5 装備品 住 ~野宿と自炊をしながらの自転車旅指南~ | 迷った時は旅に出ろ ~自転車日本一周(完)~

もくじ

 10 さいごに

5 装備品~住~

5-1 テント
自立式がおすすめです。自立式とは、ペグやロープがなくてもとりあえず立てることができるテントのこと。非自立式はペグが打てる場所でしか使えなんですが、自立式であればコンクリートの上でも立てることができるので宿泊地の選択肢が増えることになります。 シングルウォールでもダブルウォールでもいいと思いますが、それぞれメリット、デメリットがあります。
シングルウォールは軽量、結露しやすく外気の影響を受けやすい。ダブルウォールは外気の影響を受けにくいが重く、通気性が悪かったり寒ければ当然結露はそれなりにする。
耐水性能にも気をつけたいですね。安いものは寝ている部分から浸水してきやすいです。最低耐水圧1500㎜以上はほしい。雨対策としてはグランドシート(フットプリント)と呼ばれる、一回り小さいシートをテントの下に敷くのが有効。テント底面の保護にもなります。タープも悪くないけれど、ポール等の付属品も必要なので自転車旅向きではないかな。

 ロープワークスキルがあるならばツェルトという選択肢もアリです。四国遍路旅では軽量化のためツェルトを使ったけど、全く自立しないので張る場所をかなり選びましたし、結構過酷な面もあります。とはいえそれが楽しかったりもします。  テントのたたみ方については、以前投稿した記事が参考になるかと思いますのでよかったらご参照ください。(テントをたたむ。2011年3月6日)


使用していたテント。
暑かったり面倒な時はアウターを使わずに立てていたこともあった。


ツェルトとその中の様子。



5-2 寝床づくり

 寝袋
(シュラフ)・・・化学繊維のものとダウンのものがあり、どちらもそれぞれの良さがあります。化学繊維の寝袋は重く、かさ張りますが洗うことができます。また、低価格なので私はこれを選びました。ダウンの寝袋は軽く、コンパクトですが価格は化学繊維に比べて高く、洗うのには特別な対処が必要です。後日ダウンシュラフを手に入れてからはかなり旅も快適になりました。対応温度(快適使用温度)というものがありますが、実際に使用するとあまりアテにはなりませんね。だいたい表示気温の+5℃くらいに考えておくといいと思います。

 インナーシュラフ・・・寝袋の中に入れて使うシーツのようなもの。インナーシーツとも言う。寒くなってきた頃、たまたまフリース素材のものを見つけたおかげで寒い夜も寝ることができました。夏場なんかはこれだけでも寝ることができそうです。

 シュラフカバー・・・寝袋にかぶせるもの。例えばシングルウォールのテントの場合、結露水が寝袋についてしまい、保温効果を発揮できなくなる恐れがあります。そんな時、防水性と透湿性を兼ね備えたシュラフカバーが役立ちます。また、寒さ対策としてもシュラフカバーは効果があります。私はツェルトで旅をした時、結露水対策と保温のためシュラフカバーを使いました。(でもお金んないんで自作しましたけど。※その時のレポートは>こちら)

 エアマット・・・敷布団として使うマット。どうしても地面に寝そべる時に体温が地面に奪われてしまいます。また、地面のコンディションによっては痛くて眠れない時もあるでしょう。そのためにもマットが必要でした。エアマットは息を吹き込んで膨らますタイプのマットです。コンパクト、軽量で厚みもあり快適に寝ることができます。しかし私は不運にも2度穴をかけてしまい、最終的に旅の途中でZ-Liteという軽量EVAフォームという素材を使用した折りたたみ式のマットを購入しました。(ウレタンマットって言うのかな。)こちらはかさ張りはしますが、軽量かつ穴あきの心配から解放されましたし、片付けやすさや汎用性の高さからもこちらをまずはおすすめしたいですね。もっと安くしたい場合は銀マットが主流でしょうか。厚みがあるほうがより快適だと思います。底冷えする場合は段ボールを敷くだけでも多少寒さも和らぎます。

テント内環境として、テント内に紐やS字フックをかけられる部分があったりします。ここに細引きを通しておくと雨の日などに濡れたものやタオルを干すのに使えます。細引きは通したままでOKです。 ライトは天井を照らすようにするとテント内全体が明るくなります。 火の扱いは極力しないように。ゴミも中に入れて匂いが漏れないようにしたほうが安全でしょう。カラス、キツネ、熊が狙っていますよ。


エアマットと化学繊維の寝袋の組み合わせ。
枕は荷物や着替えを使っていました。


5-3 宿泊場所 
 旅の間では様々な場所に宿泊しました。  野宿については 6-2 野宿場所 を参照。 その他有料施設は、雨の日や体調が悪い時、進行上都会に宿泊する時などにユースホステル、ゲストハウス、とほ宿、ライダーハウスなどを利用しました。洗濯をしたり、拠点にして観光をしたり、ただただ休んだりすることもありました。いずれも可能な限り予約をしたほうがいいでしょう。チェックイン時間も要確認。いびき対策に耳栓を持つといいですよ。

 ユースホステル・・・(3000~4000円前後)場所によってはたどり着くのが難しい場所にあるので注意。40数年前、ユースホステルが増えていった時期はこういった僻地にたどり着くことが旅人のかっこよさでもあったのだそう。しかし長くそこに宿を構え、多くの旅人を見てきた情報量は他に勝る。自転車への対応も厚い場合が多いのも安心できるポイント。

 ゲストハウス・・・(2000~3500円)ここ数年で急激に増えている簡易宿泊施設。一人一人にベッドがあり、数人での相部屋が多い。宿によって特色があり、外国人と日本人の比率も様々。多くは宿泊者が交流できるラウンジや自炊設備がある。日本一周後世界一周など目指すのであれば積極的に使って友人をつくるのもいいですね。

 とほ宿・・・(3500~5000円くらい)とほ宿、というだけあって多くはバイク、自転車、徒歩(列車移動)でやってくる旅人を対象にしている宿です。相部屋のところも多いが安く、寝具持ち込みであればさらに割引になる宿もある。北海道に多く点在し、ユースホステルにも似た雰囲気を持つ。食事有りの宿も。

 ライダーハウス・・・(無料~2500円?)北海道を中心に道外にも点在。とほ宿同様、車以外の旅人を受け入れている。スタイルは本当に様々で、食事をしたら泊まれるとか、連泊すると安くなるとか、無料だけど3連泊までとか、農作物付きとか。基本的に寝具は持参、雑魚寝の相部屋。シャワーも何も無いところもあるので事前に調査が必要。短期バイト情報も集まりやすい。夏場は満室になる宿も。電源の奪い合いになるので延長コードや分電できる電源タップがあると便利。


ライダーハウスの一例。(ここは500円、メロン付きでした。)
早めに行って良い寝床を確保するのも大切。




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