指痛い!&悩み相談
このところ、快調!快調!で時間を忘れて靴作りに没頭していましたが、昨日から右手の人指し指が腱鞘炎になってしまって、もう痛いのなんのって!思うに木型がプラ型な為重くて、パターンを作るときなどに私の短い指で支えるのに、人差し指にどうしても力が要る為かと。
痛くなって初めて、人差し指の大切さがしみじみわかりました。今も、人差し指を使わずタイプしています。大好きなコーヒーを飲むのにも右手を使えず、料理を作るのも、靴紐を結ぶのも。。。。(泣)ちょっと、テンション落ちてきてます。相変わらず、仕事は山のようにあるのに。。。。(大泣)
今日のクラスで、デュプイの革で2足目を作っている生徒さんが、『革が固くて力が要りますね~。最近、指立て伏せをしたり、車に乗っているときも握力付けるものを片手で握ったりしています。』と話していましたが(えらい!)、ほんとこの仕事”力”がいります。私もイギリスで仕事を始めたばかりの頃、なかなかつり込みがうまく出来ず、『女の仕事じゃないからな!』などと職場の男衆に嫌味を言われ、悔しくて悔しくて!ダンベル買って、毎日鍛えました。(笑)夏にT-シャツの袖から見える私の腕の筋肉に慄く生徒さんがいましたが(笑)、この筋肉は血と涙の結晶です。今後は、指も強化していかないと、仕事についていけない。。。。更なる進化を遂げねば!
私の悩みは、とりあえず『指』のみですが、今月に入ってやたらと悩み相談を受けています。先週の土曜日の午前中も生徒さんの『家庭の悩み』に花が咲きましたが、(きわどい話でしたが、その後大丈夫だと良いのですが。。。)メールや手紙で「イギリスへの留学を考えているのですが。。。」という悩みを今月は3通も。(新年明けての新たな決意か?)今までもこの悩み相談は20人以上から寄せられているのですが、これは本当に、本人の意思次第だと思います。
私自身は悩む前に行動するタイプなので、とりあえず行ってみたいなら行くべきだし、やらずに後悔するより、とことんやった上でなら、後悔しないと思うし。何かを一生懸命やれば、必ず後に何かは残ります。まずは自分を信じて、自分の可能性に賭けてみるのはどうでしょうか?これは留学だけでなく、日本にいたって同じこと。イギリスで、自分も含め多くの海外からの留学生を見てきましたが、やっぱり夢をかなえている人達は、本当に『私にはこれしかないんだ!絶対やり遂げる!』って気迫を持っていましたよ。がんばれ!
和チャン
今日は浅草へ革や工具などを買いに行って、5軒程まわってきましたが、浅草の人達ってあったかい!と毎度行く度に思います。今日は年始の為か、皆さん忙しそうでしたが、色々新しい物も見せてもらったり、ありがとうございました。
某工具屋さんへ行くと、「あー大川さん、和チャンのサンプル入りましたので、持っていって使ってみてください。」と言われ、「わチャン??」。渡されたものは「洋チャン」よりも色の濃い物で、溶解度が違うとの事。
「チャン」作りは長いこと逃げて通っていて、教室でも何度か作ってますが、イギリスで使っているワックス・ボールに慣れていると、どうも作るのが面倒で、気温にとても左右されるので作るのが億劫なのですが、なんか「和チャン」「洋チャン」と言われると、新しいおもちゃを与えられた子供のような心境になってしまって、なんかワクワクしています。一人でワクワクするのもつまらないので、今週お教室で「チャンづくり実験」いたしましょうね!
