久しぶりの6050系旅は、これまた久しぶりの純粋な観光の賑わいを纏って山を下りてきた。
それは、鉄道旅の持つ無形のチカラを感じさせるに十分のものだった。
10:46ー。
61103Fによる普通列車は、定刻で東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅2番線に到着した。
どっと乗客が降り、多くは階段・エスカレーターで3・4番線に向かっていく。
この日は鬼怒川温泉11:12発「SL大樹2号」運転日で、3番線には14系客車が停車していた。
牽引するSL・C11 207号機は構内で方向転換・入換作業中。
さらに4番線には、20400型による10:49発普通東武日光行きが停車中。
そのためなのか、4番線で接続する普通列車には階段等を利用して乗り換えをしなければならず
また接続時間も3分しかなく、バリアフリーの観点からもちょっといかがなものかと感じた。
かねてから東武鬼怒川線は路線規模の割には遅延が多いなという印象で、それは日光線方面から
引きずってくるよりも、こうした接続のもたつきが影響することがあるのだろうか。
実際、10:49発の普通東武日光行きも、1分少々の遅れを持って発車していった。
さて、6050系の入換作業は意外にも素早く。
接続する普通東武日光行きよりも先に、来た道を逆に動きだした。
向かう先は…
リ
新藤原方の留置線である。
こうして、61103Fは4時間ほどの“昼寝”へと向かっていった。
さて、SL大樹の14系客車編成は、3番線に発電用ディーゼルエンジンを響かせて停車中。
両側はぶどう色2号に塗装されたスハフ14 5とスハフ14 501が連結。
中間は展望車のオハテ12ではなく、JR北海道から譲渡されたドリームカーのオハ14 505が。
特にドリームカーはJR北海道「はまなす」の頃と変わらず、動態保存的に使用されている。
ほどなく、下今市方からヨ8709を連結したC11 207号機がバックで入線。
バック入線時は、ヨ8709の尾灯横に増設されたライトを点灯させて入る。
ゆっくりと接近し、絶妙な力加減で連結!
しばらくは構内にディーゼルエンジンと、SLの“生きた音”が響き渡る。
走り走って、5周年。
新藤原方跨線橋には、階段アートが。
駅名標も、旧国鉄風のレトロなものに。
オハ14 505の側面には「ドリームカー」ロゴマークも健在。
北海道〜青森ほど寒さ・雪は厳しくない環境に移り、余生を送っている。
急行「はまなす」へは計画のみで乗車できぬまま終わっているので、ここで北の鉄路を偲びつつ
ゆっくり乗車する時間を取るのも良いかなと考えている。
…もっともこの日は野岩鉄道から北が主目的で、またSL大樹は乗車対象になっていない。
14系客車自体貴重だから、そろそろ重い腰を上げておいても良さそうではあるのだが。
ヨ8000は実用途は東武ATS機器搭載車。
窓には早くも正月飾りと、金太郎??
先頭付近では、発車時間ギリギリまで記念撮影などで大賑わい。
駅員さんも、注意喚起しつつアシストするサービスを。
はい、たいじゅ!
なるほど、ここにはここのオリジナル掛け声があるのか!w
そして11:12、汽笛一声!
先ほどの駅員さんの手振りを見つめつつ、
下今市に向けてゆっくり発車していく「SL大樹」を見送った。
ここからはまた、南北を行ったりきたりしつつ、な旅が続く。