world Lyger-weight championship
後ろ盾とフランチャイズを失っていたNWA世界Jr.王者レスリー・ソーントンを捕まえたNJは、TMが蹴り倒すことでNWAのタイトルを遂に手中にする。ドラゴンゆかりのWWFJr.タイトルとともにこのタイトルで、オリジナルTMやダイノやローラーボールが名勝負を繰り広げ、日本に黄金のJr.ヘヴィーウェィトの礎を築いた。それは知っての通り。
NJにあったこの2本のメジャーベルツは、後にIWGPJr.ヘヴィーウェィトタイトルの名の本に統一される。ベルト統一を掲げて発足したのが、本来的なIWGPの主旨だったが、ヘヴィー級方面では、NWA王者フレアーとWWF王者ホーガンが統一戦をするなどということは考えられるべくもなかった。が、Jr.ヘヴィーウェィトの方は、これといった障害もなく、待望のユニファイを果してしまう。IWGPの本懐を遂げたのは、むしろJr.ヘヴィーの方だった。
しかし人によっては、例えば現在のNWAのオペレーションなどは、違う考え方もするのだろう。IWGPJr.ヘヴィーウェィトタイトル発足時に、NWAタイトルは返上されたとか、剥奪されたとか。今のNWAJr.王座にもそのあたりの言い分を当てはめてもいる。
ソーントンは日本にベルトを置いて来た後も、アメリカでチャンブを暫く名乗り続ける。後ろ盾とフランチャイズがないということは、コミッショッンがないということも同等。WWF入りしヘヴィー級に転ずる前も、WWF世界Jr.王者を名乗っていた記憶もある。しかしこれは根無し草ゆえかすぐさま立ち消える。
IWGPJr.タイトル発進後、NWAはNWAタイトルの空位を主張し、主にフロリダなどが、ダウンタウン・デニー・ブラウンを擁して、新しい、同名のタイトルを作ったりした。デニス・ブラウンは軽量級ヴァージョンのリック・フレアー候補とも言われた逸材だったが、後に続いたレザートロンなどが不発で、このタイトルもすぐに終わった。
92年にWCWが創めたライトヘヴィー部門は、この時のダウンタウン・デニーとヘクター・ゲレロの一部続きが加わっているという説もある。現在のNWAが頼っている幹は、間違いなくレザートロンの続きの枝葉だろう。
しかし、NJの誰も、リングでピンされてベルトを奪われたわけではない。DQやCOR、ドクターストップでも移動しないというのが、世界タイトルのルール。ましてや政治絡みでのチェンジなど、ファンには全く関係ない。ワールドタイトルはレスリングに係わる者全ての人の公的財産。だからワールドという。to be the MAN, you have to beat the MAN.である。ケン・マンテルから続くNWA世界Jr.の歴史も、WWFJr.のメモリも、間違いなくIWGPJr.タイトルが引き受けている。IWGPJr.タイトルは統一世界Jr.ヘヴィーウェィトタイトルと呼べるたった一本のベルトであり、日本で最も価値のあるタイトルであるとも言える。
NJが統一世界Jr.ヘヴィーウェィトタイトルをコントロールして幾年月、NJはことJr.ヘヴィーウェィトに関して言えば、世界一のコンペティションリーグの態様を保って来た。これを率いたのはアメリカでもフェイマスなレジェンド、ジュウシン“サンダー”ライガー。フジナミがもたらした、日本が誇るべき文化を、OTMが放り出して去った後、彼がここに腰を据えて踏ん張らなければ・・。
ヘヴィー級に転ずる前段階の、若者のタイトルだという“ジュニア”なイメージを払拭したのも彼である。そしてジャパニーズJr.ヘヴィーウェィツは、世界に最も誇れる日本のレスリング文化になった。
WWEには世界クルーザー級タイトルがある。大谷とペガサスが1stの決定戦をしたのは、何処で、何故に、だったか。
7冠、8冠すら、頼られこそすれ、NJに敗れ去りし史実はあるか。
若干のウェィト差は指摘されるにせよ、このクラスの正統世界タイトルは勿論この、マクガークからホッジ、マツダ、ロイヤル、ケン・マンテル、そしてフジナミ、TMにゆかりする、IWGP・世界ライガー級選手権だと、そう思っている。
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前回取り上げた、マクガークから分裂した、NWAインターナショナルのJr.ヘヴィーウェィトタイトルの続きの方を。
