先日、イチロー選手が引退会見で外国人としての苦悩を語られていたようです。プロ野球選手という一人一人が注目されるプレッシャーの中、想像を絶するような苦労が多々あったのでしょう。私は注目されるような存在ではなく、一大学院生としてのフランスの生活でしたが、それでも外国人としてメリットやデメリットは様々に感じました。
一番のメリットは日本人である私に皆が興味を持ってくれたことです。多くのフランス人は日本人が想像する以上に日本や日本人について知りません。特に私が通った大学院の大学職員やクラスメイト、インターン先の仲間にとって、日本とは遠い国と言った感じで、全てが興味の対象といった感じでした。そのおかげで、フランス人通しで接するよりももっと深いことを伺えるチャンスが多々ありました。
私はインターン・研究フィールド先をメーカー工場の社員食堂としました。この社員食堂は、予防栄養学・健康科学において、フランス国内で少し特殊で、とても重要な役割を担っています。この話はいずれ書きたいと思います。
このメーカー工場で働く従業員は2万人程度だったと思います。彼らの胃袋を支える社員食堂は・・・あまりの規模の大きさにびっくりしました。そして、利用者を飽きさせない工夫にも目を見張るものがありました。
ここで予防栄養学のプロジェクトを動かしました。プロジェクトは順調に始まったのですが、ここで、私の中にはある疑問がふつふつと湧いてきてきました。
そして、タコ焼屋は疑問に対する1つの解決案として思い立ったのです。
タコ焼屋の目的とは・・・
「未知の物(タコ焼き)の提案に対して人々がどう反応するかを見たかった。」
そんな理由でした。フランス人の皆さま、びっくりさせてごめんなさい。
慣れ親しんだ環境下において、予備知識のある情報を提供してしまうと、私にとっても予想内の反応しかかえってきません。
予防栄養学には、時には先入観がない方が良いのです。
「これが健康に良いですよ」「あれを食べましょう」と一生懸命訴えたとしても、こちらの意図するように伝わるか、相手がどう受け止めるか、本音の所はわからない。その訴えが役に立つかもわからない。上辺だけの情報提供になってしまうかもしれない。
それなら、相手が全く知らない食べ物を提案して、色々な説明をして、それに対する純粋な反応を見てみたかったのです。未知のものに対する未知の反応。相手がどんな所に興味を示すのか、何の先入観もなしに調査できます。興味深いですし、予防栄養学の未来のプロジェクトを考える上でも何らかの意味があるかなと思いました。
お寿司は既に周知されたものなので、もっと変わったものが良かったのです。和食にこだわっていたわけでもありません。偶然の機会が重なって、「タコ焼き」に決めました。
私はフランスのリヨンという町にあるリュミエール・リヨン第二大学の大学院に在籍していましたが、クロード・ベルナール・リヨン第一大学に跨る大学院生活を送っていました。ここで私は管理栄養士として、健康指導学・健康促進学の研究をしていました。
<これまでのフランス大学院留学記>
インターンや課外活動↓
管理栄養士がフランスでタコ焼き屋をオープンしてみた
https://ameblo.jp/basejo/entry-12484851067.html
捜索願から始まったフランス留学中のインターン
https://ameblo.jp/basejo/entry-12483902909.html
寿司屋でのアルバイトのこと↓
日本人の大学院生フランス寿司職人デビューその2「ごめんねの食卓」中
https://ameblo.jp/basejo/entry-12480204665.html
日本人の大学院生フランス寿司職人デビューその2「ごめんねの食卓」上
https://ameblo.jp/basejo/entry-12475887764.html
日本人の大学院生が修行ゼロ日でフランスの寿司職人になりました
https://ameblo.jp/basejo/entry-12471726204.html
大学院でのこと↓
フランスの栄養指導は大変です
https://ameblo.jp/basejo/entry-12465432745.html
リヨンの大学院で学んだ課目 親友マリーのこと
https://ameblo.jp/basejo/entry-12464390351.html
留学先は「食の都」&「予防医学の都」リヨン
https://ameblo.jp/basejo/entry-12463140695.html
フランス大学院留学記 私の母校
https://ameblo.jp/basejo/entry-12463904306.html
