昨日、参議院選挙の期日前投票に行きました。開始8時半からですので、車で千種区役所に8時20分ごろに着き、2階に上がると、10人ぐらいが待っていて、3分前から1列に並ぶよう指示され、1分前の掛け声の後、、8時半丁度に、一人づつ、期日前投票の案内の紙を渡し、選挙区の投票用紙を渡され、投票、その後、比例の用紙を渡され(投票用紙がでてこず、数分待ちましたが、)比例の投票をしました。人数と政党が多いため、非常に小さい文字で、眼の悪い人は見えないかもしれません。

 今や、期日前投票は投票者の30%を超え、選挙後半に追い上げてと報道機関が、言っても、最終日の投票だけではどうしようもないかもしれません。あまりにもいい加減な候補者が多く、NHKの政見放送でもマスクをかぶり、時間中無言で終了する候補もおり、全てを同一に扱うのは無理があるように思えます。海外でも人の悪口や恫喝だけで、国のトップになる人がいるために、性善説の日本のやり方は変える必要があると思います。ネットでの投票も解禁すべきではないでしょうか?

 昨日のモネ展の色の見え方について解説します。モネは70歳ぐらいから白内障が強くなり白内障手術を勧められましたが、頑なに、拒否し、80歳ごろにはほとんど右眼は見えず、左眼の視力もかなり落ちていました。その頃の絵は茶色っぽい絵で、印象派の面影はありません。ついに、その頃のフランス首相クレマンソーに説得され、ようやく右眼だけ手術しました。その時、右は青く見えて、左は黄色から茶色に見えて、気持ち悪いと言っていたようです。解説しますと右は褐色の水晶体がなくなり、光が全て入ると、水晶体で遮断されていた青色の光がたくさん入り、物が青く見えます。現在は眼内レンズを黄色に着色して40歳ぐらいの水晶体の透過率にして見え方をそれほど不自由ないようにしています。一般人は、100色ぐらいしか見分けられませんが、絵を描く人は3万色を見分けられると言います。ですから、白内障術後右と左の違いで絵を描く気持ちが亡くなった時期もあるかと思います。その後、左眼も手術しましたが、色の見え方には満足せず、3度目の手術をしたとのことですが、その、内容に関しては不明です。その頃の眼鏡は眼内レンズがない時代ですから、非常に厚い+度数であったと思います。その頃、フランスにいた日本人の眼鏡士がいろいろな色の眼鏡を作成し、黄色い眼鏡が最も、モネの色彩感覚にフィットして、それで、最晩年の絵に到達したものと思われます。その頃の絵は、完成年がはっきりせず、何年から何年というもので、その間、試行錯誤をしたものと思われます。

 眼内レンズはほとんどが、欧米のものですが、唯一、イエロー眼内レンズはHOYAが開発したもので、今では世界共通になっていますが、出た当時は、色がおかしく見えると非難されました。その当時、私は、上飯田第一病院に赴任していましたが、イエロー眼内レンズと、同じ色の眼鏡度数をもちいて
、無水晶体眼の人、透明眼内レンズの人に装用させて、色覚検査表を用い、色彩が、イエローの方がより良いことを実証しました。懐かしい思い出です。

 

 火曜日は休診日ですので、家内と豊田市美術館のモネ展に行ってきました。娘から平日でも駐車場は朝9時45分には満車になるから早く行きなさいと言われ、9時半までに着こうと思い、9時20分に到着。まだ駐車場は余裕でしたが、会場には既に100人ほど、列を作って入場待ち、気温は到着時31度、快晴で無風、40分の待ちはかなり暑いです。10時開場ですが、10分前に、空調の効いている中に入れて貰い、10時から先頭から入場、豊田市の小学生でしょうか?、開館前に地元の小学生にモネ展の観覧をさせてあげているのですね。

素晴らしい試みだと思います。子供たちは楽しそうで、待っている我々に挨拶をして出てゆきました。

オランジエリー美術館、マルモッタン・モネ美術館、国立西洋美術館などにある、睡蓮の連作など見どころは多数ありますが、眼科医としての目線は白内障や、妻の死によって、印象派とは思えないような暗い絵になったモネが3度の白内障の手術と日本人がつくった黄色い眼鏡によって色を取り戻した過程がみれたことです。晩年の作品も色にあふれていました。写真をとれるのが大装飾画のところだけですので、紹介できませんが、9月15日まで開催されていますので、いろいろな見方でモネを楽しんでください。

