すずの創作物語 -15ページ目

誰よりもあなたが… 23

4月。短大に入学した私は、新しい生活に慣れるのに必死だった。

「はるか~一緒にバイトしない?」
友達からの電話。
「何のバイト?」
「遊園地に新しく出来るアトラクションのスタッフ。私受付でバイトしててさ、誰かいない?って頼まれててさ。」
「いいよ~。土日しかムリだけど」
「じゃあ、次の土曜日面接に来て」
「了解」

土曜日、約束通り面接に行った。その場で採用。明日から新規オープンの準備を手伝うことになった。

翌日、指定された場所に行くと、社員さんが1人。
「あ。よろしくね。もうすぐ、ずっとここでバイトしてる連中が何人か来るから、そいつらと一緒に作業してもらうから。」
「はい…」

しばらくすると、5,6人の男の子が来た。
指示された作業をしながら、話をしていると、彼らは遊園地の駐車場の誘導のバイトをしているグループらしくて、もう3年くらい働いている大学生らしかった。
とにかく仲良しグループで、バイト中その中に入れてもらってるのは楽しかった。

何日かバイトに通った帰り、
「はるかちゃん、今からオレら、ボウリング行くけど、一緒に行かない?」
とリーダー挌の弘人くんが誘ってくれた。
「行こうかな…」
そう答えた。

誰よりもあなたが… 22

話しをしてるうちに、家に着いた。
「ありがとう。送ってくれて。大学…地元離れるんだよね?頑張ってね。気をつけてね。」
「おぅ。サンキューな」私が家に入ろうとすると、ふいに腕を掴まれて引き寄せられた。そして、突然キスされた。
え…?!
「ゴメンいきなり。ずっと引きずってた片思い、やっと忘れられる」
私はビックリして、何も言えないまま家に駆け込んだ。そして部屋に入って座り込んだ。
壮介以外の人と、キス…しちゃった…。

ますます、壮介が遠くなってしまった気がした。
壮介の唇しか知らなかった。
一瞬のキスだったけど、違うって分かった。

まだ覚えてる…壮介の唇。

別れて何ヶ月もたつのに覚えてる。
数え切れないくらいキスしたもんね。
早く忘れなきゃ…。

忘れなきゃ…そればかりを考えていた。

誰よりもあなたが… 21

そんな春休み。同窓会のお誘いがきた。
しかも小学校と中学校両方。
いつまでもウジウジしてられないので、参加することにした。
中学校の同窓会。
三年ぶりに会う同級生もいて、同窓会は大盛り上がり。夜遅くまで騒いで、気付けば帰りのバスがない!
仕方ないから1時間くらいかかる距離を歩いて帰ることに…。
「オレ、送るよ」
と、当時野球部で人気者だった上山くんが言った。
「え…いいよ。途中までみんな一緒だし、私送ってから自分の家まで歩いたら、また1時間くらいかかるよ?」
「いいじゃん。久々に会ったんだし、ゆっくり話しながら帰ろうぜ。」
「うん…」
途中まで一緒だったみんなと別れて、上山くんと2人のんびり歩いた。
「高校でも野球部だったの?」
「うん。そっちは?」
「私は陸上部のマネージャーしてたよ。」
「へぇ。そういえばさ、中学の時、彼氏いたよな?卒業してからどうなったんだよ?まだ続いてるとか?」
「え…卒業したころには、別れてたよ?」
「えっ!?ウソだろ?」「本当に別れてたよ?」「マジかよ…。オレさ、お前のこと好きだったんだ。でも付き合ってるヤツいるし…と思って気持ち封印してたのに!」
「そうなの?気付かなかった」