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軍神

軍神の三類型
廣瀬武夫・橘周太・加藤建夫 部下を思いやりながら戦場でたおれた中年指揮官
乃木希典・東郷平八郎 大戦を勝利に導いた将軍・提督
爆弾三勇士・特攻隊 死を逃れられない作業を集団で遂行した若手将兵
の研究。

爆弾三勇士に対して、陸軍は特別な死ではないと冷静ながらも民間が盛り上がり銅像ができる。
日本人と銅像の関わり、あるいは「国民の元気」の歴史でもある。

【通勤用にGOOD】 2007年
山室 建徳
軍神―近代日本が生んだ「英雄」たちの軌跡 (中公新書 1904)

公明党vs.創価学会

ざっくり上手くまとまっています。言論弾圧事件に日中国交回復で田中とパイプを作り、四十日抗争の際、大平正芳に連立を持ちかけられ(企業献金廃止で折り 合わず)、その後今度は鈴木善幸から二階堂擁立を持ちかけられ、政権参加が見えてきて、小沢一郎と市川雄一の一一ラインで仕上げられる。その後、票の威力 を知らしめはじめ、自民党に貸しをつくっていく。

【話のネタ本にGOOD】 2007年
島田 裕巳
公明党vs.創価学会 (朝日新書53) (朝日新書 53)

昭和陸海軍の失敗

第一部が陸軍(黒野耐・戸部良一・半藤一利・福田和也・保阪正康)、
第二部が海軍(戸高一成・秦郁彦・半藤一利・平間洋一・福田和也)。やはり第一部が面白い。

東條英機と石原莞二は対比されるけれども、東條は長州閥だった陸軍にあって陸軍大卒のエリートであり勉強と努力でのしあがり、部下の再就職の面倒もみて、身近なものには慕われた。石原は宮崎正義が旅順に到着するのをホームまで出迎える一方で、軍を去る際は食堂のおばちゃんくらいしか見送らなかった。内を向いた東條、外を向いた石原。その東條はチャーチルらと比べると戦争時の宰相としてはあまりに器が小さく、世間が狭かった。

今村均、栗林忠道、本間雅晴は陸軍幼年学校出身でなく中学から士官学校に入学。この経歴が「世間の空気に触れている」(保阪)機会を与えている。今村はジョワでの占領策で「まず二年間、税金の免除を約束しました。そしてオランダから没収した金で各所に学校を作らせたのです。こうした政策によって、ジャワの人たちがとても親日的になり統治がうまくいった。」(半藤) ところが「生ぬるい」と軍中央から不興を買い、ジャワ島方面軍司令官の職を解かれる。

その他、服部卓四郎、辻政信の暴走、参謀本部というシステムなどなど。
 
【通勤用にGOOD】 2007年
半藤 一利
昭和陸海軍の失敗―彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか (文春新書 610)

立志・苦学・出世

受験生の社会史。読み返す。面白い。
そうか、池田勇人も佐藤栄作も第二志望で第五高等学校(熊本)だったのか。

【話のネタ本にGOOD】 1991年
竹内 洋
立志・苦学・出世―受験生の社会史 (講談社現代新書)

武士道とエロス

日本の男色文化。面白い。江戸時代にのみ成らず、明治以降もとりあげられ、一高の寮の「ストーム」
(何ごとかは想像がつく)や小説を紹介する「第二章 君と私」が読み応えあり。

南方熊楠は衆道の兄弟関係は、同性愛の愉楽ではなく「兄」と「弟」の相互友愛の絆こそが本質と指摘し、
南方は、友愛としての衆道を、「男道」または「浄の男道」と呼んで、性の嗜好としての男色と区別しようと
した。


【通勤用にGOOD】 1995年
氏家 幹人
武士道とエロス (講談社現代新書)

江戸の性風俗

老人は健康のために寒さが厳しい折には「肉屏風」といって左右に若くて肥えた女性を添い寝させる
のが望ましい…「老人必要養草」 肉屏風、すごい言語感覚。

春画や情死その死体見物など江戸の性風俗。

【話のネタ本にGOOD】 1998年
氏家 幹人
江戸の性風俗―笑いと情死のエロス (講談社現代新書)

酒池肉林

10年以上前に読んでメチャクチャ面白かった印象があって再び手にしたのだが、
あれ? 違うのだった。まあこれはこれで面白いけど。支配階級の蕩尽。

【つまみ読みにGOOD】 1993年
井波 律子
酒池肉林―中国の贅沢三昧

「世間」とは何か

久しぶりに読み返す。「大和魂はどんなものかと聞いたら、大和魂さと答えて行き過ぎた。」(「吾輩は猫である」)
世間の熱狂とはこういうものなのだろう。

【つまみ読みにGOOD】 1995年
阿部 謹也
「世間」とは何か (講談社現代新書)

南京事件論争史

パール判事は南京暴行事件の事実は立証されたと認定してうえで、松井石根の刑事上の責任において
不作為の責任で死刑とするには証拠不足とした。この後段を東京裁判史観批判・南京事件否定派は好む。
つまり、東京裁判史観批判には、都合のいい部分だけを抽出した「パール判事はこう言っているのだ」史観の
面もある。

【通勤用にGOOD】 2007年

笠原 十九司
南京事件論争史―日本人は史実をどう認識してきたか (平凡社新書 403)

善のすすめ

その時代(1964年)の世界情勢・社会事情における禅。
いまだに絶版でないということは定評ある新書ということか。

【わざわざ読むほどのものではない】 1964年
佐藤 幸治
禅のすすめ (講談社現代新書 27)