 

1)高濃度水素吸入

2)水素水

3)スイソサプリ内服

水素を体内に取り込むには上記の3つの方法があると主だったものです。

1)の水素吸入は大量の水素をカニューラなどで、肺に入れる方法です。30分から1時間の吸入で、呼気中の水素濃度は3時間まで高い状況が続きます。ですから、自宅で夜間睡眠時に吸入すると血中水素濃度や呼気中水素濃度は15時間ぐらい高い状態で過ごす可能性があります。

2)は水素水1リットルあたり18ml程度しか溶解しません。ですから、吸入の水素を飲用で取り込もうとするとプ―ルの水を飲み干さないといけないことになり、これは不可能です。また、アルミ容器に入っていたとしても、開封した途端、ほとんどの水素は空気中にでていってしまいます。水素水が有効なのは、お風呂場などで、電気分解で水素を発生する装置をを使用して、アトピーなどの患部に当てる方法が有効です。

3)ケイソをシリコンで包んだシリコン製剤であるHG-EVOの内服は1gあたり、800~1400mlの水素を24時間持続的に発生させるため、道運びが容易で私は、旅行や、入院の時には必ず持参して飲んでいます。自宅にいるときには、夜間就寝時に常に水素吸入しています。3か月以上内服を続けると呼気中水素濃度は10ppmを超えるようになります。

 今年は3月~7月5か月間ウグイスの声を朝の散歩で聞いています。ウグイスは早い時には2月の梅の開花のころ、雄が縄張りや求愛の為にホーホケキョと鳴くと言われ、花札にも「梅に鶯」の絵柄がありますが、実際には梅の木にいるのは、メジロです。「春告鳥」と呼ばれていますが、繁殖期の2月から7月半ばまで、メスを呼ぶために、良い音色で鳴いています。今年は6月から7月が猛暑で、こんなに暑い時期に鳴くのかとびっくりしていましたが、普通のことなんですね。

 暑くても、ウグイスの鳴き声を聞くと、涼しげな気持ちになるので、楽しいものです。緑がどんどんなくなり、最高気温が40℃に達しようかという時期になると、鳴かなくなるのでしょうね。残念です。

 昨日、津市のプラザ洞津で津高校の古希同窓会に出席しました。高校時代は、受験戦争のさなかで、友人はライバルと思えと言われて、穏やかな楽しい附属中学時代と比べて、あまり良い思い出がなく、これまで、一度も高校の同窓会には出席していませんでしたが、昨年、大病を患い、6週間の入院を経て、奇跡的に回復した今、これまでの人生を振り返ろうと思い、古希、皆が70歳という年齢は、今後、なかなか、会えない人が多いかもという気持ちで出席しました。

 三重県の津高校はそのころ、人口が増えている時代でもあり、1学年580名ほどの12クラスあるマンモス高でした。

 高校に入るや否や、数学の先生から、附属中学や高田中学の諸君は今は、クラスのトップクラスと思っていても、夏休みの後は地獄を見るぞと脅され、君たちは伸びた弦で、すぐに切れてしまうと言われました。実際、夏休み後の試験は散々の出来で、成績は3桁のところまで落ちました。

やはり、と思いましたが、各中学のトップクラスの生徒は夏休みに猛勉強をしているのに、我々はクラブ活動や授業をさぼって映画をみたり、遊びにかまけて、あまり勉強をしていませんでした。愕然として、クラブ活動もやめて、本気で勉強を始めましたが、他の生徒も頑張るので、なかなか、成績は上がらず惨めな思いをしたのを覚えています。暗い3年間だったと記憶しています。

 52年ぶりに会う級友たちは顔も思い出せません。でも15分ぐらい皆の顔を見ていると、確かに、皆の顔を少しずつ認識することができるようになりました。残念ながら、高校時代に親しかった友人は亡くなったり、参加していなかったりしましたが、小学校の時に友人に2名思いがけず逢えて、昔話に花をさかせました。今回、170名の参加者が集い、3割弱が参加したということで、すごい数が集まりました。ただ、12クラスもあったので、一度も同じクラスにならなかった人が大半で、あまり、お話ができなかった人が多く、残念でした。

