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cb650r-eのブログ

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失敗は許されない。絶対に~。

 

そこからの小一時間は、喧々囂々の議論の連続となった。
議論の末、役割分担が決まる。

天野次長がスピーカー兼、講演内容および投影スライド作成の最終責任者。
副担当には、大杉主任調査役が指名され、現地での進行や資料の実務を支える。
そして俺と成瀬代理が、全体の調整とアドバイザー役としてサポートに入ることになった。

ミーティングの締めに、千﨑部長がいつになく神妙な顔つきで口を開いた。

「……脅すつもりはありませんが、本件は“絶対に失敗が許されない案件”と心得てください」

「……分かりました」

俺たち4人は、揃って深くうなずいた。
こうして、沖縄OISTという大舞台での講演という、俺たちにとって未知のプロジェクトが動き出したのだった。

 


 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。

俺が、俺が。どうぞ、どうぞ。

 

その日の朝。週初恒例の定例ミーティングが始まった。
各自が今週の担当案件について報告を終えたところで、千﨑部長が、どこか連絡事項のような口調で言った。

「沖縄の大学から、講演スピーカーとしての緊急登壇依頼があった。ただ、準備期間が短いこと、言語が英語であること、テーマが『女性の活躍、ダイバーシティ&インクルージョン』という進化系の内容であることから——今回は見送ることにする」

俺も、隣に座る成瀬代理も、「まぁ、妥当な判断だな」とうなずき合った。

ミーティングルームに、少しの間だけ静寂が流れた——その時だった。

「あの……私に、やらせてくれませんか。いえ、私が、やります」

場の空気を切るように、天野次長がきっぱりと言い放った。

 



続いて、大杉主任も手を挙げて発言する。

「私が、次長をサポートします」

と、静かだが力強い声で言った。

 



おいおい……と、俺は思わず成瀬代理と目を合わせる。
「大丈夫か、これ……?」
互いに目線で問いかけるようにして、固唾をのんだ。

「……もう少し、詳しく聞かせてください」

千﨑部長のその一言で、終わるはずだったミーティングは、まさかの延長戦に突入した。

 

 

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“インクルージョン”ってなに?

 

「6月22日、日曜日。沖縄科学技術大学院大学——OISTで特別セミナーが開かれるらしい。複数のスピーカーが登壇するんだが、その中で予定されていた基調講演の女性スピーカーが体調不良でキャンセルになったそうだ。で、急遽代わりを探している、と」
 

あと2週間もないな、と俺は壁にかかったカレンダーを見ながら言った。

「ちなみに、その講演テーマって何だったんですか?」

 

「セミナー全体のテーマは『日本再生は女性の活躍から!』だそうだ」
 

「なるほど……まあ、テーマは良いとして。なぜ、無理とご判断されたんですか?」
 

「“ダイバーシティ”&“インクルージョン”ってな。講演内容にも、その視点をしっかり盛り込まないといけないらしい」
 

「“ダイバーシティ”はなんとなく分かりますけど……“インクルージョン”って何ですの? て感じですね」
俺が首をかしげると、部長は曖昧に笑って話を打ち切った。

「まあ、それも含めてだな……それより問題は別にある」

 

「なんです?」
 

「OISTの公用語、英語なんだよ。講演も、もちろんすべて英語」
部長が続ける。
「おっ、そういや、副部長は国際畑だからイングリッシュOKなんじゃ?」

 

「お~・の~。チャイニーズ・オンリー」
――と、最後はお決まりの悪ふざけ。

だが、部長の口ぶりから見て、そのときは笑い事で済まされると思っていたのだが――。

 

 

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『OIST』ってなんだ?

 

6月9日、月曜日。

 

地域戦略部のオフィスに入ると、珍しく千﨑部長が窓際に立ち、腕を組んだまま窓の外を見つめていた。表情はいつになく無表情だ。

 

「部長、考え事ですか? お金以外の相談なら、乗りますけど?」

 

冗談まじりに声をかけると、部長は急に苦笑しながらこちらを振り返った。

 

「うん、そうだな。今回ばかりは……断ろうかと思ってる」

 

「いきなり“断る”って、何の話ですか?」

 

「旧知の沖縄の渕上未希さんから、緊急の打診があってな。セミナーの講師を引き受けてほしいと」

 

「部長か、成瀬代理が対応できないんですか? 内容次第では、私が行っても構いませんけど」

 

そう言うと、部長はさらに渋い顔で首を横に振った。

 

