「日雇い派遣禁止」の裏に隠された巧妙なからくり
経済アナリストの森永 卓郎氏が面白いコラムを掲載していました。
7月28日、厚生労働省「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」が派遣業務に関する報告書をまとめた。それによると、日雇い派遣と1カ月未満の短期派遣を、一部を除いて原則禁止するべきであるという。
早ければ今度の秋の臨時国会に労働者派遣法の改正案が提出される予定だ。
日雇い派遣禁止で発生する失業者をどう扱うのか
派遣労働法を巡る環境は大きく変化した
製造業への派遣を認めたことが格差拡大を招いた
同一労働、同一賃金の原則を守るべき
製造業務への派遣労働禁止をしないのは、派遣労働を大量に利用している大手製造業と、大きな利益を得ている大手派遣会社に、政府が配慮しているからではないか。
一方で、今回の規制対象になった日雇い派遣をしている派遣業者は、ほとんどが中小業者か新参者である。
そう考えると、今回の日雇い派遣禁止という話も、結局は大手業者の利権を守りつつ、世間の批判をかわすために出てきた措置ではないかと思えて仕方がないのである。
(SAFETY JAPAN http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/145/index.html )
今回の「労働者派遣法改正案」において、「日雇い派遣」の問題ばかりがクローズアップされるが、森永氏が唱えるように、労働者派遣事業のそもそもの在り方について、もう一度丁寧に見つめなおすべきではないのではないであろうか・・・
専門26業務は規制の対象からはずし、それ以外の自由化業務だけを規制の対象にするというのは、あまりにも乱暴すぎるのではないであろうか・・・
専門26業務であっても、「同一労働、同一賃金の原則」が守られていない派遣元・派遣先企業があることを見てみないふりをして、「日雇い派遣」だけを”鬼の首を取った”かのように騒ぎ立てること自体、茶番劇としか言いようがないのである。
そもそもは自分たちで規制緩和を推し進めた結果が、この理不尽な格差社会を産みだしたことに、何の反省もないこと自体が「国民のための政治」ではないことのあらわれである。
本気で「労働者派遣事業改革」を本気で推し進めるのであれば、専門26業務のガイドラインの見直しからやり直さねばならないであろう。
いま大手のホワイトカラー派遣会社が人材を供給している事務業務やコールセンター業務のほとんどが専門業務とは呼べないようなものばかりなのだから・・・
派遣法改正の最新情報は、http://hr-biz.jp/
経営者VS労働者
日雇い派遣禁止で悪影響も 経営側懸念、労働側は歓迎
労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の労働力需給制度部会が6日開かれ、労働者派遣法の改正について議論した。政府が目指す日雇い派遣の原則禁止について、労働者側は「当然の結論」と歓迎。一方、経営者側からは人手の確保ができるかどうかなど経営への悪影響や、雇用機会の減少を懸念する意見が相次いだ。
http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008080601000714.html
いよいよ経営者側と労働者側のしめぎあいが始まった。
しかし昨今のご時勢を考えると、経営者側の意見は通りにくいであろう・・・
そもそも廉価な労働力の担い手として、「日雇い派遣労働者」を劣悪な労働環境で酷使してきたツケが完全に回ってきているのである。
これからアルバイト・パートを直接雇用にて需給調整をみずから行っていかなければならない会社、および常用派遣にシフトしていく派遣会社は、優勝劣敗が明確となり、労働者から見捨てられる会社は淘汰されていくであろう。
労働者のことを真剣に考えてあげ、いかに戦力として活用していくかを本気で取り組む企業が「勝ち組」になっていくであろう!結局、粛々と真面目にやっていく会社が最後は評価されてしかるべきなのである。
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<臨時国会>9月召集強まる 自民執行部、公明主張に配慮
与党内で、新テロ対策特別措置法の延長問題などを巡る意見の隔たりが埋まらず、次期臨時国会の召集時期決定が迷走している。自民、公明両党の幹事長、政調会長、国対委員長が6日、東京都内のホテルで会談したが、結論を持ち越した。
ただ、公明党が同法の延長先送りを狙って9月下旬召集を主張していることに配慮し、当初の8月下旬召集が、9月にずれ込む可能性が強まっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080807-00000010-mai-pol
野党の足並みも揃ってはいないが、与党自民党・公明党の歩調もバラバラであるようである。
今冬の衆院解散選挙をにらんで各党の思惑が錯綜しているようである。
こんなことで国民のための政治ができるのであろうか?
