すずの創作物語 -17ページ目

誰よりもあなたが… 17

「はるか、オレさ…キャプテンになったよ」
「え…キャプテン?そっか~すごいね。壮介だったら、いいキャプテンになるよ!大変なこともいっぱいあるだろうけど、ガンバってね!」
「おう!」

壮介は頑張ってた。いいキャプテンになろうと、みんなを引っ張っていこうと。でも、後輩は個性豊かな人が多いらしくて、みんなをまとめるのにかなり苦労していた。
私のことを考える余裕はないようだった。
仕方ないとずっとガマンしていた。
私だって大変さは分かるつもりだから。
だから会えなくても、かまってもらえなくても、ずっとガマンしてた。
信じてた。

そのまま私たちは三年生になった。

絶対地区予選優勝。その使命に壮介は押し潰されそうなくらいプレッシャーを感じていたようだった。支えたかった。でも、壮介がドンドン遠くなってる気がした。
学校で会えば話したりはしてたけど、クラブが全てになってた壮介は、わざわざ私に時間を作ろうとはしなかった。

ある日、部室の前を通りかかったとき、立っている壮介の後ろ姿が見えた。

「壮…」
私は言葉を失った。
壮介は、バレー部の後輩のマネージャーの女の子を抱きしめてた…。

私に気付いた壮介は目を見開いた。

誰よりもあなたが… 16

ある日、友達と買い物に行ったとき、お店でキレイなパープルの数珠のブレスレットを見つけた。私はその色に一目惚れして、2つそのブレスレットを買った。

翌日、昼休みに会いに来てくれた壮介に寄り添っているときにこっそりポケットにいれておいた。メモを付けて。
放課後、クラブで使う飲み物を作るのに、冷水機にいたら
「はるか~!!」
と壮介が走ってきた。手を差し出して、数珠を見せて
「探したぞ。これ、サンキューな。すっげー嬉しい!」
そう言って私の頭をクシャクシャっとなでた。
「手紙も嬉しかったよ。」
「実はさ…私もお揃いなんだ。」
とチラッと数珠を見せた。
「いいじゃん。あんまり人には見えないけど実はペアって。」
「うん!!」
ペアなんて恥ずかしいって嫌がられるかな?と思ったから、いいじゃんと言ってくれたことが嬉しかった。

毎日が楽しかった。
クラスも仲良くて、クラブも楽しい。壮介がいる。勉強は…相変わらず英語に苦しめられていたけど…。

そして、どのクラブも先輩たちの引退の時期になっていた。
私たち陸上部も、最後の試合が終わって、三年生が引退した。
私たち二年生が引っ張る時代になった。

壮介たちバレー部も同じだった

誰よりもあなたが… 15

私はネックレスを見つめて、つぶやいた。
「オレからのプレゼント。」
「え…でも…誕生日もクリスマスもまだまだだよ?」
「いいんだよ。オレさ、今日はるかも自分の試合で忙しいのに、時間見つけて試合の応援に来てくれたのが、すごい嬉しかったんだ。大慌てで体育館出て行ったのも見てたし…」
「ゲッ…見てたの…夢中になって見てたら時間がやばくなって…」
「そんな慌ててるのも可愛くてさ。初めて試合見てくれた記念だよ。」
そう言うと、壮介はネックレスを箱から出して、着けてくれた。
私は感動で半泣き。
壮介の胸に顔をうずめながら、
「ありがとう…でも…いつ買ったの?」
「店出る直前にトイレ行くって行ったとき。」
「全然気付かなかったよ…」
壮介は私を抱きしめながら
「そりゃ、サプライズを狙ったんだから、当たり前だろ」
そう言って、いたずらっ子のように笑った。
私はネックレスを肌身離さず着けてるね!と壮介に約束した。
本当に嬉しかった。

次の日、目ざとく首にひかるものを見つけた美咲に追求されて、昨日のことを話したら
「壮介がそんなことするなんて、想像できない~すごすぎる~」
となぜか大興奮していた。