増渕邦治全仕事 ART DIRECTION vol-02・11 『ブランディング(2)』
増渕邦治全仕事ART DIRECTION vol-02・11『ブランディング(2)』私が絶えず意識していたのは「ブランディング」でした。MIKIMOTOで20年間、独立してからも多くのメーカー・卸や小売店とのお付き合いの中で絶えず意識してきた事です。もう25年ほど前になりますが、この頃はご多分に漏れずどの企業でも「ブランディング」が合言葉でした。しかもブランドネームと商品そして宣伝広告が揃えばたちどころにブランディングが完成してしまうという、カ タチばかりのお粗末な考えが、ジュエリー業界に蔓延していました。この企業も日本の一流の仲間入りをしたいという発想の元に私にお座敷がかかりました。ネーミングからプロモーション計画、商品開発までお手伝いする中で、この雑誌広告は社内で揉めに揉めました。まず問題になったのは商品がブレている事でした。しかも何をメッセージしようとしているのか良くわからない。私は必死で社長以下を説得しました。結果としてこの広告が日の目を見たのですが、取引先からは「さすが○○○さんやる事が一味違うね」とか「今時当たり前の広告なんて意味がないよ」「このダイヤモンの商品うちでも扱わせて貰うよ」などなど、立ち上がりの評判は取引先からは好評でした。しかし商品ブランド展開はそんな生やさしいものではありません。大きな壁に突き当たるのにそれ程時間はかかりませんでした。