さて、いよいよ雪景色の南会津に足を踏み入れた。
昨年2月の経験と免疫があるから、特段驚きもなくグイグイ北上していく。
福島県に無事に入り会津高原尾瀬口駅、9:23着。
スキーや冬登山だろうか、結構な下車があった。
およそ1分の停車で、リバティは速やかに会津田島に向けて発車していく。
昨年3月のダイヤ改正以降は、会津鉄道線内を定期で走る唯一の電車になっていた。
…そしていよいよ、感激の再会。
6050系!
野岩鉄道に残った最後の現役編成のうちの1編成・61103F。
1988年に富士重工業(現・SUBARU)で追加製造された完全新製車。
長いこと東武鉄道に管理を委託していたが、現在は基本的に新藤原駅(本社)常駐となった。
室内は2022年3月までと変化はなし。
…というところで、折り返し鬼怒川温泉行きの発車までまだ30分ちょい時間がある。
荷物をボックスシートに置き、トイレ方々会津高原尾瀬口駅を歩いてみる。
改札を出てさらに渡り通路を通り下に降りると、バスに乗っていく人の列が。
たかつえスキー場経由檜枝岐行きのバスだったようだ。
駅には「憩の家」という土産物屋が併設されている。
一瞥して、実はこの時点で会津の地酒を買おうと検分していた。
しかしこの時は、先の予定がまだ長いため荷物になるという懸念から買うのを見送り。
この判断が、後々ただでさえカツカツな予定の中でより慌てさせることになる。
トイレに寄ってみると、こんな掲示が…
シーズンには「尾瀬夜行」「スノーパル」といった夜行列車も到着する会津高原尾瀬口駅。
富士山のトイレと同じような問題が、ここでも起きているというのだろうか?
駅前は雪に覆われていたが、積雪は5cmもなくまだまだ穏やか。
…と、ほどなくして手持ち無沙汰になってしまったので、飲み物だけ買ってホームに戻る。
6050系のボックスシートで、地元で予め買っておいたパンを食べて再始動。
6050系そのものは、これまでにも幾度に渡り撮り重ねてきた。
なので、また改めて撮ってみたところで「?」と感じ、シャッターを押す指が止まる。
…とそこに、会津鉄道のAT-700形気動車が入線。
こちらは、会津田島→会津高原尾瀬口間で片道のみ運行された午前の臨時列車だった。
さぞかし多くの乗客が6050系に乗り継ぐ…
と思っていたら。
1人しか乗り継がない( ̄O ̄;)
他の日がどうだったかは知らないが、この日はこれが全てだったのである。
この現実に、改めてローカル線の持っている厳しさを痛感した。
そしてAT-700形は、ほどなくして会津田島駅に向けて回送されていったのだった。
また会津高原尾瀬口駅の改札、待合室に歩いてみた。
改札といってもそこに駅員は立たず、入鋏省略である。
灯油ストーブが赤々と燃え、十分な暖かさを提供してくれる。
時刻表を改めて見ると、列車本数は会津若松方面のほうが多いが、3本以外は全て会津田島行き。
野岩鉄道は普通列車が5本まで減ってしまったが、リバティ会津は鬼怒川温泉まで特急券不要。
それにしても、厳しさを改めてひしひしと感じる年の暮れになったのだった。
そんな中で、臨時列車のお知らせに少しばかり気持ちを立て直す。
まずは定期の鬼怒川温泉行きで来た道を戻ることにするが、それは今までの寂しさから一転して
またこの路線、この列車の存在意義を強く感じ入って、前向きな気持ちを強くすることにー。