「いや、それがな……俺たちじゃ、とてもじゃないが無理な案件なんだ」

 

「どういうことです?」

 

俺が尋ねると、部長はひと息ついて説明を始めた。

 

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無償修理、は・じ・め・ました~ ♬…。

 

● 招集令状届く

 

CB650R E-Clutch──2024年6月13日に発売されたが、リコールなどの事情もあり、我が家にやってきたのは去年の年末だった。

あれから月日は流れ、発売からちょうど1年が経とうかという頃。

そんなある日、ポストに一通の手紙が舞い込んだ。



「リコール……?」

どうやら6月28日ごろから、無償修理を始めるらしい。

うちのCB650Rに番が回ってくるのは、いったいいつのことになるやら……。

裏を見てみると…。


所要時間、約3時間20分
 

その間、さて、どうやって時間を潰そうか……?

 

 

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梅雨の晴れ間の出来事

 

梅雨のはずなのに、今日は妙にいい天気だ。
俺は空を見上げながら、そんなことを考えていた。

木のベンチに腰を下ろし、スマホをいじっていると、
K-1の奥の方から、甲高いエンジン音が山に反響して届いてきた。

「インライン・フォアか……?」

思わず、口をついて出た。
それも、ただの4発じゃない。大排気量特有の図太い咆哮――ボリュームが違う。

音は一気に近づいてきた。
ただ走っているだけじゃない。明らかに、こっちを――俺を、見ている。

視界の奥から現れたのは、ブラックのフルカウルマシンだった。
車種は……遠目じゃわからない。ヘルメットはやけには派手だな。
ただのスポーツじゃない、スーパースポーツタイプだ。

そのバイクは、俺の目の前――ベンチのほんの数メートル先で、ぴたりと止まった。

 



エンジンが切られると、辺りに静けさが戻る。
まるでさっきまでの爆音が幻だったかのように、木々のざわめきだけが残った。

ライダーはミラーシールドのついたヘルメットに指を添え、
そのままスッとスクリーンを持ち上げた。

中から現れたのは、無表情な男の顔。
鋭く切れた目元。

そして、低い声で、ぽつりと聞いてきた。

「このCBは……あんたのバイクか?」

 

 



「……ああ、そうですけど」

俺は一瞬戸惑いながらも、そう返した。

 

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“日本版CCRC”の第一人者の教え

 

松川:「また、住み替えの動機も実にさまざまです。たとえば『夫は母校の近くで暮らしたい』『妻は生まれ育った東部で過ごしたい』――そんな郷土愛や愛校心に根差したケースも少なくありません。こうした“ユーザー視点のストーリー性”こそが、CCRCの本質を物語っているんです」

山本:「“街まるごとCCRC”という構想も面白いですね。都市再生にもつながる」

松川:「おっしゃる通りです。既存の病院、文化施設、大学と連携しながら、築40年の団地もリノベーション次第で魅力的な住まいへと再生できる。街の価値そのものを底上げする発想です」

山本:「大学との連携も非常に魅力的ですね。学ぶ場があることで、高齢者にも大学にも好循環が生まれる」

松川:「その通りです。たとえばカリフォルニアのある大学では、高齢者が授業に参加するだけでなく、小学校でゲストティーチャーを務めることもあります。“ありがとう”と感謝されることで、自己肯定感が高まり、健康面にも良い影響があるんですよ。これは“貢献欲求”や“承認欲求”の観点からも非常に重要です」

山本:「なるほど。貢献することで心も体も健康に、学ぶことで生きがいを持ち、若者との接点も生まれる――それが結果的に若年層の地域離れの抑止にもなるわけですね」

山本:「そしてもう一つ。“支えられる高齢者”ではなく、“支える担い手としての高齢者”――この発想の転換も、まさに日本版CCRCの象徴ですね」

松川:「まさに。それこそが肝です。たとえば居住者が運営委員会に参画したり、広報誌の編集を担ったりすることで、単に暮らすだけでなく“役割を持って関わる”構図ができる。これは事業者側のコスト削減にもつながり、結果として持続可能なモデルになるんです」

天野・大杉:「日本版CCRC――とても勉強になりました!」

山本:「最後に、ひとつだけ。視察先として、あえて“一か所だけ選ぶ”としたら、どこをご推薦されますか?」

松川:「個人的な意見でよろしければ……」

山本:「もちろんです!」

松川:「それなら――“将来自分が住んでみたい”と思える場所として、『シェア金沢』を挙げたいですね」

 