恩師も4名参加、現役の津高校の校長先生も参加してくださり、現在は1クラス40名、8クラスで学年320名と数が減ったこと、今でも、昔と同じで、自由でフランクな学風が残っていることを紹介していただきました。恩師は80歳前後ですが、非常にしっかりしておられ、音楽の先生は、素晴らしい朗々とした声で,校歌を歌われており、1年の時の担任の先生は80歳を過ぎてからも、いろいろ勉強したり、地域活動に参加したりしているようです。お話をして、私のことを覚えてくださっており、びっくりしました。

 もう少し、高校時代、いろいろがんばっていればよかったと反省しております。折角、助かった命ですから、これからも、誰かの助けになるように頑張れたらと、名古屋に戻りました。9月には附属中学の同窓会があるということで、その3年間は濃密な時間であったので、より楽しみです。

 水素は世界最小の分子であり、コンクリートでも突き抜けていきます。水の体積の2/3は水素であり、我々が生きてゆくために必要な酸素の倍量あります。これまで、運動など疲れた時には、酸素吸入されてきましたが、酸素を吸うと、余計にヒドロキシラジカルを増やして疲れることがわかったため、最新のジムや運動クラブは運動の後に、酸素ではなく、水素を吸入するようになりました。

 水素は、赤ちゃんの時、大腸の中で日和見菌でも偏性嫌気性菌という酸素が存在すると増殖できない、バクテロイデス門、フィルミクテス門が1日800mlの水素を発生させます。腸内細菌叢が健全で、水素産生菌が活発に水素を発生しているときは、健康ですが、腸内細菌の働きが悪くなると炎症やアレルギー反応により、調子が悪くなります。その状況が続くといろいろな病気を引き起こします。我々は生きるためには酸素が必要です。酸素はミトコンドリアに働いてエネルギーをつくりますが、その時に必ず悪い活性酸素であるヒドロキシラジカルが発生します。ヒドロキシラジカルがあっても水素を大腸が作っていれば、水素がヒドロキシラジカルと合体し、水となり体外に排出します。すると、NOなどの良い活性酸素が働き、免疫機能を上げ、炎症を抑え、血流を増加させます。ヒドロキシラジカルが増えすぎる、あるいは水素の発生量が減少すると病気になるわけです。

 100歳を超えても、耳も目もよくて健康な人の呼気中の水素量を測定すると、驚くほど高く、調べてみると大腸の腸内細菌叢の水素産生菌が十分量あり、大腸で大量の水素を生成しています。ですから、健康な人は赤ちゃんと同様に、大腸で水素をたくさん作っているのです。

 老化や酸化でヒドロキシラジカルが多い人は、体の中で発生する水素が少ないわけですから、外から水素を取り入れないといけないわけです。一昔前、水素水がブームになりましたが、水中に溶ける水素量は微量ですし、アルミニウム缶であったとしても、開けたとたん、水素は外に出て行ってしまいますので、ただの水を飲んでいるのと同じことになります。例えると吸入水素量を水素水で飲もうとすると、50mプールの水を飲まないといけない計算になります。勿論、常に電極で水素を発生している状況の水素水はお風呂で水素を発生させれば、アトピー体質の方の皮膚はとてもきれいになります。また、微量の水素でも、腸内に水素水が入ると、脳に伝達されて、炎症を下げる指示がでるなどの報告もありますので、全否定するわけではありませんが、水素水の飲用より、水素の吸入ははるかに効果は高いようです。

 ではどれぐらい水素を吸入すればよいかというと1分あたり。水素のみで250ml/分あるいは水素:酸素=2:1の場合水素600ml酸素300mlの場合、30分の吸入で3時間程度、呼気中の水素濃度は高く、1時間の吸入では4時間程度、5時間の吸入で動物実験では15時間血中水素濃度が高いというデータがあります。つまり、夜間就寝時に5時間以上水素吸入を行うと、起きている間、血中水素濃度が高い状態が続く可能性があります。人と、動物では違う可能性がありますが、毎晩水素吸入を行っていると、悪かった眼血流が改善していることが、OCTAではっきりします。そのため、当院(セントラルアイクリニック)では、正常眼圧緑内障、網膜色素変性症、加齢性黄斑変性症、各種疾患の黄斑浮腫などに対して眼血流を上げる治療を行っています。

