Special essay

宝石箱の片隅「深夜のモノローグ」・no.0040

 

 

 

 

『ジュエリースタイル(様式)とは』

 

昨日のmini講座でもお話ししたのですが

私たちが身近に感じているジュエリー意匠の原型は、

少なくともルネサンスの時代に形作られてきたと思います。

従ってジュエリーの近代化はルネサンスに始まるといっても過言ではないでしょう。

それ以前のロマネスクやゴシック時代は

主として建築様式で大きく時代区分されていますが、

勿論この時代にもジュエリーは作られています。

そしてその主題はキリスト教にまつわるものがほとんどなので、

十字架をデザインしたものが多いのです。

従ってこの中世時代をキリスト教時代ともいったりします。

ジュエリースタイル(様式)は

(1)意匠(デザイン)

(2)時代区分

(3)技法

が明快でなくてはならないでしょう。

よく誤解されることの一つに、netや本などで「ベルエポックのジュエリー」

という記述が出てきますが

これはベルエポックの時代(1880〜1910年頃)に作られたジュエリーという意味で、

ジュエリースタイル(様式)ではありません。

同じように「ヴィクトリアン・ジュエリー」も様式ではなく

1837〜1900年代に、主としてイギリスで作られたジュエリー、という意味になります。

一方、エドワーディアンやガーランドというジュエリーは、

ジュエリースタイル(様式)のことです。

エドワーディアン様式の特徴は技法として

オープンワーク、カリブル留め、ミルグレイン等、

意匠(デザイン)としてはロココ様式のモチーフをシンプルにしたもの、

ということになります。

ジュエリーの歴史を理解するためには、

ジュエリースタイルを理解しておくと良いと思います。