智頭急行恋山形駅での一件を引き起こすということを
どれだけの撮り鉄が、ひいて趣味者全体が認識しているのか、改めて警鐘を鳴らしておきたい。
そんなことを考えながら、まず野岩鉄道線内を走り抜けていく。
15:12、会津高原尾瀬口駅到着。
約5時間ぶりの会津高原尾瀬口駅は、6050系臨時列車目的の乗客で少しだけ賑わっていた。
雪が降る寒い中ではあったが、その熱気に少しだけ寒さを忘れながらシャッターを切る。
とにかく、朝来た時にはいなかった人たちがそこにはあった。
だが、そこには残念ながら、日常の空気感は全くと言っていいほどない。
後刻、カレチ氏が
いつもこれくらい乗ってくれれば…
と思わず嘆いていたのだが、それはもうこの時点で強く実感することとなる。
しばらく停車する中で、会津田島方からやってきたのは「リバティ会津144号」。
こちらは多くの乗客を乗せたまま、短時間で浅草に向けて走り去っていった。
そして、6050系の周りにはもう少し熱い空気が纏わりついている。
この61102Fも例外なく、車体から錆が吹き、汚れも目立ち厳しい状態が垣間見える。
この2023年で遂に車齢37年に達する現役最年長となったが、どこまで走ることができるのか。
そして、いよいよ9ヶ月半ぶりの会津鉄道線へ走り出そうとしている。
2022年12月30日15時21分。
この列車は、野岩鉄道6050系による一連の年末年始臨時列車の初列車なのであった。