”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室 -148ページ目

工具について

前回の”こるてぃ”さんからのコメントで工具について書かれていますが、最近工具について質問を多く受けていてます。そのたびに個人的に色々と話していましたが、「工具」は本当に大事です。


私も試行錯誤の途上ですが、自分の作りたい形が日々変化するのに合わせて、工具も日々変化させたいと切実に思うのですが、工具の形を作るのは靴を作る以上に大変なこともあるので、じっくり時間をかけたいのですが、そうそう時間の余裕もなく、思い切った改良も出来ずに私自身ジレンマの只中。お互いがんばりましょう!(頼りないな~自分で言うのもなんだけれど。)


 工具は買ってすぐの状態では未完成です。(工具屋さんのせいではないのです。)特にコバコテは自分で精密やすりを使って形を整えなくては、綺麗なエッジは生まれません。コテは軟質な素材で出来ているので、削る事自体は大変ではないのですが、ゆるく丸いカーブや微妙な角度は何度も試しながら、じっくりやっていかないと。。。。(これがやっかい!)それと、職人の色もその職人の工具によって出される部分も多いので「自分の物は自分で作る」ことをやっていかないと。。。。。靴が綺麗に出来なかった場合、工具のせいにしがちですが(私だけか?笑)、これもつまりは自分の腕のなさなのです。(痛!!)


 初心者が工具を買った後、まずは精密やすりかサンドペーパーで、エッジの荒い部分をスムーズに整えます。ハンマーは、自分の顔が映るまで綺麗に磨く。角があるものは、そのままだと革を傷つけてしまうので、滑らかにする。面取りやすりも角が荒いとアッパーを傷つけてしまうので注意!ワニの先も荒いままだと、つり込みの時アッパーが切れてしまう原因になります。コクリ棒もサンドペーパーでエッジに丸みをつけないといけないし。まずは少しづつ工具をそろえつつ、自分の使いやすいようにどんどん改良をしていってください。基本は「荒い部分を滑らかに整える」から。コバゴテ等の角度の問題は実際に目の前で見せないと解らないと思いますので、購入後は相談に来てください。


イギリスでは、どの職人も靴作りについては事細かに私に教えてくれたけれども、「工具」作りとなるとみんな口が堅くなってしまうので、「うまさのコツはやはり工具か!!」と思ったこともありましたが(笑)、実際は(それもあるとも思うけれども)、作り手の「手」にあった工具を見つけない(作らないと)といけないなと。靴作りの初めは工具作りから。。。かな、本当の話。

 

基本的に靴用の工具は手の延長と考えられていて、自分の手と一体になるものです。技術の上達と共に、工具も進化したいものです。工具って魂が宿りそうだし。


実際、人の工具を借りるなんてのは、「失礼」なこと。「ナイフ貸して~」なんて言ったら叱られます。私が教室内で自分のナイフを生徒さんに時々貸すのは、「これが本当のナイフってもんだよ!」(怖い!)と教えたいからで、本当は自分のナイフを触られるのは良い気のしないものです。ナイフって「神聖」なもののような気がしませんか?自分の思いをナイフに託しているようで、大切にしている分思い入れが大きい。昨年、不覚にも一本失くし、かなり落ち込み何日も枕を涙で濡らしました。(思い出してまた今、涙腺緩んでます。。)


工具のライン一つとっても、そこに感性が入り込むと思います。日々美しいものを観、聴き、感じ、感性を高めてゆきたいものです。あ~、こんなことを書いていると自分がまだまだ、目指すところまで遠いことが感じられます。私はいつもハングリーの状態でいたいので、自分が吸収したことはなるべく人に伝え、いつでもスタートラインに立ち戻ろうとしているのだけれど、ハングリー精神だけでは、乗り越えられないことも多いです。12月に入って、今年も終わろうとしているのに、達成できていないことのなんと多いことか!


