15年ほどまでになるか、

 

いや、もっとその前かもしれないが、

 

仕事で選択と集中という概念を意識するようになったのは、

おおよそ15年前だと思う。

 

実は僕が今まで2回もキャリアをゼロからやり直している。

 

日本の大学院で近代文学の研究をしていた僕は、

ある日、研究生をやめてアメリカに帰ると決めた。

生まれ故郷、シカゴ

 

その決断に至った背景は別のストーリーだが、

 

人生で初めての就職活動を始めることとなるが、

そして初となる就職は翻訳会社だったが。

 

 

インターネットバブルの真っ最中でニューヨークという大都市だけに、

スパルタ、そして弾丸の毎日だった。

しかし、できる人には、チャンス溢れる時代と街でもあった。

 

2001年当時のNYC

 

Frank SinatraのNew York, New Yorkという有名な歌があるけど、

そのもっとも知られているであろう歌詞は、

If I can make it there 

I'll make it anywhere 

It's up to you

New York, New York

 

1999年はまさにこの歌詞の通りの雰囲気だった。

自分次第だけど、ニューヨークで成功できたら、

どこでも通用する。

僕もそう感じていて、それを証明する一人でもあった。

 

 

いつも通り8時45分に会社に着いた。

オフィスの椅子に鞄をかけて、窓の外を見た頃には、

もうWTCの北ビルは既に燃え上がっていた。

 

そして、どうしたんだろうと外を見ていた9時3分、

南ビルにもう一機が突っ込んて大きな炎のたまが目に映った。

 

ようやくテロという意識で物を捉えるようになって、

マネジメントスタッフで避難対策を話し始めた10時頃に、

会議室から南ビルが崩壊していく風景が目に焼き付けられた。

 

自分の常識、世界観、すべてがひっくり返る瞬間だった。

 

そして、ビルの避難命令が出されて道をさまよう中、その瞬間の30分後、

北ビルが崩れていくのも目の当たりにした。

 

そのうち、人は普段通り仕事へ戻り、
普段通りの生活を取り戻そうとしたが、

 

僕はニューヨークの空を見上げることができなくなっていた。

 

そして、その空の下にいることに耐えられなくなって、

好きだった仕事をやめることにした。

 

これは、ニューヨークとのお別れともなり、

日本へ移住する決断のきっかけともなった。

 

そうして、人生で1回目、キャリアをやり直すことになった。。。

 

(続く)