豚しゃぶ世界一決定!
もちろん個人の感想です
予約の時間ぴったりに、「元祖 黒しゃぶ 黒豚料理 あぢもり本店」に到着。外観は落ち着いた佇まいで、暖簾の先から味への自信が漂っている。
「ここが、黒豚しゃぶしゃぶの元祖ですよ」と宮原さんが笑顔で案内してくれる。
「水流(つる)さん、この卵は……雑炊用ですか?」
テーブルに並べられた卵を見て、俺はおずおずと聞く。
「いえいえ」と水流さんがニヤリ。
「これが“あぢもり流”なんです。特製の和出汁スープにくぐらせた黒豚を、生卵にからめて食べるんですよ。いわば “すき焼き風 ゃぶしゃぶ”っていったら店に失礼かな」
なんという贅沢な発明だ……! それ、絶対うまいに決まってる。
しかも今日は特別に、あの幻の芋焼酎「森伊蔵」を持ち込みでご用意とのこと。
「大阪の方って、芋焼酎は飲まれますか?」と宮原さん。
「もちろん飲みますとも。いや、飲ませていただきます」

「ちなみに鹿児島では、“お酒”って言ったら基本“焼酎”のことを指すんです。日本酒が飲みたい時は“清酒ください”って言わないと、焼酎が出てきちゃいますよ〜」と水流さん。
なるほど。文化の違いって、こういうところに出るんだなあ。
そんな話をしつつ、早速しゃぶしゃぶ開始。和出汁のスープに、サッとくぐらせた黒豚を生卵にトロリ……。
……うまい。なんだこれは。
脂が甘い、でもしつこくない。すき焼きよりも軽やかで、しゃぶしゃぶよりもコクがある。
そこへ森伊蔵のロック。これがまた、舌にじわっと広がって、黒豚をまるっと受け止めてくれる。この組み合わせ絶妙だなぁ。
「これは……いくらでも食べられますね……」とつぶやくと、
「それが危険なんですよ」と宮原さんが笑う。
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