すずの創作物語 -16ページ目

誰よりもあなたが… 20

心にポッカリ穴があいたような、そんな気持ちのまま、毎日が過ぎていった。
私たちもクラブを引退した。
壮介たちバレー部は残念ながら地区予選準優勝に終わった。
壮介と学校ですれ違うことはたまにあったけど、目を合わせることは出来なかった。まだまだ辛すぎた。

高校を卒業する季節がきた。
私は短大に進学が決まっていた。
壮介は専門学校に行くらしい。
卒業式。
みんなに今日壮介と話さないと後悔するよ!と言われたけど、私はまた気持ちが揺れるのが怖くて、話かけられなかった。
壮介…私の高校生活は、壮介を思い続けた三年間だったよ。
壮介と過ごした時間は幸せで、暖かくて、忘れられない時間だったよ。
たくさんキスをしたね。抱きしめてくれたね。頭をクシャクシャと撫でてくれる仕草が大好きだったよ。

壮介…私は…壮介が大好きだったよ。今でもやっぱり大好きだよ…。
でも…卒業しなきゃね。壮介からも。
新しい一歩をちゃんと踏み出さないとね…。
バイバイ壮介。もう壮介と会えるチャンスがないと思うとやっぱり寂しい。
高校っていう唯一の接点がなくってしまうんだから…。

春休みに入っても、わたしは腑抜けのような生活を送っていた。

誰よりもあなたが… 19

「でも…?」
「今でもはるかのことは大事に思ってる。でも、今は正直はるかの気持ちが重い。」
「重い…」
私はもう何も言えなかった。壮介と別れるなんて考えられなかった。でも…受け入れるしかないと思った。
「わかった…壮介…今までありがとう。私壮介が大好きだったよ。」
今も大好き…と心の中で続けた。
「オレも、はるかが大好きだったよ。ゴメンな。勝手なオレで。幸せになれよ。」

壮介が立ち去って、私は泣き崩れた。壮介の前では必死に耐えてた。私のプライドだった。

次の日、私は学校を休んだ。

壮介と過ごした一年余り。幸せな日々を思い出してた。
思い出しては泣いてた。別れる日がくるなんて、思ってもいなかったから、立ち直れる自信なんて全くなかった。

何日も学校休むわけにもいかないから、次の日はしぶしぶ学校に行った。
別れたと聞いたらしい美咲が飛んできた。
「はるか、大丈夫?聞いたよ…。後輩のことも…」
「もう、いいよ。壮介が別れるって言うんだから仕方ないよ…」
「はるか…」

1日休んだ間に私たちが別れたというのは広まっていて、しかも後輩とのことが目撃されていたらしくて、壮介は悪者になっていた。壮介は悪くないのに…

誰よりもあなたが… 18

「はるか…」
慌てて、離れる2人。
「信じてたのに…」
私は、呟いてその場から走り去った。
とにかく走った。
「はるか!待てよ!」
壮介が追いかけてきて、私の腕をつかむ。
私は涙が止まらなくて、何も言葉にならなかった。
「はるか…聞いて。あれは相談に乗ってて、泣いてしまった後輩を慰めるのに思わず…」
「私…ずっとガマンしてた。今は壮介キャプテン大変だから、だから一緒にいれなくても仕方ない。ガマンしようって…。ずっと何も言わなかった。でもずっと寂しかったよ。理由はなんでも、他の子抱きしめるなんて…ヒドイよ。」
「なんで、分かってくれないんだよ!仕方ないだろ!」
「仕方ないで片付けないでよ!」
「はぁ?それ以外なんて言えばいいんだよ!今オレはバレー以外考えられないんだよ!」
私はその一言が突き刺さった。黙り込んだ…。
「オレたち…もうダメかもな。今のオレにははるかを幸せには出来ないな…」
「別れるって…言いたいの?」
うなずく壮介。
「イヤだよ…壮介がいないなんて、イヤだよ…」「ゴメンな。はるか。オレ今ははるかと一緒にいれない…ゴメン…」
「もう、私のことキライになった?」
「キライになんか、ならない。でも…」