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「顧客のニーズに自分の感性をプラスして、足にぴったり合う靴を作りたい」。大分市の山村浩二さん(29)は、今では珍しい靴職人として起業した。 大分高専卒業後、市内の靴店でアルバイトをし、靴への興味を募らせた。二十一歳で単身、英国を訪問。王室御用達の老舗オーダー靴店などを見学し、刺激を受けた。帰国後もアルバイトで生計を立てながら、市内では数少ない靴職人、其田元久さん(79)=王子北町=の店へ七年余り通い、腕を磨いた。 元久さんと一緒に仕事をする長男の俊一さん(46)は「最初はあきらめさせようとしたが彼の粘りに負けた。朝まで働き、仮眠後に店に通って来る彼に、次第に夢を手助けしてあげたいと思うようになった」と振り返る。 山村さんは結婚後、高城新町の実家で修理業を始めた。〇五年十月にオーダーメードと修理の工房「e―job(イー・ジョブ)」を開業。年末に市内生石のマンションに移り、靴職人としての道を本格的に歩み始めた。 既製靴に押され、靴をあつらえる店の多くが姿を消す中、最近は百貨店の靴売り場に十万円を超える高級靴が並ぶなど、静かなブームもある。オーダーメードは東京など大都市で十五万円程度からが相場で、分業も進んでいるが、山村さんは七万円からと低めに設定。採寸から本縫いまで一人で全工程をこなす。 自宅の一室をサロンとし、顧客とコミュニケーションを取りながら、手入れのアドバイスなどをする山村さん。「もうからないが、靴が好きでたまらない。商売として成り立たせ、将来は店を持ちたい」と夢を語る。 独立した山村さんに、俊一さんは「長く続けるにはいい仕事をしなければならないが、彼ならできる」とエール。俊一さんの長男も〇六年春に高校を卒業し、元久さんに弟子入りすることになっており、「若い人たちが父の代の技術を伝えてほしい」と期待している。 「e―job」への問い合わせはTEL050・3444・2471へ。