教室の追加
ありがたいことに、教室への参加者希望者がかなり増えまして、『空き待ち』リストにのせて『空き』が出次第。。。。と思っていたのですが、なかなか『空き』が出ず、(私には嬉しいことですが。。)クラスを追加することにしました。新クラスは金曜日の18時半から21時半で行うことになりましたので、現在のクラスからこの時間に移動したい方は、お早めにお申し出くださいませ。新クラスは2月3日からスタートです。
bench work studyもあっという間に1年が過ぎ、皆さんが楽しそうに靴作りに励んでいるのを見て、私自身本当に楽しく、励みになっています。お教室に来てくださっている方々から学ぶことも多く、ありがたく思っています。どうも、ありがとう。人数も増え、やりたいことも増え、資材も増え、と増え増え状態なので、昨年から皆さんにも相談していた、ワークショップの移転を夏ごろを目処に実行に移す予定です。よろしく。
今年はとにかく仕事に打ち込みたい。山奥にでも籠もって靴作りだけをしていたい!と思うほどの『気』のようなものが新年早々まとわり付いていて、なんか良い調子です。去年より今年、昨日より今日、悔いの無い生き方をしていきたいです。さて、明日からお教室始まります。気合を入れてがんばろう~。
明けましておめでとうございます。
新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
早くも新年が明けました。昨年は時間的にも気持ち的にも余裕の無い一年でしたが、今年の抱負としましては、『余裕を持った生活』を心がけたいです。毎日の忙しさにかまけて、自分を甘やかしていました。感謝の気持ちを忘れてしまったり、失礼なことをしたりと、反省点が多かったので、もっとゆったりとかまえて生きたいです。
今日は一日家で友人から頂いた、『実践瞑想ヨガ』沖正弘 の本をごろごろしながら読んでいます。さすがに沖先生、彼の言葉から、生き方からは学ぶことが多い。筋の通った人間の言葉は力強く、説得力があり、心地よい。今年もがんばるぞ!と力が湧いてきました。
今年最後のお教室
昨日の24日は、教室内凄かった!今年最後のクラスだったので、フィニッシングに入っていた人達が、何が何でも「今日仕上げたい!」とがんばっていて、3人無事に作り終えました!(パチパチ パチパチ!)みんな、いつになく黙々と打ち込んでいたし。緊張感が珍しくありました。(笑)
汚れを極力避ける理由から靴にはカバーを付けて作っているので、出来上がるまでの間アッパーを数ヶ月見れなかったので、「え~こういうデザインだったんだ~」という新鮮な感じで、カバーを取る瞬間が一番ワクワクしますね。
2月に出産予定のNさんも大きなお腹でがんばっていて、無事仕上がったのでよかった~。子供が生まれても靴を作りたい!と話していて、お別れの時ちょっと涙目に。。。。子供の首がすわったら、お子様連れて参加してね!赤ちゃんは本当に好きです。も~赤ちゃん見ると目がとろけちゃう。私の妹も2月に出産予定なので、今から楽しみ!
それから、私がクリッキングやスカイビング用に愛用している「ティナ」のナイフを入荷しました!両刃で細くて使いやすいのでお勧めです。ご希望の方はお申し出ください。金曜日のお教室にこられている小島さんのご協力により、 1750円にて。(私がイギリスで手に入れた時より安い!なぜだ?)
それから、来年1月にイギリスに「工具」の注文をしますので、欲しい工具があれば1月中に教えてください。カタログはワークショップにおいてありますので、見たい方はどうぞ尋ねてくださいね。
では、very merry X'mas!!
ビスポークとは何ぞや?
今年も後わずかになりました。思い返すと本当に色々とあった年で、大変だったというよりは、よく考えさせられた年であったな~と。来年も引き続きやりたいことが山ほどあるので何とか実現していきたいです。今年、多くの人に”レディース・ビスポーク”を。。。といわれ続けてきまして、”レディース”は未開拓の分野でもありますし、イギリスでも2年ぐらい前にクレバリーが始めましたが、それ以前のビスポーク店でジョン・ロブ以外やっていなかったってこともあり、始めたいのですが、ヒールの高さ、レディース用の革のことなど考えると、なかなか手が付けられない状態です。来年はレディース・ビスポークの準備をしっかりやりたい。まずは、メンズをしっかり確立することが先なのですが。”魂”あげてがんばります。
私が日本に帰ってきて驚いたのは、『既製靴』と『ビスポーク』についての考え方が、本当に知られていない。以前このブログで『既製靴』の価格について書いたとき、反響を呼びましたが、これもそれも『ビスポークとは一体何ぞや?』ということが理解されていないからでしょう。今日はこの一年、本当によく聞かれた質問に答えましょう。
