思うように資金調達ができない方へ -2327ページ目

融資のノウハウ  不動産担保ローン4

3月23日

昨日のような融資のニーズはあっても、不動産を持っていない場合のお話です。

後で理由は説明しますが、本当は、今日ご案内する方法は、諸手を上げてお薦めできる方法ではありません。
しかし、状況によっては有効な手段でもありますし、お手伝いする件数も非常に多いので、ご案内をさせていただきます。

どのような方法かと言いますと、会社あるいは代表者以外の会社や個人所有の不動産の提供を受け、この不動産を担保に融資を受ける方法です。

よくある提供不動産のケースは、次のような場合です。
・グループ会社である他社所有の不動産を担保にした資金調達
 (今日もお手伝いできた最も多いケースです)
・社長や役員の親族所有の不動産を担保にした資金調達
・協力者や取引先所有の不動産を担保にした資金調達 など

効果的な利用方法としては、昨日ご案内しました銀行からの融資が受けにくい場合の利用方法と同じです。

この方法のメリットは、銀行から融資が受けにくく、直接金融も難しい状況でできる資金調達としては、ファイナンス会社を選べば、商工ローンなどからの資金調達に比べて、比較的低い金利水準(年利4~10%)で、しかも返済期間も長く設定できるところです。

弊社の扱った案件でも、この方法で会社が立ち直ったり、会社が発展したケースは数多くありますので、現実的には悪い資金調達の方法とは言えないとは思います。
しかしながら、この方法の最大のデメリットは、担保提供した方も連帯保証人にならなければならないところです。
さらに担保提供する不動産の所有が会社場合は、会社だけでなく、代表者の個人保証も必要になります。

またこの保証が根保証であることが多いので、融資を受けた会社が債務不履行になった時は、最大の協力者である担保を提供してくれた方々に多大の損害を与えることになります。

しかし、我々の業界でよく言われる、「消費者金融よりは質屋で借りる方がマシ」と同じ理屈で、担保があるだけ弁済の可能性が高くなるところが、安全と言えば安全と言えます。
ただデフレ時の、特に下落率の高い地域の不動産を担保にした場合は、この理屈が適合しない場合もありますので、他の商工ローンなどより若干は安全程度のご認識が良いと思います。

この資金調達で可否のポイントになるのは、担保提供された不動産の価値が最も重要であることはもちろんですが、担保提供する会社や個人の納税の状況もとても大切です。

なぜこのお話をするかと申しますと、コンサルをする中で、この不動産所有者の固定資産税や所得税の未納が原因で、融資がうまくいかないことが非常に多いからです。

この問題はいかなる場合の不動産担保ローンでも重要なポイントですので、明日詳しくお話をさせていただきます。




融資のノウハウ  不動産担保ローン3

3月22日

不動産担保ローンを専門とするファイナンス会社からの融資について、今日は、その有効な利用方法で2番目に多い、銀行からの融資が受けにくい場合の利用方法をご案内いたします。 銀行から融資を受けにくいのは、財務内容による各付け悪いからと言うことは再三述べて参りましたが、銀行の格付けが悪く融資を受けにくい場合はもちろん、所有不動産への差押さえ解除のための資金調達や、未納消費税の納付のための調達など,次のような利用方法があります。

①差押さえ、1回の不渡りなどのトラブルがある場合
②滞納消費税、所得税などの納付のための資金調達
③RCCや金融業界で評判の悪い金融会社からの借換
④融資期間の短い銀行や信金からの借換
⑤不動産の担保余力を利用した資金調達(後順位でも担保余剰があればOK)
⑥個人の多額な資金調達 
など

①について
取引先への支払いや税金が納付できず、差押さえを所有不動産につけられた場合の、差押さえ解除のための資金調達は、余程の理由がない限り銀行や信金からの融資は受けにくいものです。また不渡りを1回出したような場合も同様ですが、所有不動産の担保評価次第で融資が可能です。弊社のお手伝いをした中でも非常に多い例です。

②について
所得税はともかく消費税の未納があると、原則的には銀行などからの融資を受けることは非常に難しいのですが、ファイナンス会社によっては、融資後最優先で納付することを条件に融資が可能になることがあります。

③について
RCCからの借り換えについては、最近は銀行でも格付けの良い会社であれば引き受けるところも出てきていますが、中には正常債権(金融機関が破綻して債務がRCCに移った場合)であっても、RCCからの借換や新規の融資を拒否する銀行がけっこうありますので、このような場合は一旦優良なファイナンス会社に借り替えて、更に銀行などへの借り替えが有効です。また実名は書けませんが、金融業界で非常に評判の悪い会社の抵当権が不動産についているだけで、銀行など金融機関が取り扱いをしたがらないようなことが実際にあります。このような場合も、一旦評判の良いファイナンス会社に借換をして、最終目標の銀行などへの借換を可能にします。

④について
銀行等からの融資で、金利は低いが融資期間が短く、キャッシュフローがきついような場合、不動産担保ローン専門のファイナンス会社に借換します。物件や融資方法によっては最長25年程度の融資期間を確保できますので、金利は高くなってもキャッシュフローはかなり余裕を持つことができます。

