迎え火
-Light my fire-
....もしかして...
彼女は、はた、と気づき
頁を繰る。
それは、姉の誕生日の日記だった。
今年も雨でした。
お姉ちゃんの誕生日、いつも雨なの。
雨は空の涙、って言うけれど
お姉ちゃんの涙かしら?
そこにも、やはり、姉の文字が。
...ありがとう。ずっと、憶えていてくれて。
嬉しくて。
幻のように、日記に文字が広がっている。
...こんなことって!。
起こるはずがないのに。そう思う。でも、本当だ。
夢でも見ているのだろうか、と彼女は思った。
でも、そうじゃない。
次の頁をめくる。
たんぽぽ
ふわ ふわ わたげ....
どこまで飛んでいくんだろう。
逢いたい人のところまで、飛んでいきたいな....。
姉は、こう応えた。
勇気を出して、翔んでごらん?
風は、あなたに味方する。きっと。
......!?
もし、この日、お姉ちゃんがこう書いてくれてたら
私、本当に翔べていたかもしれない....。
彼女はそう思った。
現実には、飛ぶことなどできずに
今でも、この時のままの気持ちでいるのだった......。
なにげなく、次の頁を繰ると、そこには、
書いた覚えのない、彼女自身の筆跡があった。
お姉ちゃん、ありがとう。私、翔べたの!。
....?!
彼女は、訳が分からなくなった。
夢を見ているのだろう、と思った。
自分は、たんぽぽのわたげ、に思いを託したけれど
飛べてはいない筈、なのに....。
そこには、また、姉のメッセージが記されていた。
おめでとう。よかったね。
ずっと、ずっと、しあわせにね。
私はもう、あなたのようには生きられないから。
私の分まで、しあわせに.....。
彼女は、今、何が起きているのか分からなくなった。
私が?幸せ?あの人?.....。
次の頁をめくる。白紙だ。
記憶では、思いを遂げる事ができずに
辛い心持ちで、綴られた頁が幾重にも有ったはずだ。
でも、すべて白紙になっていた。
......こんなこと.....?って。
あたりを見回す。
気付かなかったが、今日はもう、送り火の日付けになっていた。
部屋の中にも、見慣れない物が増えていた。
また、
有ったはずのものが無くなっていたりしている。
それらは全て、日記に記されていた「物」だった。
日記を、ぱらぱらと繰ってみる。
ずっと、白紙。
......!。
気配を感じ、振り向くと。
「お姉ちゃん......!。」
いつもは気配だけなのに。まるで、生きているかのようにはっきりと。
姉は、美しく成長した姿でそこに立っていた。
「お姉ちゃん、生きてたの?」
あり得ない事だが、そう叫ばざるを得なかった。
姉は、ゆっくりかぶりを振る。
「あなたが、忘れないでいてくれたから。私は、いつも、ここにいるわ。
いつだって、あなたの心の中に....。私は、あなた。あなたは、私。
これからは、すてきな思い出を日記にしてね。」
姉は、すっ、と、自分にもたれかかるように.....消える。
なんとなく、姉とひとつになれたような気がして
彼女は、心強く思えた。
ふと、机上のカレンダーを見る。
今日は、送り火。
次の週には....記憶にないが....約束の日が記されていた。
こんなことって、あるんだな....。
不思議な気持ちで、彼女は、送り火を焚いた.....。
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花
蝶や蜂は来ません。でも花は咲いています。
花、君は何を思うや。
どことなく、報われぬ思いを秘めて
健気に愛を捧げる君、のような
文学的な連想をしてしまいます。
旅は浪漫ですね。
スノゥ・フレイク 4
とても心細いきもちでながめていました。
でも、スノゥ・ウィに出逢えて
雪の原は、とてもさわやかなフィールドと
思えるようになりました。
...一緒、っていいな。
にこにこしながら、雪の原を見ていたら
遠くから、ちいさな足音が近づいてきました。
さく、さく、さくさく。
....あら?