エドワード・ゴセットが、チャヴォ・クラシックを抱えるLAのラベール、フジナミを擁するNJのシンマ、そしてその両者の盟友のWWFマクマン・シニアなど、当時NWAの反主流派といわれたグループとともに、オクラホマの新執行部を半ば無視する形で、新世界Jr.ヘヴィー級チャンプを決める。
ブランニューチャンプのスティーヴ・カーンは、日本でフジナミとのジャーマンスープレックス合戦に敗れ、フジナミはフロリダでマイク・グレアムのフィギュア4にしてやられ、再び日本でグレアムがフジナミに明け渡し、NWAインターナショナルJr.ヘヴィー級タイトルは、一躍日本での知名度を不動のものとした。これを機に、このタイトルは日本に定着する。
フジナミという、当代きってのJr.ヘヴィー級のチャンプを保有しながら、NWAチャンプに挑戦すらさせられないジレンマ。前年にネルソン・ロイヤルを招聘したIWEが、AJによってどんな目に遭ったか。それでも当時、NWAチャンプの称号を欲しかったNJシンマが、マクガーク引退で、この問題に乗じれると、ゴセットを頼ったのが、このタイトル誕生の真相か。つまりこれは最初から、日本のために作られたタイトル。
しかしそうする内に、旧マクガークのトライステーツが実質的に終わり、NWA世界Jr.王者レスリー・ソーントンは後ろ盾とフランチャイズを失っていた。NJは、すかさず彷徨いの世界王者を捕まえる。NJは、かつてはケン・マンテルがAJに巻いて来たベルトを手にした。
今度は本家のの世界王座を捕まえられると、これにNJが奔走する中、ババはファンクスを通して、チャヴォ・クラシックの引き抜きを成功させた。チャヴォに渡っていたNWAIJr.タイトルも、同時に取り込んだ。NJが練り、ゴセットで命を吹き込まれたタイトルは、いつしかAJのタイトルとなり、幾多のメモリを刻み、今やPWF世界Jr.タイトルという正式名称に、誰も違和感を覚えない。
しかしあのタイトルは、元々フジナミをNWAJr.チャンプにするために作ったベルトだ。フジナミがカーンやグレアムとレヴェルの高い攻防をして、日本にこのタイトルを和ました。それによりAJにも、Jr.ヘヴィー級のカテゴリーが誕生もした。ドラゴンロケットで日本のレスリングに革命的変革をもたらし、日本にJr.ヘヴィー級の文化を根付かせたフジナミの功績はあまりにも大きい。
そもそもディファッジョ・メモリアルと言われたWWFJr.ヘヴィーウェィトタイトルとて、フジナミのために、シンマがWWFに掛けあって復活させたものだ。WCWの軽量級が設立時、日本に多くを頼ったのも衆知の事実。
勿論、ミドル級の本場は今でもメヒコだし、フジナミ以前にも、IWEのマツダが、ホッジとの間でワールドタイトルのやり取りをしていたこともある。しかしフジナミの衝撃が、日本のJr.ヘヴィーウェィトクラスを、世界一の旺盛にする直因を担ったことは間違いない。続くタイガー、ライガー、IWGPJr.はもとより、AJの世界Jr.もWWE世界クルーザーも、果ては今の日本で爆活する、UDのキッズのような生命も、元を辿れば全て、オリジナルドラゴンの一発のドラゴンロケット・ビッグバンに由来するのだ。
NWA世界Jr.、WWFJr.、そしてIWGPJr.ヘヴィーウェィトタイトルについては、次回。
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40年代のテキサスの続き
先日、ホーンズウォーグルがアブディケイトさせられたクルーザー級タイトル。WWEはこれを、92年のWCWライトヘヴィー級王座から数えるのを正式な見解としている。
しかし我々の見方としては、このタイトルにはそれ以前にも、続きがある。
79年、NWAからJr.ヘヴィーウェィトとLt.ヘヴィーウェィトのワールドタイトル管理を任されていた、オクラホマのビッグボス、レロイ・マクガークが引退。マクガークの引退を前後し、懐刀のビル・ワッツが独立。管理者の引退にプロモーションの危機を見越されて、Jr.ヘヴィーとLt.ヘヴィーのタイトルは、実質管理権が宙に浮く。
