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cb650r-eのブログ

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いっちょ行きますか。

 

 

片山さんがにやりと笑った。

「山ちゃん、久々にK-1一緒に走ってみるか」

「……37年ぶりですかね。最後に走ったのは、大学卒業前ぐらいでしたから」

「そんなになるか」

「オイルがかかると悪いから、山ちゃん先行でいいよ」

「了解です」

内心、俺はほくそ笑んだ。――K-1の登り。これはチャンスだ。

スタート。序盤はぴたりと背後につかれたが、傾斜のきつい上りカーブを立ち上がるたび、少しずつ差が広がっていく。

TZR250。かつてレーサーレプリカの代名詞だった名車だ。軽快な排気音がコンディションの良さを物語っている。だが、とはいっても旧車。排気量の余裕とハイグリップタイヤの差がものを言い、テクニック抜きでも自然と引き離していける。

最終の直線――振り返れば、400メートルほど後方にTZR。
そのままゴール。


113敗。


ついにCB650Rを買って屈折10か月。ようやくK-1で初勝利を収めた。

片山さんは俺の横にバイクを止め、ヘルメット越しに声をかけてきた。

「まあ、そんなもんだろうな。でも――下りなら絶対負けないぞ。次は下りで勝負だ」

そう言うと、ひらりと手を上げ、街の方へと下っていった。


 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。

 

『 御宿 富久千代 』

 

「酒蔵のご見学はここまでです。ここからは妻が『御宿 富久千代』へご案内します。私はここで失礼します」

「大変お世話になりました。本当にありがとうございました」

 

 

飯盛さんに深々と頭を下げ、天野次長と大杉主任は奥様に導かれ、今日の宿へと歩き出した。
胸の奥には、さっきまで味わっていた酒の余韻と、ほんの少しの期待が残っていた。


 

「ここから五分ほど歩いたところに宿がございます」
そう言いながら、飯盛夫人は酒蔵通りを来た方向へとゆったり戻っていく。
「うちは一日に一組しかお客様をお受けしないんです。だから、伊達木社長から“二名泊まれないか”とお電話をいただいたときは、正直、無理だと思いました。でも宿帳を確認したら──偶然、本日のお客様がキャンセルされていたんですよ」
「私たち、ついてますねぇ」大杉主任が嬉しそうに言う。
「正直、私もほっとしました」飯盛夫人の表情にも安堵がにじむ。
「伊達木社長も、よくお泊まりになるんですか?」
「はい。長崎に出張の際、お仕事が終わると、ふらりとお越しになります。特に宿の料理とうちの日本酒を、毎回とても楽しみにしてくださって」
「なるほど、納得です」天野次長はうなずきながら、心の中で“あの食へのこだわり方なら、確かに…”と思う。

やがて宿に到着。
 

 

「え、ここですか? さっき通ったときは酒蔵かと思って、通り過ぎてしまいましたよ」大杉主任が目を丸くする。
「御宿だとは気づかなかったけど、素敵な建物ですねぇ」天野次長も感嘆の声を漏らす。
 

 

「ありがとうございます。さぁ、中へどうぞ」
扉をくぐると、ふわりと木の香りが包み込む。
外のざわめきが嘘のように消え、静かな空気が足元まで染み込んでくる。

 

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40年間、そのまま…。

 

K-1の休憩所が、ふっとざわめいた。
θ(シータ)がぽつりとつぶやく。

「……あれ、珍しい。マモラさんだ」

まさか、と思った。目の前に止まったのは――TZR250。
そのオーナーは、マモラこと、やはり片山さんだった。



K-1の重鎮。あのTZR250初期型を、四十年ものあいだ乗り続けていたとは…。

「うそでしょう、片山さん。まだTZRなんですか?」

「まあね。後ろ走るとオイルが飛び散るから、気をつけてよ」

そう言って、にかっと笑う。還暦を越えた、いいおじさんの顔だ。

「タイヤ……細いっすね。特にリア。こんなんでしたっけ」

「チャンバー以外は、ほぼオリジナルだよ。コンディションも上々」

そう言いながら、今度は俺のCB650Rをじろじろ見てくる。

「山ちゃん、最近復活したんだって? 噂で聞いたよ。E-clutchかぁ、どうだい?」

「なかなかいいですよ。でも、片山さんには……ちょっとお勧めしませんけど」

「なるほどな。――でも昔は、よく走ったなぁ。飽きもせずに」

「そうですね。あの頃の俺は、RZ250Rから乗り継いで、SUZUKI WOLF250でした」

「そうそう、なつかしいなぁ」

 

 

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富久千代酒造

 

 

富久千代酒造に到着すると、蔵元の飯盛さんが笑顔で出迎えてくれた。

 

 

