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 前回取り上げた、マクガークから分裂した、NWAインターナショナルのJr.ヘヴィーウェィトタイトルの続きの方を。

 エドワード・ゴセットが、チャヴォ・クラシックを抱えるLAのラベール、フジナミを擁するNJのシンマ、そしてその両者の盟友のWWFマクマン・シニアなど、当時NWAの反主流派といわれたグループとともに、オクラホマの新執行部を半ば無視する形で、新世界Jr.ヘヴィー級チャンプを決める。


 ブランニューチャンプのスティーヴ・カーンは、日本でフジナミとのジャーマンスープレックス合戦に敗れ、フジナミはフロリダでマイク・グレアムのフィギュア4にしてやられ、再び日本でグレアムがフジナミに明け渡し、NWAインターナショナルJr.ヘヴィー級タイトルは、一躍日本での知名度を不動のものとした。これを機に、このタイトルは日本に定着する。


 フジナミという、当代きってのJr.ヘヴィー級のチャンプを保有しながら、NWAチャンプに挑戦すらさせられないジレンマ。前年にネルソン・ロイヤルを招聘したIWEが、AJによってどんな目に遭ったか。それでも当時、NWAチャンプの称号を欲しかったNJシンマが、マクガーク引退で、この問題に乗じれると、ゴセットを頼ったのが、このタイトル誕生の真相か。つまりこれは最初から、日本のために作られたタイトル。


 しかしそうする内に、旧マクガークのトライステーツが実質的に終わり、NWA世界Jr.王者レスリー・ソーントンは後ろ盾とフランチャイズを失っていた。NJは、すかさず彷徨いの世界王者を捕まえる。NJは、かつてはケン・マンテルがAJに巻いて来たベルトを手にした。


 今度は本家のの世界王座を捕まえられると、これにNJが奔走する中、ババはファンクスを通して、チャヴォ・クラシックの引き抜きを成功させた。チャヴォに渡っていたNWAIJr.タイトルも、同時に取り込んだ。NJが練り、ゴセットで命を吹き込まれたタイトルは、いつしかAJのタイトルとなり、幾多のメモリを刻み、今やPWF世界Jr.タイトルという正式名称に、誰も違和感を覚えない。


 しかしあのタイトルは、元々フジナミをNWAJr.チャンプにするために作ったベルトだ。フジナミがカーンやグレアムとレヴェルの高い攻防をして、日本にこのタイトルを和ました。それによりAJにも、Jr.ヘヴィー級のカテゴリーが誕生もした。ドラゴンロケットで日本のレスリングに革命的変革をもたらし、日本にJr.ヘヴィー級の文化を根付かせたフジナミの功績はあまりにも大きい。


 そもそもディファッジョ・メモリアルと言われたWWFJr.ヘヴィーウェィトタイトルとて、フジナミのために、シンマがWWFに掛けあって復活させたものだ。WCWの軽量級が設立時、日本に多くを頼ったのも衆知の事実。


 勿論、ミドル級の本場は今でもメヒコだし、フジナミ以前にも、IWEのマツダが、ホッジとの間でワールドタイトルのやり取りをしていたこともある。しかしフジナミの衝撃が、日本のJr.ヘヴィーウェィトクラスを、世界一の旺盛にする直因を担ったことは間違いない。続くタイガー、ライガー、IWGPJr.はもとより、AJの世界Jr.もWWE世界クルーザーも、果ては今の日本で爆活する、UDのキッズのような生命も、元を辿れば全て、オリジナルドラゴンの一発のドラゴンロケット・ビッグバンに由来するのだ。


 NWA世界Jr.、WWFJr.、そしてIWGPJr.ヘヴィーウェィトタイトルについては、次回。


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