ブルドッグ・ブラワーとディック・ザ・ブルーザーの死闘の歴史
IWGPチャンプは、カート・アングルか永田裕志か。どちらに正統を置くかというのはなかなか難しいが、少なくともIWGPヘヴィー級タイトルが分裂していると解されているのは、確かなはずだ。
NJを、負けずに去ったブロック・レスナー。NJの、IWGPエグゼクティヴ・コミッティーだろうか?は、ブロックからこれを剥奪。棚橋とマット・ブルームの間で新王者をさっさと決めた。
数ヶ月後、イノキが負けていないレスナーをチャンプとして招聘。新TNAチャンプ、アングルにレスナーの権利が移動。分裂IWGPタイトルは新TNAタイトルと共同歩調することにより、首尾よく分裂を完遂したと言える。
分裂の効果は何か。それは保険を掛けられるということ。分裂した一方をスパイクでプライム放送するゴールドメダリストに持って貰えば、世界のグレードが維持出来る。IWGPタイトルは、かつてハルクとアンドレが争ったタイトルなのである。
IWGPヘヴィー級タイトルの前身は、勿論ジョニー・パワーズのNWFヘヴィー級タイトル。NWFノースアメリカン・タイトルは、後にカルガリーの分裂ノースアメリカン・タイトルであるWWFノースアメリカン・タイトルの一部と合同し、IWGP設立に流れ込んだ。
NWFは、かつてクリーヴランドに在った、ジョニー・パワーズのブランド。たしかパワーズの宿敵ブルドッグ・ブラワーが、LAで、当時のWWAチャンプ・ディック・アフィルスと一悶着し、WWAがLAで終わった時に、ブラワー事件に乗じたパワーズが、WWA分裂世界タイトルとして、クリーヴランドにこれを誘致した。だからNWF世界タイトルは、カーペンティア事件を継承する、古い分裂世界タイトルの亜種。
ちなみに、LAでWWAが終わった時を前後して、インディアナポリスで発進したアフィルスのWWAは、LAのWWAの正統の後継を自称した。しかし当時の大NWA的には、WWAタイトルはアメリカス・タイトルという名の、USタイトルになったというのがオフィシャルな解釈。アメリカス・タイトルは、後にAWAタイトルと合流する。あとはAWA世界ヘヴィーウェィトタイトルの項に書いた通り。インディアナポリスのアフィルスのWWAは、後にカンサスに権利を譲り、マイク・ジョージを通じてアメリカンタイトルと合流。これも書いたか。
イノキはパワーズを強引にねじ伏せ、数々の好勝負でNWFタイトルを日本に根付かす。クリーヴランドのNWFは間もなく終焉。NWFタイトルは実質日本のタイトルになる。イノキと新間のNWA加盟で、パワーズの反骨精神の象徴から、世界の二文字も削られる。そして、IWGPの創設。あとは知るべし。
カーペンティア事件は今も生きる、か。オヴィル・ブラウン派とも言われる現NWAとは、その一部を取りこみつつも、先頃袂を分かった格好のTNA。しかし今度は今またここで、古のカーペンティア事件のブランチと、共同歩調をはじめようとしている。予想もされない事態が起こるからこそ、歴史は面白い。
アメリカにお帰り、ジョニー・パワーズとブルドッグ・ブラワーの死闘の歴史。イノキとシンの思い出、フジナミ、チョーシューの激闘の記憶は、NJがしっかり管理してくれる。そして、オハイオでかつてつむじ風を巻き起こした、エイトロックの賢才のメモリーは、カート・アングルがきっと、引き受けてくれる。
- NJPW IWGPヘビー級王座決定トーナメント
- ¥4,536