「ようこそ、佐賀県鹿島市へ。フォレスト・トラストの伊達木社長からも、よろしくとのお電話をいただいています」
 

「それは光栄です。本日はよろしくお願いします」
 

「では、通常はお見せしていない蔵の奥をご案内しましょう」
案内されたのは、古い酒蔵を見事にリノベーションした空間だった。

 


天井に走る黒光りした梁、白い漆喰の壁。ほのかな木の香りと温かな照明が、時の流れをゆっくりとほどいていく。


 

「特別なお客様やバイヤーの方に、落ち着いて吟味いただけるように整えたんです」
 

「素敵ですねぇ」天野次長の声が、自然とやわらぐ。
 

「では、早速ですが、うちの自慢『鍋島ブラック』をご試飲ください」
 

 

グラスから立ちのぼる香りは、深く、豊か。
ひと口含むと、驚くほどなめらかで、舌にやさしく広がっていく。
「……おいしいわ」
「本当に、おいしいです」
 

「ありがとうございます」飯盛夫妻の笑顔が、さらにやわらいだ。
「こちらは味わいの異なる二種類の鍋島です。ぜひ飲み比べを」
 

 

「これも美味しい!」
「本当だわ、まったく別の顔ね」
製法や米の違いを、飯盛夫妻は丁寧に語る。
その説明がまた、酒の旨さをひと回り引き立てていた。
 

「大杉さん、顔が真っ赤よ。飲みすぎちゃだめ」
「でも次長、ここで飲まずに帰るなんてもったいないですよ~」
「……まぁ、否定はしないけど」
 

やがて仕込み部屋なども見せてもらい、外に出ると、西日が白壁を黄金色に染めていた。
 

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肥前浜宿の酒蔵通り

 

「松尾市長、本当にお世話になりました」
天野次長が深々と頭を下げる。


「お二人は明日、長崎で上田君に会うんでしょう? よろしくお伝えください」
「かしこまりました。必ずお伝えします」

二人が降り立ったのは、「肥前浜宿の酒蔵通り」。
江戸時代から昭和にかけて酒や醤油の醸造業で栄えた通りで、今も三つの酒蔵──富久千代酒造、光武酒造場、峰松酒造場(肥前屋)が並ぶ。
白壁の連なる街並みに、ほんのり漂う酒の香り。歩くだけで、ほろ酔い気分になりそうだ。
 

平日にもかかわらず、試飲や見学、酒蔵スイーツ目当ての観光客が絶えない。
外国人の姿も多く、通りは静かな賑わいに包まれていた。

 


 

「次の訪問先は富久千代酒造さんです。今日は特別に、蔵元の飯盛さんが案内してくださいます」
と大杉主任が言うと、天野次長は「富久千代酒造って、たしか今日泊まる『御宿 富久千代』とも関係があったわよね?」と首をかしげた。
「はい。飯盛さんの奥様が、その『御宿 富久千代』の代表なんです」
「なるほど、夫婦で酒と宿を担ってるわけね」
「しかも今日は、普段は見られない酒蔵の奥まで案内していただけるそうです。それと……幻の酒『鍋島ブラック』も試飲できるとか」
「はぁ~、また伊達木社長に借りを作っちゃったわね」
「はい…。次長、またお礼に対馬の“黄金あなご”送ります?」
「うーん、今度は違うもので攻めましょうか……考えとくわ」

 

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祐徳稲荷神社

 

祐徳稲荷神社に到着すると、まばゆい朱色の社殿が森の緑と空の青に映えていた。

 


 

「祐徳稲荷神社――ここは“日本三大稲荷”のひとつに数えられます。商売繁盛、五穀豊穣の神さま。

“祐徳さん”として、古くから地元に親しまれてきました。今年で創建330年です」


「330年……」天野は深く感心して見上げる。
 

「年間で約300万人が参拝に来ます。近年はタイからのお客様が多くてね。映画『タイムライン』(2014年)やドラマ『きもの秘伝』(2015年)のロケ地にもなって、そこから“聖地巡礼”のように観光が広がったんですよ」
「へぇ……」天野と大杉はそろって頷く。
 

「もちろん、パンフレットはタイ語版もあります。鹿島は“酒と祈りと、もてなしのまち”ですからね」
市長は、祐徳の境内を見渡しながら、静かに言った。

 

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てのひら市役所

 

「それに、市政にはデジタルも使いますよ。我が市の“DX”、結構やるやつなんです!」


市長が笑って話し出したのは、鹿島市公式LINEアカウント「てのひら市役所」のことだった。
 

「2024年に本格運用を開始して、登録者は7,000人。市の人口の約4分の1ですよ。住民票の写しの申請など、各種手続きがスマホで完結できます」
「それはすごいですね」と天野は率直に驚く。
 