では『ビスポークとはなんぞや?』といいますと、一人のお客さんの為だけに職人が作る靴のこと。私の場合、一人のお客さんに丸々10日間の時間がかかります。(大体これが平均だと思います)これって、他ではありえないビジネスですよ。『既製靴』は8万円代の靴でも1足作るのに数時間です。しかも、木型はお客さんの足を原型にしていない。10日間!ですよ。どんなに古風な奥さんだって、夫の為に丸々10日間面倒を見るなんてないでしょ!(笑)その10日間以外に、木型屋さんにプラ型にしてもらう時間とか、インソールを乾かす時間とか色々かかりますが、仮縫いが一度で決まらない時は何度だって(無料で)やり直すので、下手すると、1足作るのに30日間かかることだってありえる。これだけ時間のかかるものに、粗末な材料なんて使えないから、最上の素材をそろえているし、『お客さんの為』のより良いフィッティングを考えて。。。。。ですから、『既製靴』と『ビスポーク』を比較してうんぬん言うこと自体おかしいと思うのです。まったくの、別物として考えないと。特に価格のこととなると。。。。もう言うのは止めましょう。(笑)
職人がしている仕事を考えると、『30万円の靴なんて高すぎる!』といえるのかどうか?『30万円』ってお金は高価です。それは、もちろん解ります。靴職人自体、自分の作った靴は高くて履けません。半人前の職人は先輩から「一人前になる前に自分の靴を作っておけ!一人前になったら、自分の靴なんて作れないから。」と必ず言われます。一人前になれるまでにも、本当に時間がかかるし、毎日会社に行って8時間働けば、良い靴職人になれるかって言えば、そうでもないし。イギリスでは木型職人、パタンナー&製甲、クリッカー、底付け職人が分業で、割り当てられた職種に合わなければ、違うところに回されますし。厳しい世界です。『靴職人は変人が多い』と自他共に認めるところですが、『変人』でなくてはやってらんない!世界であります。
『ビスポークとは何ぞや?』答えは 『最高の贅沢』とでも言っておきましょう。
師走
先週は毎晩、忘年会が続き(掛け持ちの日もあり!!)沢山の人に会い、じっくり話す時間が持てました。今月はやたらとテンションが高く、仕事もスムーズにリズミカルに出来て精神的に好調!飲んでいても、愚痴はでなかったわ!(笑)月曜日の靴職人仲間との忘年会から始まり、土曜日の10代の頃からの友人達との大笑いしっぱなしの忘年会まで、嫌な気分を一度も味わうことなく、はしゃぎ、飲み、喰い、の一週間。楽しかった~。この季節はいいですね。ロンドンではこの季節、飲んで騒いで、喧嘩で終わる。。。。っていうのが、靴職人の忘年会のお決まりでしたが(笑)
今日は職人仲間のY氏とランチをとったのですが、いつもY氏からは実りの多い話が聞けて面白いです。今日はまたまた面白い話が聞けました。彼は昔、照明デザインをしていたのですが、その時に先輩が「光っていうものは見るものでなくて”感じる”ものだ」と教えてくれたのがとても印象に残っている。という話。彼曰く、光だけでなく”物”も「美しい」「綺麗」「素敵!」などと”見て”思うのではなく、”感じる”のではないか、と。靴でうんちくをたれる人って結構多いですが、私は靴を見たときはやっぱり、ファースト・インスピレーションで、惹かれるか惹かれないかのどちらかですよ。結構、人に対してもそうです。一目見て魅力的だな~って思った人に10年ぶりに会ってまた一目で、やっぱり魅力的!ってのあります。これって、”感じ”てるのでしょうね。
ランチの後、霊能力を持っている方のお嬢さんを紹介していただき、(来年早々あたり、私の前世を見てもらえそうです!)色々とお話したのですが、私の目を見て「目力(めぢから)がすごくありますね。こういう目の方は運の強い人で、霊感ありません?何かきっとあるんでしょうね」と言われました。私の「目力」はよく人に言われるのですが、自分ではまったく解らないです。ナンなんだろう?人を威圧しているのかな?そんなこともないのだけれど。「霊感」はなさそうですが、しかし、「運が強い」って言うのはY氏にも今日言われましたが、自分でもそう思います。もう、今まで「運」だけで生きてきたような。。(笑)ま~苦労も自分なりに沢山してきたつもりですが、苦労は「不幸」でも「不運」でもありませんからね。苦労は「糧」ですよ。沢山したほうが良いと思ってます。私は情熱があふれると「破壊」に向かって突き進む傾向にありますが(笑)、粉々になったこともありませんし、好き勝手し放題なのに、痛い目にもあわずに好きなことできてます。「運」と周りの人間には本当に恵まれているな~と帰宅途中にしみじみ思いました。家族、友人、お世話になっている方々、生徒さん達、皆様に心から感謝いたします。話は戻りますが、私の前世なんだろう?Y氏には「君は職人向きの性格でもないのに、靴に情熱を燃やしているので、きっと貧しくて靴を買えなく、裸足で泣いてる女の子だったんだよ!」と。う~ん?
木型作り
今日は一日木型削りでした。木型は作れば作るほど好きになっていっています。問題もどんどん出てきて、削るたびに勉強になります。この数週間は精神的にも好調なので、なんか仕事がめちゃくちゃ楽しくて、忘年会も続いていて寝不足にも関わらず、意欲満々!