ロンドンでの学生時代、友人が「守破」という言葉を教えてくれた。守破の「守」って言うのは、師匠から習ったことを忠実に守り、自分のものにする。その後それを「破」(破壊)することによって、新たな自分のものを得る。ここで重要なのは、まず「守」をすることだ。「守」することをしないで、初めから「破」のみをしていては、驚きは与えても、感動は与えられない。また、自分自身いつまでたっても納得の行くものは作れないと思う。まーもっと深い意味があるんだろうけれど、私はいつの日か「守破」出来るのだろうか?まだまだ、「守」に徹する時間がかかりそうです。とことん、やり続けるしかないですね。

靴を綺麗に作るには パート6 インソール3

いや~、今日は教室をお休みさせていただいたおかげで、ブログに靴のことを書く余裕がやっと生まれました。お休みを頂いた後ろめたさも手伝って。。。(笑)


さ~インソールはもう少しで完了です。がんばっていきましょう!


溝堀りが終わったところからですね。溝をカットした後は、ガラスやきやすりで外側の溝を平らにして、後々その上に乗っかっていくウェルトが波打たないように整えます。


次に厚いインソールの場合は、踵の底のエッジを綺麗に整える為に私は踵のインソールを少々スカイビングして、つり込みした革とスティフナーの為に踵が厚くならないようにしています。ヒール部のエッジがシャープなほど、下に重ねるスプリット・リフトやヒールを整えるのが楽に綺麗にゆきます。


次に、インソールの内側の溝部に8mm間隔でボールペンでステッチ穴を開けるマークを書いていきます。爪先部は放射線状に。次にこのマークした部分にすくい針で穴を開けていきます。このとき穴を開けないで、つり込みをした後に、ウェルトとアッパーと一緒にインソールにも穴を開ける方もいますが、初心者には初めに穴を開けておくことをお勧めします。私は未だに、時間がその分かかりますが穴を開けてからつり込みしています。


だし針は外側の溝の丁度90度になった角から丁寧に出してゆきます。インソールが硬い場合は、ビーズ・ワックスか石鹸をだし針の先端につけて、すべりをよくすると開けやすいですよ。


インソール完了!あ!今タイプミスで、インソールが「インソウル」となった!すごい!「インソールは靴のイン ソウル(魂)」だよ、本当に。ここに心を込めないとね、前に進むの厳しいです。インソールが駄目な靴は、根っこの弱い木のようなもの。いくら葉っぱや花が綺麗でも、もろい木に違いありません。なんか、今日の私は冴えてるな(笑)やっぱり、仕事ばかりしてちゃ駄目ね。今週はまた友人達と夜遊びにくり出したので、活気が満ちてるわ。睡眠不足だけれど。。。

お休みのお知らせ

12月は3日(土)、23日(金)、30日(金)、31日(土)はお休みいたします。


1月は 6日(金)、7日(土) より、教室を開始いたします。

楽しい一週間

金曜日はマイケルがワークショップに着てくれて、足の採寸方法、木型の削り方、修正の仕方など細かく説明してくれました。私が木型作りを教わったのは、ロブのマネージャーのMr.ホワイト氏でありますが、マイケルも同マネージャーから。しかし、彼のやり方はどんどん進化し、事細かく細部にわたって、より足に忠実に再現するやり方になっていて、感心すると共に私自身勉強になりました。モゲワークショップの勝美さんがビデオで撮影してくださり、DVDに落として下さってのでこのDVD貸し出しいたします。金曜日に来れなかった人はもちろん、来た方でも再度検討したい方はどうぞお申し出ください。


ワークショップの後、マイケルと柳町氏のワークショップへ行って、足と木型について問題点、疑問点など話し盛り上がりつつ、木型作りの奥の深さ、終点のなさに深いため息。。。。。マイケルは木型を毎日8時間削って19年。それでも、未だに試行錯誤している。100人いれば200本の足。それが、全部違うときている。なんと難しい世界に足を突っ込んでしまったんだろうね~と苦笑い。


その後、UNION WORKSの中川氏と3人でお茶をする。中川氏は相変わらず忙しそうで、とんとご無沙汰していました。彼は本当に靴好きで、修理の靴に愛情を持って修理していらっしゃる。彼のような存在は日本の靴業界にとって非常にありがたいことです。


土曜日のクラスでは1足目の人達もインソール作りはほとんど終わり、芯作りに奮闘していました。1足目のトウパフの形作りは本当に大変そうです。作り手の目が左右対象に形を整えるのがなれていない為に、片足はスクウェアっぽく、もう片方はラウンド。。。。など。トウパフをスカイビングするときに厚さがぼこぼこだった為に、つぎ込んだ後の修正に手を焼いていました。でも、ここで「こんなもんでいいや!」にしないで、ラインをよーく見て目を慣らすことがとても重要。どんどん、手と目を進化させていってください!この苦労が、2足目で生かされてきます。


