今回は観光も考えているため、その分列車に乗っている時間は短くなりがちだけど、「北・東パス」の一日あたりの単価は1500円にも満たないため、十分にモトは取れるかと。
少し早起きして、青い森鉄道をさらに北上。八戸駅はいつにも増して活気があるように思え、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のヒットによる効果を感じます。
下北半島への入口となる野辺地へとやって来ました。乗り換えまでに少し時間があったので、駅前をブラブラ。青い森鉄道に転換されてからというもの、随分と寂しくなった気がしてなりません。
そして野辺地から大湊線で下北半島を北上します。今日は休日のためかとても空いていて、おまけに2両も繋いでいるため、余裕でボックスを独り占めできます。足を投げ出してコトコト揺られて行くひと時は本当にたまらず、ローカル線の旅を心行くまで堪能します。
やがて左手には陸奥湾が車窓ぎりぎりまで近付いてきます。これぞ大湊線のハイライト。
終点の一つ手前、下北で下車。
今日はこれから恐山へ行ってみようと、駅前からバスに乗り換えます。
バスは一旦むつ市の中心街を抜けた後、アップダウンの続く寂しげな山道を進んで行きます。
バスは途中の冷水(ひやみず)という湧き水スポットで停まってくれ、乗客に飲むよう勧めてくれます。小回りの利くバスならではの嬉しいサービスですね。
そして、イタコの口寄せや霊山で知られる恐山へとやって来ました。周囲には硫黄の匂いが立ち込め、早くも異様な雰囲気が漂っています。
500円の入山料を支払ってさっそく中へ。
総門をくぐり、境内へと続く道。この辺りはまだ普通の寺院といったおもむきです。
山門をくぐると、右手に「薬師の湯」(男湯)、左手に「古滝の湯」と「冷抜の湯」(女湯)の小屋があり、参拝者は無料で利用することができます。気軽に立ち寄れるため、入れ替わり立ち代わり多くの人がやって来るみたいです。たまたま人が途切れたところをパチリ。なお、女湯の方は知りません。
境内を抜けると、そこは一面強烈な硫黄の匂いが鼻を突くゴツゴツとした岩場。充満する硫黄ガスのせいで草木は生えず、噴出した溶岩が重なり合い、まさに地獄そのものです。
積み上げられた小石の上に立てられた無縁仏もあちこちに。やはりここは様々な霊が寄り添っているような特別な場所なのでしょう。
岩場を抜けると、眼前には宇曽利湖と呼ばれる広大な湖が広がり、きれいな砂浜と穏やかな湖面にとても癒される気がします。このように続く変化に富んだ散歩コースはとても興味深く、一見の価値はありそうです。
山門を出た所にある3つの温泉以外にも、もう一つ「花染の湯」という温泉があり、ここでは唯一の混浴として存在しています。参拝コースから大きく外れ、とてもわかりにくい場所にあるため、ここまで来る人は皆無に近く、穴場的存在と言えそうです。
一時間もあれば全体をくまなく見て回れます。これまで名前からしてそこは殺伐としたとても恐ろしい所、という漠然としたイメージがあったのですが、自分には霊感がほとんどないせいか、恐怖といった印象はなく、それどころかとても明るい感じに思え、清々しい気持ちにさえなったというのが感想でしょうか。でも霊感の強い人には全く別の印象を受けるかもしれず、一度は行ってみることをオススメします。
ということで、再びバスに乗ってこの地を後にします。
下北からの乗り換えは、少し時間があったので、一旦終点の大湊まで行って折り返すことにしました。乗り放題の切符なのでこんな乗り方も自由自在。
前回来た時は確か駅舎改築中で仮駅舎状態でしたが、すっかり完成し、終着駅に相応しい佇まいとなりました。じっくり周囲も見たいところですが、あまり時間はなく、慌しく折り返します。
3連休の最後ということで列車はかなり混雑してきたので、ならばと先頭のカブリツキスペースにさりげなく移動。正面ガラスギリギリまで乗り出せるキハ100のため、とても迫力のある前面展望が楽しめます。
野辺地からは青い森鉄道に乗り換え青森へ。さらに津軽線に乗り換え、今度は津軽半島を北上します。
この地方の701系ロングシートはもはやすっかり「お約束」。
終点の蟹田が近付くと、右手に現れる青森湾。はるか沖合いには先程まで足跡を標した下北半島がうっすらと。
蟹田に到着。実質的にはここが北海道へ渡る分岐点となります。
そして「スーパー白鳥」に乗り換えると、気分は早くも北海道へ。木古内までなら特急券ナシで乗れるのも嬉しい配慮です。
青函トンネルを抜けるとすっかり陽が暮れていました。そして、またまたやって来ました、北海道。なお、これ以上乗っていると特急料金がかかるので、いつものごとく木古内で「白鳥」から降ります。
今はひっそりとしている木古内の駅及び駅前ですが、新幹線開業の暁にはすっかり変わっていることでしょう。
木古内からは懐かしの40系気動車が登場。この車体を見ると、北海道に来たことを実感します。
空いているのでボックスに足を投げ出し至福のひと時。真っ暗な中での走行も、ロマンを掻き立てられたりしてなかなか幻想的でいいものです。
函館に到着。今夜はここに泊まり、明日はさらに道内を北上予定。旅はまだまだ始まったばかり。
八戸 6:56 → 7:33 野辺地 7:58 → 8:55 下北 9:00 → 943 恐山 13:00 → 13:40 下北 13:54 → 13:59 大湊 14:05 → 15:06 野辺地 15:19 → 16:06 青森 16:12 → 16:48 蟹田 17:21(特急「スーパー白鳥27号」) → 18:09 木古内 19:03 → 20:18 函館