オクラホマのこの時の事件については、ノースアメリカンタイトルを扱う折があれば触れるとして、少なくともNWAの他のボス連が、マクガークでないオクラホマは、ワッツの新しいグループに喰われると踏んだことは、まず間違いない。他のプロモーターズは既に裏で、ワッツと計っていたかもしれない。
いずれにしろ、マクガークの引退で管理権の無効を真っ先に主張したのは、フロリダの元会長、エドワード・ゴセット。マクガークの管理権は、名Jr.ヘヴィーウェィトチャンプだったマクガークに敬意を表した一代名誉権。プロモーション内で相続はされないという意見には、一理があった。
ゴセットは何人かの、Jr.ヘヴィー級のスターを抱えるメンバーと派閥を作り、或いはその派閥に促されもし、暫定的に、NWAインターナショナル・Jr.ヘヴィーウェィトタイトルを、半ば強行新設。オクラホマはオクラホマで、粛々と新王者を決めた。NWAのJr.ヘヴィーウェィトタイトルは分裂した。
一方Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、ずっとメキシコで、EMLLのコントロール下、ミドル級やウェルター級などと一緒に運営されてきた。しかし厳密に言うなら、Lt.ヘヴィーウェィトは本部直轄の、マクガークに管理権のあるタイトル。ミドル級やウェルター級などについては、また別の機会に。
世界Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、メヒコにチャンプを数えていたが、アメリカでの規則上の管理権は、無くなっていた。ヴァーン・ガニアはそこに目を付けたのだと思っている。
世界Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、元々アメリカにあったタイトル。マクガークがメヒコに放っておいたが、これはやはりメヒコのものでもなければ、NWAのものでもない。マクガークに敬意は表すが、NWAに義理立てすることもないAWAは、アメリカサイドのLt.ヘヴィーウェィトタイトル主張を、展開することが出来たという論法だ。つまり、80年に、ゴセットの息子マイクを擁してAWAが新設したAWA世界Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、40年代のテキサスの続きだったという・・。ガニアはその辺りの理屈を無視して世界タイトルを作る人物ではないことは、ヘヴィー級タイトル創設時でも明らか。そしてそこにまた、NWA元会長のゴセットが噛んでいるとなれば、これは、NWA世界
Lt.ヘヴィーウェィトタイトルの分裂と考えていいのだと思う。
AWA世界Lt.ヘヴィー級タイトルは、直ぐに活動実体がなくなるが、84年にまた、マイク・グレアムを擁して復活。ロックンロール・バック・ズモフやスティーヴ・リーガルなどのチャンプも生んだが、このタイトルが終局、マイク・グレアムに属す、マイク・グレアムのために創られたタイトルであるということは、論議を待たない。
AWAの実質的なクローズ後、日本で取り扱われた同名タイトルは正直、ガニアは関知していなかったはず。その実体は、グレッグ・ガニアとラリーZと、そしてマイク・グレアムがWCWのボードに参加したことで、WCW世界Lt.ヘヴィー級タイトルに取り込まれたと考えるのが筋。マクガークが敬意を表されたように、マイク・グレアムがその権利を託される資格は、十分にあった。マイク・グレアムがWCWLt.ヘヴィー級タイトルトーニーに参加したことが、それを決定付ける。
あとは知るべし。WCW世界Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、WCW世界クルーザーウェィトタイトルと衣替えし、初御目見えの世界クルーザーウェィトタイトルとして正当に一本立ちした。出自に問題の多いWWFLt.ヘヴィー級とは、統一戦を経ずに、WWE世界クルーザーウェィトと成ったということも、意味ある事実。WWFLt.ヘヴィー級については、またの機会に。
グレゴリー・ヘルムズもチャヴォ・ゲレロも名チャンプだ。ヘヴィー級でカリが大きな顔をしたりする現在、マイク・グレアムの支脈を称える技巧派の伝統は、特に、果すべき役割も大きいような気もする。