私は木型を作る時、まず初めに木型の原型になるソリッドと呼ばれる、甲切りや中折れなどの靴を抜きとる機能の何もないものを削ってから、木型屋さんに渡して、プラスティックの木型にコピーしてもらっているのですが、数週間ぶりに木型屋さんから戻ってきた木型を見ると、どうも気に入らない。毎度、気に入らない。(決して木型屋さんのせいでなく、自分の仕事にです)「ナンじゃ、こりゃ!」と数週間前の自分を怒りつつ、ドラフト(足の採寸を書き込んだ紙)と見合わせて、寸法を再度検討し、ラスプ(やすり)でガッガッガっとけずって形を作り直します。今日は、その作業。
木型は、足の寸法(立ったとき、座った時、絞った時)から、足の特徴を考え、木型として作るときの寸法を出します。この割り出し方法も、職人によってまったく違う。ある学校では、計算式のようなものに入れて緻密に計算して出したりしているようですが、私の場合は絞り具合で、硬系かスポンジ系かを見て、「ぎりぎりまで緩めよう!」か、「ぎゅーぎゅーに締めよう!」などと決めます。この時大切なのは「決める」事。「あ~どうしよう、緩めようかな?これじゃ、きついかな?」などと迷うと、造形としてなんかしっくりこない。やはり、迷いが形として出るのではないでしょうか。しかし、そうやって「決めて」おいて、ソリッド削って木型になって戻ってきて「ナンじゃ、こりゃ!」って!へこみます。。。。
ま~靴の形となるまでには、まだまだ道が長いので、修正するチャンスがあるのが救いですが、本当にうまくなりたい。と切実に思います。どうなったら、うまく出来るのかなんて、誰も教えてくれない。だって、誰もそんなこと知らないんだよ。自分でとことんやるしかない。
時々教室でも話しますが、私が最も尊敬している人物は「ブルース・リー」です。彼は俳優であり、武道家であり、哲学者なのですが、沢山の教訓や格言を残していて、へこんだ時には彼の本を読んでから寝るのですが、この1ヶ月毎日同じページを読んでから寝ています。その中から抜粋。
「熟練に到達することはありえない。あるのは、熟練に向かって進化し続ける道のりだけだ。熟練があるとしたら、そこには結末と停止が待っている。それでおしまいになるのだ。それは、棺桶のふたが閉められるときだ。歳をとれば、体を壊すこともあるかもしれないが、発見の道のりは毎日続いていく。毎日、自分自身をもっともっと知り続けていくことだ。」
「何かに打ち込むこと、絶対的に打ち込むことは、人を前進させる。人生は永遠に進化し、新しくなっていく道のりだから、終点や限界のない不屈の努力と実感のようなものだ。」
熱い!!!
工具について
前回の”こるてぃ”さんからのコメントで工具について書かれていますが、最近工具について質問を多く受けていてます。そのたびに個人的に色々と話していましたが、「工具」は本当に大事です。
私も試行錯誤の途上ですが、自分の作りたい形が日々変化するのに合わせて、工具も日々変化させたいと切実に思うのですが、工具の形を作るのは靴を作る以上に大変なこともあるので、じっくり時間をかけたいのですが、そうそう時間の余裕もなく、思い切った改良も出来ずに私自身ジレンマの只中。お互いがんばりましょう!(頼りないな~自分で言うのもなんだけれど。)
工具は買ってすぐの状態では未完成です。(工具屋さんのせいではないのです。)特にコバコテは自分で精密やすりを使って形を整えなくては、綺麗なエッジは生まれません。コテは軟質な素材で出来ているので、削る事自体は大変ではないのですが、ゆるく丸いカーブや微妙な角度は何度も試しながら、じっくりやっていかないと。。。。(これがやっかい!)それと、職人の色もその職人の工具によって出される部分も多いので「自分の物は自分で作る」ことをやっていかないと。。。。。靴が綺麗に出来なかった場合、工具のせいにしがちですが(私だけか?笑)、これもつまりは自分の腕のなさなのです。(痛!!)