土曜日は教室終了後、高校時代からの悪友Sちゃんと赤レンガ倉庫内 横浜MOTION BLUEへ友人のjazz ベーシストの塩田君のバンド「SFKUaNK!」http://sfkuank.com/  のライブに行ってきました。、「招待してあげるし、絶対楽しいからおいでよ!」と呼ばれて、行く前は「横浜だし。。。遠いし。。。」などブーブー言っていましたが、ライブ後は「お金払っても来るべきだった!!」(笑)とSちゃんと絶賛!!盛り上がるのなんのって!!メンバーもすごい人達が揃っているので、期待を裏切ることは無いと思っていたが、こんなに熱いライブもないんじゃないか?CDが12月14日に発売になりますので、皆様、是非是非。ライブ後に、「トランペット持ってきて、飛び入りすればよかったのに。。。」とか、スカパラのNARGO君に「トランペットはもうやってないの?」とか聞かれて、そういえば私も音楽やってたんだっけ!?っとか思ってしまいました。(笑)なんか、遠い昔の話だな。12年もトランペットに触ってないや。一度触ると、悲しくなるので封印です。今は、周りの熱い友人達がすばらしい音を聞かせてくれるので、私は私の道を行きましょう。ライブ帰りにほろ酔い気分で「私は良い友人達を持ってて幸せだな~」と幸福感に浸って帰宅しました。

号泣

このところの無理がたたり、今日は肩がコリでパンパンで、腰は真っ直ぐ立てないほどに痛み出したので、昼間まで寝ていて「鍼」をしてもらいに調布へ。マッサージも鍼も気持ちよく、肩も軽くなり(腰はまだ痛んでいる。涙)実家で遊んでいる息子を迎えに行くと、テレビでマラソンをやっていた。高橋尚子さんの走る姿に見とれたまま30分、でゴール。優勝を手にステージで熱く語る高橋さんを見て涙があふれる。(土曜日の午前のクラスで最近話題に上がりますが、本当に涙腺ゆるいです。)一生懸命に上を向いている人はかっこよい。見ていて本当に気持ちが良かった。「挫折」をとことん味わったからこその、熱い言葉。人間っていいな~と感極まりました。


私も腰痛などで弱音を吐かず、ヨガをさぼらないように体調を整えなくては。。。


土曜のクラスで「ユキさん、忙しい忙しいって、なにやってるの?」って聞いた人がいましたが(笑)、本当に、この2ヶ月遊びにも行かず靴を作っていますよ!!(怒)。ちょっと、煮詰まりそうなので来週は遊びに行こうと思っています。しかも、思いっきり!!人間ほんとにバランスが大事。いくら靴作りが大好きだといえども、こんなに週7日も「靴」「靴」「靴」の生活じゃ、再び(!!)悪魔に魂を売りそうです。(笑)皆さんも、程ほどに。

新しく参加を申し込みされる方へ

新しく参加を申し込みされる方へ


 この数ヶ月、教室への参加希望者がどっど増え、「空き待ち」をしている方達が10人を超えました。大変ご迷惑をおかけしておりますが、「空き」が出る予定もあまりなく、説明会は当面の間「中止」することにしました。空きが出次第こちらからご連絡いたしますので、どうぞお待ちくださいませ。申し訳ございません。


 何かご質問等がございましたら、メールにて承ります。




マイケル センプル氏 来日

お待たせいたしました。ジョン ロブのラスト・メーカーのマイケル氏が11月25日(金)にbench work study にお越しいただけることになりました。残念ながら、土曜日は仕事が入っていてお越し願えないのですが、土曜日のお教室の方でも時間のある方は、どうぞ参加してください。


当日は採寸方法、木型の削り方などお話いただくことと、皆さんからの質問にお答え願えることになっています。質問を考えておいてくださいね。それから、ロブから靴のサンプルもお持ち下さるそうですので、見て触って、質問して、、、の有意義な時間にいたしましょう!


