九州地区で活躍するJR貨物の国鉄形電気機関車ED76形とEF81形は、後継機EF510形300番台の増備が進み、一部で運用離脱の動きが見られます。門司機関区に留置されたED76 81、83などの9月末時点の状況を、鹿児島本線の列車内から見てみました。
鹿児島本線の下り列車内から見た、門司機関区に留置されているED76 83。区名札はまだ差されています
JR門司駅を出た鹿児島本線の下り列車は、少したつと門司機関区の横を通り抜けます。まず目に飛び込んできたのはED76形で、83号機が単独で留置。その先では1020号機と81号機が連結された状態で並んでいました。
EF81形は、403号機がやや門司機関区本屋寄りに置かれていました。線路沿いには草がずいぶん伸びていますが、以上の4両は車番が確認できました。
一方、上り列車の車窓は対照的に、EF510形300番台が大群で並んでいました。
留置されているED76 1020(左)。右奥はこの日時点では運用中のEF81 454
連結状態で並ぶED76 81(左)と1020。いまさらですが0番台と1000番台の白帯の違いがよく分かる並びです
EF81 403は、ED76 81の近くに単独で留置されています
EF510形300番台が続々運用入りする中、ED76形で気になるのは1019、1020号機です。この2両はどうも最近、その動静が聞こえてきません。後者は先述のように運用を終えた81号機と並んで置かれています。
1019、1020号機の全般検査期限は2027年で余裕がある一方、その間には台車検査があります。全検のタイミングがほぼ同じだった1021号機は今年3月に台検を通っていますが、1019、1020号機はどうなのでしょう…。
詳しくない筆者には正確なところは分かりません。ただ、EF510形300番台の大群を目の当たりにすると、もうED76形への台検施工はないように感じます。
門司機関区構内にはところどころにED76形の姿が見えますが…
上り列車の車窓は一転、EF510形300番台がずらりと並んでいました(画像には3両ほどしか入っていませんが、かなりの数でした)
鹿児島本線門司—小倉間に乗車した際、門司機関区の車窓を眺めるのはいつものお決まりですが、最近まで活躍していたなじみの国鉄形電気機関車がひっそりとたたずむ下り線側と、日の出の勢いのEF510形300番台がずらりと並ぶ上り線側の差が、楽しくもあり寂しくもあります。
猛暑が続いた夏はカメラ散策も滞っていましたが、勢力図が変わってきた九州の貨物機をいま一度追いかけたいと考えています。
※門司機関区のED76形とEF81形の2025年2〜3月時点の状況は以下にまとめています
※後継機EF510形300番台の甲種輸送の様子