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アメージング・メモリアルズ
今年はかのモントリオールスクリュージョブから、テンイヤーアニヴァーサリーを刻むという。タイトルを防衛した上で、それを置いて行くつもりだったというカナダ人ヒットマン。それをはさせなかったVKM。このレスリング史上最も壮絶な騙し合いについては、今年はいい機会、我々もひとつ、その内に、口をはさまさせてもらうつもりだ。
こんな歴史的スキャンダルを劇的に抱える場がある一方、我らが地、極東日本では、VKMが、或いは91年7月のフレアーが、絶対に譲らなかったことが、割と簡単に、譲りまくられたりもしている。
インターナショナル・チャンピオン、Gババは、或る日辞表を提出。インターナショナル・タイトルベルトを置いて、そこを後にする。しかしハワイはPWFのブレアース卿は、負けていないババは引き続きインターナショナル・チャンピオンの権限を有するとして、依然チャンプとしてトリート。PWFワールドタイトルの創設の経緯は、簡単に言うとそういうことのはず。
後にPWFタイトルはインターナショナル・タイトルと同根だとして、NWAの実質的なオーヴァーもあり、TCタイトルの名のもとに統合される。そしてそこから同じ経緯で、GHCタイトルが後年分裂する。いずれにしても、チャンプは会社に従順で、タイトルは会社のものという意識が見て取れる。
しかし、戦いの末にということを経ないで行われたタイトル移動は、実質ファン不在。ファンの中では、タイトル史はそこでひとつの注釈ピリオドを要することとなる。
インターナショナル・タイトルは、テーズからリキドゼンが奪い、それをJWA、大木、IWE、オールジャパン、PWFが順に管理してきたことでも分かるように、これは各会社や組織団体のプロパティではない。これもやはり、我々ファンを含め、レスリングの歴史に係わってきた、全ての人々の、共通の財産である。ババがAJに持ち出しても、コバシがNOAHに持ち出しても、本来は構わないもののはずだ。「to be the MAN, you have to beat the MAN.」である。リング上でのピンを伴わないタイトル移動は、ファンにはなかなかタイトルが移ったとは見えないものである。
インターナショナル・タイトルの発端は、今ではアントニオ・ロッカにあると考えるのが、一般的。アルゼンチンの伝説的なスターが勇躍アメリカに上陸した時、誰彼ともなく、彼をインターナショナル・チャンピオンとしてトリートしたことが、最初だと言われている。
しかし上陸緒戦のテキサスでのテーズ戦で、ロッカはテーズに2連敗。この時に、テーズはロッカから、インターナショナル・チャンピオンの称号を奪ったのだとも、NWAがアルゼンチンのインターナショナル・チャンピオン、強豪ロッカに勝った栄誉を称え、新たにテーズを、NWAヴァージョンのインターナショナル・チャンピオンにしたのだとも、言われている。
NWAというのは、その正式名称からも推察されるように、実は意外にドメスティックな組織。NWAが指すワールドとはアメリカのことで、海外向けには、NWAインターナショナルという、NFLインターナショナルのような組織が出張るのが、理論的筋だったとも、実は言われている。
それで、外国人のリキドゼンには、NWAが外国人にむけて出来る最大限の賛辞としての、インターナショナル・タイトルを引き合いに出させたのだと。
ちなみにロッカはテキサスでの敗戦後も、本格参戦したNYで、変わらずインターナショナル・チャンピオンとしてトリートされ続けた。80年代前半にフジナミとチョーシューの間で争われたWWFインターナショナル・タイトルは、古舘伊知郎によってロッカ・メモリアルの代名詞を拝命していたが、現在のGHCタイトルとて、言わばロッカ・メモリアルのひとつ。WWFインターナショナル・タイトルを統合したとも言えるIWGPタイトルにも勿論、ロッカのメモリは息づく。
