地域戦略部には戦略が無い(27) | cb650r-eのブログ

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ディスカッション in 鹿児島(つづき)

 

セッションは順調に進み、次の論点へ。

俺:「さて、次の話題ですが……労働人口の減少に対して、企業は“地域”や“社会”としてどう対応していくべきでしょうか?」

すると水流所長が、静かに語り出す。

水流:「まずは、SDGsやダイバーシティといった価値観にしっかり向き合うことです。地域社会から評価される企業になること。これが基本だと思います」

宮原社長も、すかさず応じる。



宮原:「企業の収益性を高めることはもちろん大事です。でもそれだけじゃ足りません。未来から逆算して、今やるべきことを考える“バックキャスト思考”が必要です。そして何より、経営者自身が“変革のブレーキ”にならないよう、意識を変える覚悟が求められると思います」

俺:「すみません、“バックキャスト思考”って、もう少しだけ噛み砕いて説明していただけますか?」

宮原:「はい。未来に理想のゴールを設定して、そこから“今やるべきこと”を逆算して考える手法です。未来を起点にして、今を変える。そんな考え方ですね」

なるほど、まるで人生設計の逆バージョンだな。老後から逆算して健康診断行くようなもんか——いや、ちょっと違うか。

水流:「企業が“ホワイト企業”として行政や地域から認知されることには、思っている以上に大きなメリットがありますよ」

宮原:「私たちは、教育機関への講師派遣を行うことで、地域のリテラシー向上と企業の認知アップを図っています。ICTの導入で、子育て中の女性社員が柔軟に働ける仕組みも整備できました。ムダが減り、全体の効率がぐっと良くなりました」

さらに宮原社長は続ける。

宮原:「組織の柔軟な配置転換とデジタル化で、“人材の流動性”と“定着率”の両立も可能になってきました。うちでは“退職”すらOJTの一環と捉えてるんです。辞めた社員が別の形で戻ってきたり、外で得た経験を還元してくれることもありますからね」

山本:「退職もOJT……それは、ある意味すごくポジティブですね」

水流:「あとですね、昭和時代の“安く売る”っていう発想はもう通用しません。これからは“価値を理解してくれるお客さん”と、いかに関係を築くかがカギになります」

俺:「ふむふむ……なるほど……(メモが追いつかん……)」

そして、時計をチラッと見れば、時刻はすでに17時半を回っていた。

そんな中、水流所長がやさしい笑顔でこう切り出した。

「いやあ、まだまだ話は尽きませんが……そろそろ“懇親会”のお時間も近づいてまいりましたので、続きは夕食を食べながらということで」

おお……いよいよ黒豚タイム、始動である。

 

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