初心者が工具を買った後、まずは精密やすりかサンドペーパーで、エッジの荒い部分をスムーズに整えます。ハンマーは、自分の顔が映るまで綺麗に磨く。角があるものは、そのままだと革を傷つけてしまうので、滑らかにする。面取りやすりも角が荒いとアッパーを傷つけてしまうので注意!ワニの先も荒いままだと、つり込みの時アッパーが切れてしまう原因になります。コクリ棒もサンドペーパーでエッジに丸みをつけないといけないし。まずは少しづつ工具をそろえつつ、自分の使いやすいようにどんどん改良をしていってください。基本は「荒い部分を滑らかに整える」から。コバゴテ等の角度の問題は実際に目の前で見せないと解らないと思いますので、購入後は相談に来てください。
イギリスでは、どの職人も靴作りについては事細かに私に教えてくれたけれども、「工具」作りとなるとみんな口が堅くなってしまうので、「うまさのコツはやはり工具か!!」と思ったこともありましたが(笑)、実際は(それもあるとも思うけれども)、作り手の「手」にあった工具を見つけない(作らないと)といけないなと。靴作りの初めは工具作りから。。。かな、本当の話。
基本的に靴用の工具は手の延長と考えられていて、自分の手と一体になるものです。技術の上達と共に、工具も進化したいものです。工具って魂が宿りそうだし。
実際、人の工具を借りるなんてのは、「失礼」なこと。「ナイフ貸して~」なんて言ったら叱られます。私が教室内で自分のナイフを生徒さんに時々貸すのは、「これが本当のナイフってもんだよ!」(怖い!)と教えたいからで、本当は自分のナイフを触られるのは良い気のしないものです。ナイフって「神聖」なもののような気がしませんか?自分の思いをナイフに託しているようで、大切にしている分思い入れが大きい。昨年、不覚にも一本失くし、かなり落ち込み何日も枕を涙で濡らしました。(思い出してまた今、涙腺緩んでます。。)
工具のライン一つとっても、そこに感性が入り込むと思います。日々美しいものを観、聴き、感じ、感性を高めてゆきたいものです。あ~、こんなことを書いていると自分がまだまだ、目指すところまで遠いことが感じられます。私はいつもハングリーの状態でいたいので、自分が吸収したことはなるべく人に伝え、いつでもスタートラインに立ち戻ろうとしているのだけれど、ハングリー精神だけでは、乗り越えられないことも多いです。12月に入って、今年も終わろうとしているのに、達成できていないことのなんと多いことか!
ロンドンでの学生時代、友人が「守破」という言葉を教えてくれた。守破の「守」って言うのは、師匠から習ったことを忠実に守り、自分のものにする。その後それを「破」(破壊)することによって、新たな自分のものを得る。ここで重要なのは、まず「守」をすることだ。「守」することをしないで、初めから「破」のみをしていては、驚きは与えても、感動は与えられない。また、自分自身いつまでたっても納得の行くものは作れないと思う。まーもっと深い意味があるんだろうけれど、私はいつの日か「守破」出来るのだろうか?まだまだ、「守」に徹する時間がかかりそうです。とことん、やり続けるしかないですね。
靴を綺麗に作るには パート6 インソール3
いや~、今日は教室をお休みさせていただいたおかげで、ブログに靴のことを書く余裕がやっと生まれました。お休みを頂いた後ろめたさも手伝って。。。(笑)
さ~インソールはもう少しで完了です。がんばっていきましょう!
溝堀りが終わったところからですね。溝をカットした後は、ガラスやきやすりで外側の溝を平らにして、後々その上に乗っかっていくウェルトが波打たないように整えます。
次に厚いインソールの場合は、踵の底のエッジを綺麗に整える為に私は踵のインソールを少々スカイビングして、つり込みした革とスティフナーの為に踵が厚くならないようにしています。ヒール部のエッジがシャープなほど、下に重ねるスプリット・リフトやヒールを整えるのが楽に綺麗にゆきます。
次に、インソールの内側の溝部に8mm間隔でボールペンでステッチ穴を開けるマークを書いていきます。爪先部は放射線状に。次にこのマークした部分にすくい針で穴を開けていきます。このとき穴を開けないで、つり込みをした後に、ウェルトとアッパーと一緒にインソールにも穴を開ける方もいますが、初心者には初めに穴を開けておくことをお勧めします。私は未だに、時間がその分かかりますが穴を開けてからつり込みしています。
だし針は外側の溝の丁度90度になった角から丁寧に出してゆきます。インソールが硬い場合は、ビーズ・ワックスか石鹸をだし針の先端につけて、すべりをよくすると開けやすいですよ。
インソール完了!あ!今タイプミスで、インソールが「インソウル」となった!すごい!「インソールは靴のイン ソウル(魂)」だよ、本当に。ここに心を込めないとね、前に進むの厳しいです。インソールが駄目な靴は、根っこの弱い木のようなもの。いくら葉っぱや花が綺麗でも、もろい木に違いありません。なんか、今日の私は冴えてるな(笑)やっぱり、仕事ばかりしてちゃ駄目ね。今週はまた友人達と夜遊びにくり出したので、活気が満ちてるわ。睡眠不足だけれど。。。