お疲れ様!

プロ翻訳家、チャールズです。

 

プロの翻訳家が伝えるワンポイントEnglish、第3弾です!

 

 

Profit vs. Income、Sales vs. Revenue

 

早速ですが、貴社の決算の数字は何を示しているものですか?

利益はProfitですか?それとも、Incomeですか?

売上はSalesなのか?それもRevenueですか?

 

決算報告書における用語は社内ではっきりしていても、

英訳となれば、勘違いされがちな用語があります。

 

このような用語の定義が必要な言葉は珍しくありません。

 

そこで、今回の+1では、この季節に欠かせない、

決算関係のワンポイントを伝えたいと思います!

 

前回の+1Englishにも書いたが、

僕の仕事の6割近くが決算関連の仕事です。

 

この数年で多くの企業が金融庁のガイドラインに沿って、

英文でも情報開示をするようになりました。

 

しかし、日頃英語を使う訳でもなければ、

翻訳ができるほどの英文Expertが
社内に存在しない会社の方が多いことももう一つの現実です。

 

そのため、英文開示に必要な資料を外部に委託わけですが、

この外部委託の際に、注意しなければならない点があります。

 

それは、用語の管理です。

 

翻訳家や翻訳会社は、いくら言葉のプロであっても、

お客様それぞれの内部事情の全ては理解していないし、

お客様の会社としての好みをすべて把握することができません。

 

僕はみたいな人間翻訳マシンを目指している者でも、

すべてを知ることは不可能です。

 

+1Englishの第1回に説明したように、

言葉の声を正しく反映して世の中に新しい声として出すには、

一定のプロセスが必要です。

 

そのプロセスには、お客様のコミュニケーションや事前準備が欠かせません。

 

何故なら、会社の大切な資料のグローバル化となれば、

英語はともかく、中国語・韓国語・ドイツ語等、

社内にすべての海外版をチェックする機能を持つことが、非現実的だからです。

 

統一性を保ち、一貫性のあるメッセージを世界に伝えるには、

 

用語集がもはや必要不可欠です。

 

 

貴社は用語集を用意されていますか

 

そもそも、用語集とはどんなものなのか?

 

簡単なサンプルを用意しました。

画像をみて頂ければわかりますが、

基本的に用語集は原文用語一覧とその対訳一覧を合わせたものです。

 

用語集はどのように使われるのか?

 

ご存じの通り、同一の用語には訳文としての候補は複数存在する場合がほとんどです。

そして、言葉一つずつに、それぞれのニュアンスがあったりします。

 

選ぶ単語によっては、そしてその前後の用語や表現によっては、

全体の意味合いが変わったり、

会社として伝えたいメッセージから逸脱したり、

意図をしていない「声」を発信することに繋がります。

 

また、決算資料で良く見られるのは、

各年度の資料に使われている表現や用語の統一性が保たれていないことです。

 

事前に用語集を用意することによって、

こういった課題は未然に防ぐ、又は減らすことができます。

 

用語集があれば、翻訳者が作業中にキーワード検索をして、

用語を確認することができるからです。

 

また、おまけではありますが、用語集の用意は、

社内の英語学習に繋がっているというお客様の声も頂いたことがあります。

 

やはり、直ぐに参考にできるところは、社外の協力者だけではなく、

社内の方の役に立つことがあるかもしれません。

 

間違いなく、用語集は翻訳の統一性を含む品質向上に繋がる強力なツールです。

 

諸刃の剣?

 

しかし、強力であるからこそ、間違った準備や正しくない使い方では、

逆に翻訳プロセスの効率を下げてしまうケースもあります。

 

Pt.2(その2)では、用語集の用意の仕方、お勧めしたい使用条件等、

用語集の応用にスポットを当ててみたいと思います。

Profit vs. Income、Sales vs. Revenueの話しもちゃんと解説します。

 

Pt.2は近日アップしますので、

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