⑤について
信金については明言できませんが、銀行、特に都市銀行は、ファイナンス会社などの抵当権の後順位に担保をつけ融資をすることを嫌がることが多いのですが、後順位であっても担保余力さえあれば、不動産担保ローン専門のファイナンス会社からの融資は可能です。

⑥について
個人で多額の融資を銀行などから受けるのは通常簡単ではありません。経営する会社の増資時などに、個人の高額な資金調達が必要になることがあります、このような場合、個人所有の不動産を担保として調達が可能になります。

以上のように、書ききれないほど様々な利用方法がありますので、もし詳細やご質問がおありの場合で、公開でない方が良い場合は bhycom@hotmail.com までメールをいただければ幸いです。

明日は今日の関連になりますが、ご自分の所有不動産でない不動産を担保に融資を受ける場合のご案内をさせていただきます。


融資のノウハウ  不動産担保ローン2

3月21日

昨日ご案内いたしました不動産担保ローンを専門とするファイナンス会社からの融資について、今日は、その有効な利用方法についてご案内いたします。

昨日は設立し間もない会社の場合の利用を例に上げましたが、他にも有効な利用方法がいっぱいあります。

弊社でお手伝いをした数の多い順に幾つか実例をご案内したいと思います。もしこの実例に、たまたまあなたやご友人が直面されている資金調達の課題に合うようでしたら、ぜひご参考にしていただければと思います。

1.新たな不動産投資の資金調達
一番多い例は新たな不動産のための購入資金としての利用です。
ご存知のように最近東京を中心に、不動産に対する投資活動は積極的なものがあり、一昨年辺りから、新規投資の資金調達のご相談が増えてきています。

バブル崩壊以降、一時的に投資は下火でしたが、ここにきて東京に関してはバブル状況のような様相を呈して、不動産購入のための資金調達のご相談が激増しています。

私見を言えば、昨年後半から、利回りの良い優良物件はなかなか一般投資家には手が届かない状況になってきていますので、そろそろ、買いを手仕舞う時期だと思っています。

担保があるから、金利の安い銀行や信金から借りれば良いのではないかと思われると思いますが、一般投資家の不動産投資の新規物件購入には、実は銀行や信金からの融資は適合しません。
その理由は、会社の規模的にも財務内容的にも非常に優良な会社であれば、会社自体の与信が高いので、投資金額によっては銀行や信金からの融資で対応できるのですが、一般の会社や個人投資家にとっては、銀行や信金からの融資では時間がかかりすぎて、融資が実行される前に他の投資家に買われてしまい、優良物件の購入ができないようなことがよくあります。

別に銀行や信金が悪いわけではなく、審査の対象が、投資対象の不動産の内容以前に、投資をする会社や個人の与信を重視するため、既存の取引がある場合はまだ良いのですが、新規の取引の場合は、まず担保になる不動産の内容よりも、融資対象の会社や個人の審査に時間がかかるため融資実行までに時間がかかってしまいます。

この点不動産担保ローンを専門とするファイナンス会社からの融資は、昨日もお話をしましたように、融資対象の会社や個人よりも、担保になる不動産の内容に重点をおくため、融資対象の審査は過去の金融上の履歴のチェック程度ですので、時間が大幅に短縮されます。

ファイナンス会社によっては、10億円を超えるような融資であっても、担保になる不動産の状況と、融資に必要な書類を迅速に準備できれば、最短10日程度でも可能な場合がありますので、優良物件を買い損ねる事態はかなり防げるので利用価値があります。

このように担保になる不動産に重きを置く融資ですから、競売物件の融資にも適していますし、最近馴染みが増えてきたノンリコースローン(2/14 ノンリコースローン参照)を使えば、少ない自己資金で、しかも低リスクでの不動産投資が可能となります。

区分所有のワンルームへの投資を中心に、不動産投資をなさっている方もいらっしゃいますが、弊社は投資対象としてはお薦めしておりません。
福岡のような地震が少ないと言われている地域でも、いつ起きるか分からない状況を考えると、区分所有の不動産、さらにワンルームマンションの場合は所有者の数が多いため、再建にもかなり時間と手間がかかり、とても私はお薦めできません。

更にご相談案件でワンルームマンションを担保とする融資のご相談も多くありますが、金利が比較的安いファイナンス会社の場合、お各様が思っていらっしゃるような不動産評価が出ることはまずありません。金融上の不動産評価的には非常に不利な物件というのが忌憚のないところです。

ですから、もし複数のワンルームマンションに投資を考えていらっしゃる場合、ぜひ一度ノンリコースローンなどを利用し、一棟の不動産への投資を検討されてはいかがでしょうか?
ワンルームマンションも一棟を所有していれば、決して不利な投資ではありませんので、弊社ではお薦めしています。

明日も不動産担保ローンを専門とするファイナンス会社からの融資について、2番目に実例の多い、銀行から融資が難しい場合の利用についてお話をしたいと思います。