フランス大学院留学記 私の母校 | 甲状腺と予防栄養学の管理栄養士Acco MUKAWAの「栄養カルテ」

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バセドウ病・橋本病のダイエットと体質改善のための食事療法

先日、ブログを読んで下さっているcookchemさんから「海外留学の話も取り上げてみては?」とアイディアを頂きました。ありがとうございます。

 

あくまでもbasejoのブログはバセドウ病や橋本病の治療を受けている皆とのブログと考えています。甲状腺疾患や不調について、そのための食事や栄養について、皆にとってわかりやすい情報を共有することが目的です。ですので、ちょっと脱線な部分もありますが、私がどんな考えでこのブログを発信しているのか、伝えるきっかけにもなるかなと思いました。そんなわけで、時々、留学時代の話も取り上げていきたいと思います。

 

「フランス留学」というと、何となく華やかな印象もあるかもしれません。私の留学は残念ながら華やかなものではなく、もっと生々しいものです。ちょっと特殊な留学記ですが、いつかどこかで誰かの情報源にもなれたら嬉しいです。

クロード・ベルナール・リヨン第1大学,リュミエール・リヨン第2大学大学院留学記 写真はイメージ photo kaboompics

私の母校であるフランスの大学院は2つあります。

 

ひとつは

クロード・ベルナール・リヨン第一大学

 

もうひとつは

リュミエール・リヨン第二大学


なぜ2つかというと、この2つの大学の大学院に跨った大学院生活を送っていたからです。各人が登録する大学によって、専門領域名が異なる、授業はすべて共通で一緒に受ける、というものでした。フランスでも珍しいケースですが、日本にもこういった大学院はあるのでしょうか?

 

登録する大学をリヨン1にするかリヨン2にするかは、各人のバックグランドや研究テーマによって異なります。リヨン第一大学は医学や理学系の大学なので、研究テーマは予防医学や公衆衛生などです。リヨン第二大学は社会科学や人文科学系の大学なので、研究テーマはもう少し幅広かったです。クラスメイトはフランス人とマリ人(マリは旧フランス領の国です)でした。ここに登録した日本人は私一人でした。

 

私が修了した大学院は後者のリュミエール・リヨン第二大学の大学院です。私の研究テーマは健康科学と予防栄養学、食行動学に設定していました。

 

授業はすべてクロード・ベルナール・リヨン第一大学で行われました。クラスメートは入学当初は20名、卒業時は5名程にまで減っていました。クラスメートは、社会人入学組は内科医、歯科医、看護婦長が数名ずつと、ソーシャルワーカー、マスター1から上がってきた学生には生化学系、社会心理学系、教育科学系の出身者がいました。栄養学を専門にしているのは私一人でした。

 

大学院修士課程はEU共通のmaster1,master2の2年間です。私は一般入試で運よくmaster2に入ることができました。一般入試は論文と面接のみ、論文の内容は研究計画です。語学のレベル証明を提出したかは覚えていませんが、予めDALFというフランス語の試験を受けておきました。

 

もし病院や大学院等に所属している方なら、所属先の推薦状があれば入学許可について何らかの優遇があると思いますので、社会人入試での受験をお勧めします。大学院は入学してからが本番なので、一般入試でエネルギーを使ってしまうのはもったいないです。

 

大学院生活は大変でしたが、とても充実した時間でした。小人数、それぞれが異なるバックグランドなので、授業は濃密だったものの、授業が終わればさーっと解散、という感じで、残念ながら友人はほとんどできませんでした。仲良くなっても、いつの間にか大学院から去ってしまった方もいました。

 

この時に仲良くなった友人の一人とはずっと連絡を取り合っています。彼女は実家が特別養護老人ホームで、アルツハイマーのリハビリ研究をしています。

 

彼女と出会ったおかげで私は大学院を修了できたといっても過言ではありません。というと、すごく助けてくれたんだね?と思うかもしれませんが、その真逆です。彼女の善意なスパルタ精神に助けられたのです。

 

長くなったのでまた今度。