 勿論、全身的には一番多く用いられているのは、癌の治療です。ステージ3,4の治療不可能な癌に対しては、現在オブジーボなどの免疫療法が行われていますが、外科療法、放射線療法、化学療法を行った後の免疫機能はズタズタになっていますので、これらの患者さんに水素吸入を続けると、免疫が回復し、オブジーボなどの免疫療法の効果がでてきます。免疫療法+高濃度水素吸入療法は、最近では早期がんの治療にも用いられますし、化学療法や、放射線療法の副反応や合併症をなくすにも最適です。

 さらに免疫の過剰反応に対する治療にも用いられ、コロナ感染症やコロナの副反応。後遺症の治療にも有用です。

高圧水素吸入療法において、パーキンソン氏病で歩けなかった人が、高圧水素1時間で歩けるようになったりと水素の力は侮れません。私は、いろいろな効果は血流改善が主たる効果と考えています。血流は簡単には観察できませんが、眼科ではOCTAを用いることにより容易に眼血流を測定できます。

 水素は健康だけでなく、燃料として水素自動車、水素による発電などエネルギー源として、クリーンエネルギーとしての活用が見込まれています。これからは、水素の時代といえるのではないでしょうか。

 

  私自身の血圧、体調、眼血流の変化           正常眼圧緑内障の水素吸入と眼血流の関係

 

 学校の色覚検査は小学校1年生、中学校1年生で希望者に色覚検査をすることになっています。以前は全員に色覚検査を施行していたのが、色覚検査は差別を助長するということで、20年間日本では色覚検査が行われなくなりました。

 勿論、医学部などの理系で入試に色覚検査が行われ、そのために入学できないということがありましたので、弱度の色覚異常では、信号の色も区別できますし、その程度によっては、いろいろな職業差別になるという考え方は一理はあるのですが、色覚検査を無しにするというのは、問題があることだと、ずっと思っていました。なぜならば、現在でも船舶関係では色の見落としが重大事故になる可能性もありますし、今でも色覚検査が残っています。また、色彩などの、色で判断する場合、色覚異常は問題になります。また、男性の5%は遺伝により色覚異常があるわけですから、日本の場合、300万人以上の色覚異常者が存在する事実を認識する必要があります。自分自身で色覚に問題があることを認識していれば、十分注意しますので問題ないのですが、検査を受けたことがない人は、自分の色感覚が他の人と異なるということがわからないわけですから、大人になってから困ることがいろいろあるわけです。

愛知県眼科医会で始まった色覚検査忌避の流れが、そのころの、日本眼科医会を動かして、20年もの間、色覚検査が行われない状況が続いたのです。ようやく3年前から色覚検査が再開されたのですが、愛知県、特に名古屋市は、検査に積極的ではなく、1年目は検査2名、2年目が5名、今年は21名と少しずつ増えてきましたが、今年も、女の子が半分ですから、男子は10名ぐらいです。検査の学年の男子が33名ですので、ようやく1/3が受けたことになります。これまで、一人も検査で、色覚異常者が検出されませんでしたが、今年は1名は第一色覚異常、もう一人は判定不能ながらも要精密検査になりましたので、2名です。この学年の男子の5%は2名か3名ですので、きちんと検出されたと思いますが、どうして希望者しか検査しないのは不思議です。ようやく、学校に石原式色覚検査表が配布されました。これまでは、校医が全てクリニックから持参して検査していました。

 まだ、以前の亡霊を追いかけているのでしょうか?世の中にはものすごい数の遺伝疾患があります。遺伝疾患を全く持たない人の方が少ないので、これも一つの個性をみることもできます。色の感覚は一人ひとり、詳細に調べれば、異なります。ですから、色彩の区別が弱くても見分けられるユニバーサルカラーが用いられるようになったりという時代になったわけですから、自分の色感覚がどうなのかを知ることができる検査は必ず一度は受けるようにしていただきたいと思います。