山本:「あっ、実は私も、前々から訪れてみたいと思っていたんです!」

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“日本版CCRC”の第一人者登場

 

――数日後、面談当日。

俺は、天野次長と大杉主任調査役を伴い、四菱総合研究所を訪ねた。
応接室で待っていると、主任調査役・松川 智氏がにこやかに現れた。
彼は言わずと知れた“日本版CCRC”の第一人者。業界では知らぬ者はいない。

 



山本:「本日は、日本版CCRCについて、改めて最新の知見をご教示いただければと思います」

松川:「承知しました。どうぞ、率直に何でもお聞きください」

山本:「では早速ですが――“日本版CCRCを成功させるための要諦”という切り口で、お話しいただけますか」

松川:「わかりました。まず、私が何より重視しているのは、“民・公・産・学の四方一両得”という視点です」

山本:「四方一両得、ですか」

松川:「はい。つまり、自治体・企業・大学・地域住民――この四者すべてがそれぞれのメリットを享受できる構造を作らなければ、持続可能なCCRCにはなりません

少し身を乗り出して、松川氏が続けた。

松川:「そして、その基盤となるのが、“ハード × ソフト × 仕組み”の三位一体の設計思想です」

山本:「たしかに、ハード……つまり建物や施設ばかりに目が行きがちですが、それだけでは不十分ですね」

松川:「その通りです。例えば米国のCCRCでは、施設の中で高齢者が“学び”、“交流し”、“役割を持って生きる”ことができる仕掛けが用意されています」

天野:「たとえば、どんな仕掛けが?」

松川:「印象的だったのは、84歳の女性が地元の大学のIT講座に参加し、『毎日が忙しくて充実しているの』と笑っていた姿です」

山本:「なるほど……それは確かに、CCRCの目指すところそのものですね」

松川氏の話に、俺たちは無言でうなずいた。単なる高齢者住宅の延長ではない。“人生を最期まで自分らしく生きる”ための舞台装置――それが、日本版CCRCの本質なのだ。

 

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灯台下暗し…。

 

ミーティングが終わると、俺はすぐに、四菱総合研究所の主任調査役――松川 智氏の携帯に電話をかけた。
彼は“日本版CCRC”の第一人者。自治体から企業まで、引く手あまたの人気コンサルタントだ。

「松川さん、ご無沙汰しております。大阪ビジネスコンサルタンツの山本です」

「おや、これは懐かしい。山本さん、お元気ですか?」

声のトーンは昔と変わらない。柔らかいが、どこか芯のある声だ。

それからしばし、旧交を温めるように、互いの近況を語り合った。

「ところで、松川さん。今はどちらのオフィスにいらっしゃるんですか?」

「グランフロント大阪の南館です。研究所の関西拠点がそちらにあるんですよ」

「えっ、グランフロント? ちょうど先週、あのビルに伺ったところです」

「それはまた奇遇ですね」

「まさに灯台下暗し、ですね。今度、そちらへ伺いたいのですが――私のほかに、新たに配属された2名も同行させていただいて構いませんか?」

「もちろん、歓迎しますよ。お待ちしています」

通話を終えると同時に、俺の中で小さな歯車がひとつ、静かに回り出す音がした。

 

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CCRC…。

 

週初の定例ミーティング。

部内の会議室は、俺たちメンバー5人がちょうど収まるくらいの広さ。
いつものように、静かに始まるかと思いきや――

珍しく、千﨑部長が自ら口火を切った。

「今回の案件だが……IR(統合型リゾート)の誘致を見送った九州のある自治体からのオーダーだ」

「ほう……なんでしょうか?」と、思わず声が出る。

部長は少しニヤリとしながら俺の方を見た。

「おそらく、介護業界に明るい山本副部長なら、すぐにでも対応できる案件だと思ってな」

「はぁ……?」

正直、何のことやら。

「日本版CCRCですよ」

 



部長の声に、微妙な圧がこもる。

懐かしいフレーズだ。
「……ああ、久しぶりに聞きましたねぇ、その言葉」

CCRC――Continuing Care Retirement Community。アメリカの高齢者向けコミュニティモデルを日本版に落とし込もうとした、あれだ。

「本件は、山本副部長をリーダーに、天野次長、大杉主任がサポートについてくれ」

「了解しました」

俺たち3人が、軽く頷く。

「自治体からのオーダーは、“日本版CCRC実現への視点”というテーマだ」

部長の言葉に、会議室の空気がほんの少しだけ引き締まった。

 

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