学校の色覚検査は小学校1年生、中学校1年生で希望者に色覚検査をすることになっています。以前は全員に色覚検査を施行していたのが、色覚検査は差別を助長するということで、20年間日本では色覚検査が行われなくなりました。

 勿論、医学部などの理系で入試に色覚検査が行われ、そのために入学できないということがありましたので、弱度の色覚異常では、信号の色も区別できますし、その程度によっては、いろいろな職業差別になるという考え方は一理はあるのですが、色覚検査を無しにするというのは、問題があることだと、ずっと思っていました。なぜならば、現在でも船舶関係では色の見落としが重大事故になる可能性もありますし、今でも色覚検査が残っています。また、色彩などの、色で判断する場合、色覚異常は問題になります。また、男性の5%は遺伝により色覚異常があるわけですから、日本の場合、300万人以上の色覚異常者が存在する事実を認識する必要があります。自分自身で色覚に問題があることを認識していれば、十分注意しますので問題ないのですが、検査を受けたことがない人は、自分の色感覚が他の人と異なるということがわからないわけですから、大人になってから困ることがいろいろあるわけです。

愛知県眼科医会で始まった色覚検査忌避の流れが、そのころの、日本眼科医会を動かして、20年もの間、色覚検査が行われない状況が続いたのです。ようやく3年前から色覚検査が再開されたのですが、愛知県、特に名古屋市は、検査に積極的ではなく、1年目は検査2名、2年目が5名、今年は21名と少しずつ増えてきましたが、今年も、女の子が半分ですから、男子は10名ぐらいです。検査の学年の男子が33名ですので、ようやく1/3が受けたことになります。これまで、一人も検査で、色覚異常者が検出されませんでしたが、今年は1名は第一色覚異常、もう一人は判定不能ながらも要精密検査になりましたので、2名です。この学年の男子の5%は2名か3名ですので、きちんと検出されたと思いますが、どうして希望者しか検査しないのは不思議です。ようやく、学校に石原式色覚検査表が配布されました。これまでは、校医が全てクリニックから持参して検査していました。

 まだ、以前の亡霊を追いかけているのでしょうか?世の中にはものすごい数の遺伝疾患があります。遺伝疾患を全く持たない人の方が少ないので、これも一つの個性をみることもできます。色の感覚は一人ひとり、詳細に調べれば、異なります。ですから、色彩の区別が弱くても見分けられるユニバーサルカラーが用いられるようになったりという時代になったわけですから、自分の色感覚がどうなのかを知ることができる検査は必ず一度は受けるようにしていただきたいと思います。