「それから、日本酒のまち・鹿島にとって、伝統的酒造りがユネスコの無形文化遺産に登録されたのは追い風です。でも一方で、観光客が日帰り中心で、消費に結びつきにくい。宿泊施設が少ないのも課題でしてね……」
 

「実は、今夜はこちらに泊まらせていただきます。知人の紹介で、“富久千代”さんに」
「おぉ、それはすごい。普通は予約なんてなかなか取れませんよ」
「そうなんですね……」
(たぶん、伊達木社長が無理言ってねじ込んでくれたんだろうな……)と天野は心の中で苦笑した。
 

市長は満足げにうなずく。
「――百聞は一見に如かず、ですね。では祐徳稲荷神社にご案内しましょうか」

 

 

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祐徳の赤、鹿島の酒

 

「鹿島市はね、佐賀県……いや、九州随一の“酒どころ”として知られているんですよ」
市長は滔々と語り始めた。


「昨年――2024年には、おかげさまで市制70周年を迎えました。新幹線こそ通りませんでしたが、道路整備や観光振興では近隣自治体と連携しながら、地域全体の発展を目指しています」
「たとえば、有明海沿岸道路の延伸、それから酒蔵ツーリズムや祐徳稲荷神社へのインバウンド誘致……ですね」と天野が応じると、


「その通り!」
松尾市長は、声に力を込めた。

 


 

「今後のまちづくりにおいて、公共交通の維持は死活的に重要です。西九州新幹線の開業で、市内を走る長崎本線は“並行在来線”となり、大幅に減便されました」
その声には、悔しさと、それ以上の前向きさがにじんでいた。
 

「そこで、路線維持と利便性向上のため、沿線自治体とともに“期成会”を立ち上げ、JR九州へ要望活動を続けています。でもね、ただ文句を言うだけじゃだめなんですよ。自分たちで利用者を増やす努力が“一丁目一番地”だと、私は思っています」
取り組みは、すでに多岐にわたる。
 

「たとえば、肥前鹿島駅を発着する特急列車の利用者――市民や観光客への運賃補助やクーポン配布。そしてJR九州や隣町・太良町と連携して、スイーツや地酒をテーマにした観光列車の企画もやっています。鉄道利用の促進と交流人口の拡大、両面を見据えた施策です」
 

「なるほど……」天野は思わず手帳を開いてメモをとる。

 

 

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一言だけ言わせてもらいます

 

ところで、この“市民文化ホール”、立派な施設ですね」
「ありがとうございます。ここは鹿島の“新しい顔”として整備しました。歴史あるまちに、新しい文化を重ねていく場所。“まちの晴れ舞台”です」

 


「いい言葉ですね。とても印象に残ります」
「……で、天野さんは、対馬のご出身なんですって?」
「はい。でも大学進学からずっと大阪暮らしで。正直、地元の交通事情にはあまり関心がなくて……西九州新幹線も、今回の調査でようやく全体像が見えてきたくらいです」
「まぁ、そうなっちゃうよね」
少し寂しげに笑った松尾市長へ、天野次長は身を正し、本題に入る。
「早速ですが、今回、弊社は西九州新幹線開業に伴う地域への影響調査を国から受託しております。なかでも鹿島市は、在来線の特急“かもめ”が肥前鹿島駅に停車しなくなったことで、まちの衰退や交通アクセスの悪化など、難しい局面にあると伺いました。まずは、その現状とお気持ちを率直にお聞かせいただけますでしょうか」
松尾市長は一瞬、表情を引き締め、深くうなずく。そして、ゆっくり口を開いた。
「――単刀直入だねぇ、天野さんは。でも、それがいい。まず最初に、一言だけ言わせてもらいますよ」
天野次長は前のめりになる。
「はい、お願いします」
市長は、わずかに間を置き、はっきりと、強い語気で言った。
 

「――むしろ、これから!

 


 

「はあ……?」
天野の目がわずかに見開かれる。

 

 

「でも、せっかく来てもらったんだから、もっとちゃんと話させてもらいましょう」

その目は、静かに、しかし強く光っていた。

 

「“失ったもの”ばかり数えても、まちは前に進まんのです。じゃあ、どうやって前を向くのか――その話を、これからしようじゃありませんか」

 

空気が変わった。
“鹿島の真実”と“希望”が、この場で語られようとしている。

 

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ダイソースペシャル。

 

絶対に避けられない対策がある。

ハイグリップタイヤを履いた瞬間からの宿命、――泥跳ね・砂跳ね対策だ。
ついに見つけた。アウトドア用品で見つけた、バーナーの火を均一にする金属ネット(200円)。

 



使えそうなパーツ類。



組み立てたらこんな感じ。



第3弾、実装。

 

 

放熱効果もバッチリ。これこそ究極!

 

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