現在、日本での白内障手術は年間150万件と言われています。そのうち、単焦点は90%以上、多焦点は5%未満と言われています。

先進医療のころ、当院では30%から50%が多焦点の患者さんでしたが、先進医療が終了してからは。5%程度に低下しました。

多焦点眼内レンズは年々進化し、白内障手術そのものも進化しているのに、不思議な現象です。

多焦点が遠方だけでなく、近方もよく見えて80%以上の方が眼鏡なしで生活できているのに、何故、それほど増えないのでしょうか?1つは医療は水、安全とともに無料であるという意識でしょうか。先進医療も先進医療特約の保険に入っている人にとっては、無料で受けれる多焦点眼内レンズという考えで大幅に増えたということがあります。第2に多焦点のメリット、デメリットが十分に患者さんに伝わっていないことがあります。多焦点はグレア、ハローが必ずでます。そのデメリットが強調されすぎている可能性があります。多分、カウンセリングシステムがきちんとできていないことがあります。これまで、全て保険診療でやっていた施設が、自費診療のムンテラをすることは、なかなか大変です。ですから、多焦点のデメリットばかりを説明することになります。第3に多焦点の度数ずれです。度数ずれは、問題ない症例でも多焦点の3%ぐらいにおきます。LASIK後や問題ある症例の場合でも8%程度です。当院の場合はエキシマレーザーがありますので、度数ずれの場合、患者様がもう少し裸眼で視力を上げたいという要望があれば、全例タッチアップで度数をぴったりにすることができます。ただ、普通はエキシマレーザーがないので、多焦点の場合、

裸眼で遠くも近くも見えないとクレームの対象になりますので、乱視にたいしてはAK,度数の過不足に対してはAdd-Onレンズを挿入する、または多焦点レンズそのものを交換するかのいずれかになります。ただ、AKは正確性がありませんし、IOLの交換や、Add-ON挿入はそれだけで角膜乱視を増やしますので、タッチアップ(LASIKやPRK)で修正する方が正確ですし、患者さんの負担も少なくすみます。問題は、多焦点をやる施設が、LASIK施設に患者さんを紹介してくれないということです。多焦点はこんなもんだよと説明し、眼鏡装用で遠くも近くも見えるから単焦点よりは、はるかにいいよと説明することが問題と思います。私は多焦点とタッチアップは一対の物だと思っています。度数が合わないときにはタッチアップで度数を修正すれば、眼鏡なしで遠くも近くも見えますよと説明して、度数の合わない場合は、私どもに紹介ください。そうすれば、多焦点眼内レンズの満足度はもっと上がりますし、眼内レンズの中での多焦点の割合は10~20%に上がると思います。

 

 世間では、医療費の抑制が声高に叫ばれていますが、医療現場にいると、ここ数年で、医療を取り巻く環境は大幅に悪化しています。元々、保険医療は2~3%の利ザヤしかない産業です。多くの患者さんを集めて、何とかやってきたのが、消費税が8%から10%に上がったことにより、注射や薬は購入時は消費税がかかり、患者さんの請求は消費税がかからないため、薬価差より消費税の方が高いため、マイナスの赤字になってしまいます。今の保険点数では注射をすればするほど、病院やクリニックが赤字になる仕組みになぅっています。地方の病院では、医師不足や看護師不足で病棟閉鎖やマイナー科の休止で、どうにもなりません。また、都市部でも病床90%以上の稼働率でも赤字になる状況です。

 収入を救急でまかなっていたところも、本来の意味の救急ではなく、コンビニ感覚の救急が多いため、その対応に医師が疲弊し、収入も上がらないため、救急を休止するところも増えています。

 一般のクリニックも消費税の問題だけでなく、従業員の募集でも人が集まらず、一般企業並みのベースアップを求められ、人件費をやり繰りするのに、四苦八苦している状況です。眼科器機は高額で、都市部は家賃高騰で、収支が急激に悪化して、名古屋駅周辺だけでも、年末までに、クローズすると宣言しているクリニックが数件あります。

 医療崩壊は皆さんの知らない間に既に始まっており、気が付いたら、都市部でさえ近くのクリニックもなくなり、救急車を呼んでも、入る病院がなく、拠点病院での手術は数か月待ちという時代は、もうそこまできています。

 地方でローカル線が廃止され、衰退してゆくのと同じで、地方でも都市部でも医療を受けるのが大変な時代になると思います。