ワックス ボールも持って来て下さるそうなので、またチャン作りをする機会が遠ざかる。。。。ウッシッシ。

ご無沙汰してました。

ご無沙汰しております。スーパー・ハードな日々がこの3ヶ月ほど続いておりますが、この2週間はどう考えても異常。頭の中は注文の靴のことでぎっしりで、頭の中の空気の入れ替えを実行しなくては!などと思いながら、一週間。人間考えすぎると、頭が腫れるのですね。心なしか脳が浮腫んでいる感覚がしていたのですが、夏にかぶっていた帽子がパンパンで被れないのです。これは、少ない脳みそを絞りすぎた為か?


そんなわけで、昨夜は久々に罪悪感を持たずに「ゆっくり」しよ~と本棚をじーと見つめること30分。私は自分のコレクションのレコードの棚と本棚を眺めるのって絶対に厭きない。恍惚とさえなる。で、目に入ったのは私の若かりし頃のバイブル「on the road」(路上)ジャック・ケルアック。ビートジェネレーションのニール・キャサディーの手紙を元に書かれた小説。何度も何度も、JAZZの、ハード・バップのレコードを聞きながら貪るように読んだ本。疲れているにも関わらず、夜更かしして読み直す。は~。私の人生からニールがどんどん遠ざかって行ってるわ。心だけでも近づけておきたい。チャールズ・ミンガスの(ジョージ・アダムス VO.)「DEVIL BLUES」をリピートにして何十回も聞き続ける。頭を休めたいのに、興奮する一方。もう、頭が破裂したってかまうものか!と強気になる。


この間良い言葉を聞いたので、友人にメールで送ると、その言葉がそのまま私を慰める言葉として帰ってきた。

                  「神様は乗り越えられない試練は与えない。」

さて、明日からまたがんばろ~。


驚き

 昨日、底付けをしていてステッチを縫うのに歯を食いしばって糸を引いていたせいか、両あごが痛い。両あごが筋肉痛。今まで、こんなことなかったのに。。。


 それより、このブログ、お教室の人達だけが読んでいると思っていたのだけれど、いろんな人達が読んでいるようです。その割りに「読者数2人」(左の欄参照)なのだけれど。。。。(笑!!)ホワイ?


 

風邪っぴき

 やっぱり風邪を引いて、今日はダウン。かなりがんばって持ちこたえていたのだけれど。考えてみれば、一日も休暇がないって生活が異常なのだ。日曜日に家族でFC東京VSガンバ大阪 戦を見に行って、(FC東京2-1で勝ち!!)「あー仕事をしないのもいいな~」と家に帰って、夜中1時まで事務処理を。。。。。スパッと、仕事を家に持ち込むことを禁止にするしかないのかな。


 既に11月。今月はジョン・ロブの受注会があり、通訳を頼まれているので久々に元・仕事仲間と会えるのは嬉しい。仲の良かった職人達とはメールのやり取りはまだ頻繁にあるので、社内のゴシップは大抵知っているが(笑)会うのはまた、別次元。まだ、退職して1年ちょっとだけれど、なんだか遠~い昔のような気がする。


 今日は病人らしく、パジャマで熱いお茶など飲みながら、うつらうつらとTVを見る。「新小泉内閣」について、流れていた。こわーいメンバー揃いましたね。そろ~り、そろ~りと日本は戦争へ向かっています。こんな風に、じわりじわり平和は壊れていくのですね。「靖国」「憲法改悪」「共謀罪」。何で60年も退化してしまうんだろう?人間は進歩ばかりしているわけではないのね。


 靴作りも同じだ。既製靴は売る側にとって、簡単に早く靴が作れるようになったが、履く側にとってはどんどん窮屈(窮靴?)になっている靴多いですよね。既製靴はまだまだ、内容を濃く進歩できると思うのだけれど。。。。。ただ簡単に、大量に作れるだけが進歩か?形や色だけ真似て「高級靴」と自称してしまえば、中がどんなだろうと、購入者にはわからない。既製靴は、履く側と作る側の接触がないから、信頼関係を結ぶのは難しい。そういえば、最近の既製靴の価格に絶句。既製靴で十万を超えるなんて!信じられない。どうやったら、そんな値段をつけられるの?材料のコストや人件費など知っているだけに、疑問が大きい。買う人間がいるからだろうけれど。。。。。こういう、信頼感がわかないビジネスやってると、再び靴業界の低迷につながると思うんだけれど。