こんばんは!
翻訳家チャールズです。
年度末が近づくにつれ、
翻訳業は不規則な日々が続き勝ちだ。
緊急案件だとか、イレギュラーな依頼だとか。
翻訳業界歴20年というのもあり、
こういう展開にはずいぶんと慣れている。
むしろ、お客様にとってはもっとも大切で大変な時期のに、
ご指名は光栄だと思っている。
信頼されているという意味でもあるから。
しかし、いくら慣れているとはいえ、
年度末は変化球の多い時期に間違いない。
予算が余ったから、2か月分の仕事を2週間後の年度末までに収めてほしい。
予算はもうほとんどないから、単価を大幅に下げてほしい。
新年度に合わせてホームページと社内の資料を全て一新したい。
等々、思い切った話が集中し勝ちの時期である。
もう一つこの時期によく頂くご相談は、
「会社の企業理念や経営理念を英語にしたい」というお客様。
企業理念や経営理念って?
簡単に言えば、
企業理念は会社が大切にしたい考え方や価値観。
その会社が目指す存在意義や目的だといえる。
経営理念は経営者(=社長)が
企業理念に示された価値観を尊重しつつ、
会社としてどのような目標を目指し、
その目標をどのように達成するかを示すものだといえる。
さて、みなさま。
企業理念と経営理念、どっちが大切だと思いますか?
僕は長年の友達とよく話題にしているテーマだが、
「会社とは何のために存在するか?」
かたや「社会に貢献するため」、こなた「利益を生むため」。
・社会に貢献しない会社は社会に選ばれずに淘汰する!
・利益が出さない会社はなんの貢献もできない!
このように、どっちが正しいか結果付かない課題ではある。
しかし、この課題を企業理念と経営理念に例えると、
企業理念は、社会に貢献するために大切にしたいとこを、
経営理念は、その思いを尊重しつつ、利益を生むため必要かことを、
それぞれが企業に必要な側面を表せている。
いえば、コインの裏と表。
両方の意識がしっかりあって、はじめて話が成立する。
会社の経営者もこれを意識しつつ事業に挑んでいる。
そのため、年度の入れ替わりとともに、
自社の企業理念や経営理念を一新されるお客様が珍しくない。
特にSDGsが発表されて以来、「貢献」と「利益」の両立が会社に求められている。
この企業が社会に求められている責任を正しく把握して、
事業活動に反映させるための道標が企業理念と経営理念。
「貢献」と「利益」の両立を目指すには、
企業として何を大切にし、どのような儲け方を目指すかをしっかり把握しないといけないからだ。
なので、企業理念と経営理念、どっちが大切だと思いますか?と聞いたが、
この通り、両方の理念が大切です!
企業理念と経営理念を明確にしてはじめて、企業が
・CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の活動
・ESG(Environment・Society・Governance:環境・社会・企業統治)のための体制づくり
・SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に向けた取り組み
を、効果的かつ効率的に実行できるようになる。
しかし、こういった企業のサービスや商品を受ける人々は、企業の企業理念や経営理念を、意識するものか?
その菓子パンや飲料、毎日乗っている車や身に着けている洋服の背景には、様々な企業理念と経営理念がある。
若しくは、全くない場合もある。
社会的責任を果たさなければならないのは、企業だけではないと僕は思っている。
次回は、この続きとして、企業の「理念」と消費者の関係について考えたいと思う。