世間では、医療費の抑制が声高に叫ばれていますが、医療現場にいると、ここ数年で、医療を取り巻く環境は大幅に悪化しています。元々、保険医療は2~3%の利ザヤしかない産業です。多くの患者さんを集めて、何とかやってきたのが、消費税が8%から10%に上がったことにより、注射や薬は購入時は消費税がかかり、患者さんの請求は消費税がかからないため、薬価差より消費税の方が高いため、マイナスの赤字になってしまいます。今の保険点数では注射をすればするほど、病院やクリニックが赤字になる仕組みになぅっています。地方の病院では、医師不足や看護師不足で病棟閉鎖やマイナー科の休止で、どうにもなりません。また、都市部でも病床90%以上の稼働率でも赤字になる状況です。
収入を救急でまかなっていたところも、本来の意味の救急ではなく、コンビニ感覚の救急が多いため、その対応に医師が疲弊し、収入も上がらないため、救急を休止するところも増えています。
一般のクリニックも消費税の問題だけでなく、従業員の募集でも人が集まらず、一般企業並みのベースアップを求められ、人件費をやり繰りするのに、四苦八苦している状況です。眼科器機は高額で、都市部は家賃高騰で、収支が急激に悪化して、名古屋駅周辺だけでも、年末までに、クローズすると宣言しているクリニックが数件あります。
医療崩壊は皆さんの知らない間に既に始まっており、気が付いたら、都市部でさえ近くのクリニックもなくなり、救急車を呼んでも、入る病院がなく、拠点病院での手術は数か月待ちという時代は、もうそこまできています。
地方でローカル線が廃止され、衰退してゆくのと同じで、地方でも都市部でも医療を受けるのが大変な時代になると思います。