40年代のテキサスの続き
先日、ホーンズウォーグルがアブディケイトさせられたクルーザー級タイトル。WWEはこれを、92年のWCWライトヘヴィー級王座から数えるのを正式な見解としている。
しかし我々の見方としては、このタイトルにはそれ以前にも、続きがある。
79年、NWAからJr.ヘヴィーウェィトとLt.ヘヴィーウェィトのワールドタイトル管理を任されていた、オクラホマのビッグボス、レロイ・マクガークが引退。マクガークの引退を前後し、懐刀のビル・ワッツが独立。管理者の引退にプロモーションの危機を見越されて、Jr.ヘヴィーとLt.ヘヴィーのタイトルは、実質管理権が宙に浮く。
オクラホマのこの時の事件については、ノースアメリカンタイトルを扱う折があれば触れるとして、少なくともNWAの他のボス連が、マクガークでないオクラホマは、ワッツの新しいグループに喰われると踏んだことは、まず間違いない。他のプロモーターズは既に裏で、ワッツと計っていたかもしれない。
いずれにしろ、マクガークの引退で管理権の無効を真っ先に主張したのは、フロリダの元会長、エドワード・ゴセット。マクガークの管理権は、名Jr.ヘヴィーウェィトチャンプだったマクガークに敬意を表した一代名誉権。プロモーション内で相続はされないという意見には、一理があった。
ゴセットは何人かの、Jr.ヘヴィー級のスターを抱えるメンバーと派閥を作り、或いはその派閥に促されもし、暫定的に、NWAインターナショナル・Jr.ヘヴィーウェィトタイトルを、半ば強行新設。オクラホマはオクラホマで、粛々と新王者を決めた。NWAのJr.ヘヴィーウェィトタイトルは分裂した。
一方Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、ずっとメキシコで、EMLLのコントロール下、ミドル級やウェルター級などと一緒に運営されてきた。しかし厳密に言うなら、Lt.ヘヴィーウェィトは本部直轄の、マクガークに管理権のあるタイトル。ミドル級やウェルター級などについては、また別の機会に。
世界Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、メヒコにチャンプを数えていたが、アメリカでの規則上の管理権は、無くなっていた。ヴァーン・ガニアはそこに目を付けたのだと思っている。
世界Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、元々アメリカにあったタイトル。マクガークがメヒコに放っておいたが、これはやはりメヒコのものでもなければ、NWAのものでもない。マクガークに敬意は表すが、NWAに義理立てすることもないAWAは、アメリカサイドのLt.ヘヴィーウェィトタイトル主張を、展開することが出来たという論法だ。つまり、80年に、ゴセットの息子マイクを擁してAWAが新設したAWA世界Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、40年代のテキサスの続きだったという・・。ガニアはその辺りの理屈を無視して世界タイトルを作る人物ではないことは、ヘヴィー級タイトル創設時でも明らか。そしてそこにまた、NWA元会長のゴセットが噛んでいるとなれば、これは、NWA世界
Lt.ヘヴィーウェィトタイトルの分裂と考えていいのだと思う。
AWA世界Lt.ヘヴィー級タイトルは、直ぐに活動実体がなくなるが、84年にまた、マイク・グレアムを擁して復活。ロックンロール・バック・ズモフやスティーヴ・リーガルなどのチャンプも生んだが、このタイトルが終局、マイク・グレアムに属す、マイク・グレアムのために創られたタイトルであるということは、論議を待たない。
AWAの実質的なクローズ後、日本で取り扱われた同名タイトルは正直、ガニアは関知していなかったはず。その実体は、グレッグ・ガニアとラリーZと、そしてマイク・グレアムがWCWのボードに参加したことで、WCW世界Lt.ヘヴィー級タイトルに取り込まれたと考えるのが筋。マクガークが敬意を表されたように、マイク・グレアムがその権利を託される資格は、十分にあった。マイク・グレアムがWCWLt.ヘヴィー級タイトルトーニーに参加したことが、それを決定付ける。
あとは知るべし。WCW世界Lt.ヘヴィーウェィトタイトルは、WCW世界クルーザーウェィトタイトルと衣替えし、初御目見えの世界クルーザーウェィトタイトルとして正当に一本立ちした。出自に問題の多いWWFLt.ヘヴィー級とは、統一戦を経ずに、WWE世界クルーザーウェィトと成ったということも、意味ある事実。WWFLt.ヘヴィー級については、またの機会に。
グレゴリー・ヘルムズもチャヴォ・ゲレロも名チャンプだ。ヘヴィー級でカリが大きな顔をしたりする現在、マイク・グレアムの支脈を称える技巧派の伝統は、特に、果すべき役割も大きいような気もする。
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