翻訳という仕事は様々な働き方や専門がある。
20年間年前、ニューヨークの翻訳会社に勤めていた時は、
ある凄い翻訳者がいた。
彼女は(Sさんと呼ぼうかな)その会社専属の翻訳者だったが、ひとりで翻訳をするというより、「人間翻訳マシン」を動かしていた。
このマシンは様々なパーツからできていた。もちろん、Sさんが中心として、翻訳をしていた。しかし、翻訳といえば、思い浮かぶのは、一人の人がカチャカチャとキーボードを打っているイメージかもしれないが、Sさんはその領域を遥かに超えていた。
この人間翻訳マシンの脳に当たるSさんは、口頭で翻訳をし、その音声を録音していた。
そして音声データは別のチームメンバーがテープ起こしして、さらに別のメンバーが文字起こしてしたものを校閲する。
そして、Sさんのスケジュール管理も別のメンバーが担当していて、完全に高性能の人間翻訳マシンとして機能していた。
Sさんを中心としたこのマシンは、通常のプロ翻訳者の2.5倍~3倍の分量を処理していて、会社の成長に大きく貢献していた。
Sさんと違って、僕はカチャカチャとキーボードを打っている一人だ。
ただ、カチャカチャ人間の中でけっこう早い方だと思う。
昔からのキャッチフレーズはAccurate and On Time。正確かつスピーディーだ。
何故この話を思い出したかというと、僕は未だにすべて一人でやろうとする癖がある。
しかし、Sさんのように、自分がしなくて良い作業をより効率よく分散できれば、
より確かな成長ができるはずだ。
昨日書いたように、SDGsの専門性を高めることと同時に、
専門外のことを他の人に任せて、時間をより効率的に使うことが、
2022のもう一つの目標にしたい。