臨時国会では、労働者派遣法改正(日雇い派遣禁止)や新テロ対策特別措置法など真摯に議論しなければいけない課題はきわめて多い。
選挙のためのパフォーマンスはもういらない。
議員みんなが自分の信念のもと、国民主体の政治を粛々と執り行っていってもらうことを切に願います。
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グッドウィルの利益構造は業界トップクラスって本当!?
派遣企業各社の平均年収を一挙公開 グッドウィルの利益構造は業界トップクラス
グッドウィル・グループ傘下の人材サービス会社、グッドウィルの廃業をきっかけに、非正規雇用やワーキングプア問題への関心がさらに高まり、労働者派遣法改正に向けた動きも活発化。とくに「日雇い派遣」は原則禁止、派遣料金から差し引く手数料(マージン)の開示も義務化の方向だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080806-00000000-sh_mon-bus_all
この記事の意図するものは一体何なのだろうか・・・
グッドウイルやフルキャストといった日雇い派遣会社はマージン率が高く、中間搾取しすぎていると言っているようにしか思えない内容である。
データだけを見たら確かにそうであるが、本当にそう言い切れるのであろうか?
いまさらグッドウイルやフルキャストを擁護するつもりはないが、そもそものビジネスモデルの違いによって「原価率」が大きく違ってきて当たり前のはずである。
私はグッドウイル・フルキャストといった「日雇い派遣」を主体とする派遣会社群を「ブルーカラー系派遣会社」、パソナ・テンプスタッフなど「事務系の常用派遣」を主体とする派遣会社群を「ホワイトカラー系派遣会社」と、ビジネスモデル自体の定義を明確に区分けしている。
「原価率」に注目することもさることながら、併せて着目すべきは「販売管理費比率」である。
オフィスの賃料や内勤社員・アルバイトの人件費、そして募集経費などが主たるものであるが、この「販売管理費比率」がグッドウイル・フルキャストはパソナ・テンプスタッフに比べると相当に高い数値なはずである。
したがって最終的な「営業利益率」はそこまで変わらず、「ブルーカラー系派遣会社はぼろ儲け!」というのは、ひと昔前の話なのである。
しかも中小の派遣会社のなかには「まともに社会保険に加入させていたのでは、会社がつぶれてしまう」というのが本音であり、これを機に廃業しようと真剣に考えている会社も少なからずあるはずである。
今秋の臨時国会において、「日雇い派遣」が禁止となった場合、「ブルーカラー系派遣会社」はビジネスモデルの転換を余儀なくされ、新たな業界再編の動きがうまれてくるであろう。
これからの人材ビジネスのキーワードは、「労働者保護」となることは間違いなく、この課題に真摯に取り組むソリューションを提供しようとする会社が生き残っていくであろう・・・
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「日雇い紹介システム」
厚生労働省は2日、インターネットを通じて労働者に短期の仕事を紹介する「日雇い紹介システム」を構築する方針を明らかにした。
(Yahooニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080803-00000908-san-pol )
秋の臨時国会での「日雇い派遣」原則禁止をまえに、代替需給調整機能として「日雇い紹介システム」の構築を厚生労働省は考えているようである。
しかしこの「日雇い紹介システム」がうまく機能するかどうかは、甚だ疑問である。
なぜならば、「日雇い派遣」がこれまでに拡大した経緯には、人材と業務をマッチングする需給調整機能はもちろんのこと、「働いた給与をすぐにもらえる」という利便性のほうが大きいのである。
「日雇い派遣」にて労働者が働く理由としては・・・
1.自分の都合で働きたいときに働ける 2.すぐお金がもらえる
したがって、「日雇い紹介システム」を構築したところで、上記2の課題が解決しなければ、労働者はこれまでのように確保することはできないのである。
今後は企業がみずからアルバイトを直接雇用管理しなければいけなくなることを考えると、「速払い」や「前給」・「SoッCa」といった「給与日払いシステム」を導入する企業が増えていくのではないであろうか・・・
なお「日雇い紹介システム」の構築にあたっては、すでにサービスを開始している厚生労働省による官民統合仕事検索サイト「しごと情報ネット」を改良し、運用する予定である。 http://www.job-net.jp/
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