TCタイトルにはもうひとつ、UNタイトルの歴史が含まれているが、UNタイトルは、実質日本向けに作られた日本のタイトルで、ロッカのインターナショナル・タイトルと統合されるのには、理屈としては馴染まない。UNタイトルについては、日本屈指の偉大な最強レジェンド、トミー・ザ・ジャンボが、フレアーやマードックやロビンソンと織り成した珠玉のメモリが強烈な記録としてあり、独立して独特の道を歩ませた方がいいのでは、とも、思う時もある。TCタイトルとともに、ネーミングには苦労するだろうが。
モントリオール事件や91年のフレアーのケースのような事態が、あまり起こりにくい体質というのも、いいものなのかどうなのか。91年のバッシュのPPVをハイジャックしたナイツ・オブ・ホースメンの連中が、時々うらやましくなることもある。
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ブルドッグ・ブラワーとディック・ザ・ブルーザーの死闘の歴史
IWGPチャンプは、カート・アングルか永田裕志か。どちらに正統を置くかというのはなかなか難しいが、少なくともIWGPヘヴィー級タイトルが分裂していると解されているのは、確かなはずだ。
NJを、負けずに去ったブロック・レスナー。NJの、IWGPエグゼクティヴ・コミッティーだろうか?は、ブロックからこれを剥奪。棚橋とマット・ブルームの間で新王者をさっさと決めた。
数ヶ月後、イノキが負けていないレスナーをチャンプとして招聘。新TNAチャンプ、アングルにレスナーの権利が移動。分裂IWGPタイトルは新TNAタイトルと共同歩調することにより、首尾よく分裂を完遂したと言える。
分裂の効果は何か。それは保険を掛けられるということ。分裂した一方をスパイクでプライム放送するゴールドメダリストに持って貰えば、世界のグレードが維持出来る。IWGPタイトルは、かつてハルクとアンドレが争ったタイトルなのである。
IWGPヘヴィー級タイトルの前身は、勿論ジョニー・パワーズのNWFヘヴィー級タイトル。NWFノースアメリカン・タイトルは、後にカルガリーの分裂ノースアメリカン・タイトルであるWWFノースアメリカン・タイトルの一部と合同し、IWGP設立に流れ込んだ。
NWFは、かつてクリーヴランドに在った、ジョニー・パワーズのブランド。たしかパワーズの宿敵ブルドッグ・ブラワーが、LAで、当時のWWAチャンプ・ディック・アフィルスと一悶着し、WWAがLAで終わった時に、ブラワー事件に乗じたパワーズが、WWA分裂世界タイトルとして、クリーヴランドにこれを誘致した。だからNWF世界タイトルは、カーペンティア事件を継承する、古い分裂世界タイトルの亜種。
ちなみに、LAでWWAが終わった時を前後して、インディアナポリスで発進したアフィルスのWWAは、LAのWWAの正統の後継を自称した。しかし当時の大NWA的には、WWAタイトルはアメリカス・タイトルという名の、USタイトルになったというのがオフィシャルな解釈。アメリカス・タイトルは、後にAWAタイトルと合流する。あとはAWA世界ヘヴィーウェィトタイトルの項に書いた通り。インディアナポリスのアフィルスのWWAは、後にカンサスに権利を譲り、マイク・ジョージを通じてアメリカンタイトルと合流。これも書いたか。
イノキはパワーズを強引にねじ伏せ、数々の好勝負でNWFタイトルを日本に根付かす。クリーヴランドのNWFは間もなく終焉。NWFタイトルは実質日本のタイトルになる。イノキと新間のNWA加盟で、パワーズの反骨精神の象徴から、世界の二文字も削られる。そして、IWGPの創設。あとは知るべし。
カーペンティア事件は今も生きる、か。オヴィル・ブラウン派とも言われる現NWAとは、その一部を取りこみつつも、先頃袂を分かった格好のTNA。しかし今度は今またここで、古のカーペンティア事件のブランチと、共同歩調をはじめようとしている。予想もされない事態が起こるからこそ、歴史は面白い。
アメリカにお帰り、ジョニー・パワーズとブルドッグ・ブラワーの死闘の歴史。イノキとシンの思い出、フジナミ、チョーシューの激闘の記憶は、NJがしっかり管理してくれる。そして、オハイオでかつてつむじ風を巻き起こした、エイトロックの賢才のメモリーは、カート・アングルがきっと、引き受けてくれる。
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