あしおとは、ゆきうさぎさんでした。
丘のむこうに、まっしろなゆきうさぎさんの
おみみが、みえかくれ....
....konnnichi...wa?
スノゥ・フレィクは、こころの中で呼びかけました。
ながい、ゆきうさぎさんのおミミは
ぴょこ、と
スノゥ・フレイクの方へと、おミミをそばだてています。
...gokigen_ikaga?
スノゥ・フレィクは、よびかけました。
こころの中で。
ながい、ゆきうさぎさんのおミミは
丘のむこうから、見えかくれしながら
スノゥ・フレィクの方へと、近づいてきます。
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スノゥ・フレイク 3
めざめた時に、そばにいた
ふわふわの雪雲さんは、北風にのって
遠くの空へと、ゆっくり、ゆっくり。
.....あ.....
スノゥ・フレィクは、とっってもさびしくなりました。
ふるさとから遠く離れてしまって
もう、もどることはできない...
そんな気持ちに似ていたかもしれません。
さっきまで、軽やかに空を駆けていても
今は、ただ遠ざかる雪雲さんを見送るだけ...
もどかしくて。
スノゥ・フレイクは、涙ぐみました。
さびしくて。
ひとりぼっちでわたし、どうしたらいいの?
「あの....」
やわらかな声がして、スノゥ・フレイクは
あわてて顔を拭いました。
誰もいないと思っていたのですから。
「は、はい....」スノゥは、とりあえずそれだけ。
声の主は、静かな瞳で微笑みながら
慈しむように、スノゥ・フレイクを見ています。
「ごめんなさい、驚かせちゃって。
僕は、スノゥ・ウィ、君より少し前にここに降りてきたんだ。」
スノゥ・フレイクは、なんだかほっとしたのか
やわらかく笑顔をみせながら、でも涙が頬を
伝いました。
スノゥ・ウィは、ちょっとあわてて。
「ご、ごめんね。だいじょうぶ?どこか痛くしたの?」
スノゥ・フレイクは、いいえ、と
かぶりを振りながら笑顔で、でも涙はとまりません。
とってもうれしかったのです。
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スノゥ・フレイク 2
スノゥ・フレイクは、舞い降りていきます。
小川のそばの、高ーい木を飛び越えて
まきばのあたり、今は雪の原で誰ーれもいない
草原に、ふわりと舞い降ります。
雲の切れ間から、おひさまが顔をのぞかせると
スノゥ・フレイクは、きらきらと輝きながら、思います。
....いいな、なんだか。
幾何学的な雪の模様は
おひさまに照らされて
まるく、柔らかな
雪のたまのようになりました。
スノゥ・フレイク
きらきらと輝く、幾何学的な模様のからだは
まっしろに透けて、お日さまの光をあび
いま、ひらひらと雪雲のなかから
揺れながら、舞い降りて行こうとしているところです。
......さわやか、ね。
凛々しい思いで、まっしろな大地を見下ろしました。
とおくとおく、どこまでも続く草原も丘も
遙かに輝く白い峰も。
みんな、みんなsnowflakeを歓迎しています。
ようこそ。
いらっしゃい。
おはよう。
丘の上の樅の木や、小川のせせらぎ、
エルムの並木たちも、みんなみんな
snowflakeに、ごあいさつ。
.....はじめまして。わたし、snowflake です。
スノゥは、晴れがましいような
ちょっぴり恥ずかしいようなきもちで
雪の野原へ舞い降りていきます....
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花ぬすびとは罪ならず
こんなお話を贈りました。
はい。
きっと、罪を忘れてしまうほどかわいいお花だったのでしょう…
と、考えると
お話が作れそう。
…返してらっしゃい、と
お母さんに叱られて
かわいい少年は、泣きました。
…僕は、お母さんの喜ぶ顔が見たかったの。
そう言えず、ただ叱る
お母さんに
ただ、うなだれて
いるだけでした。
鉢植えのおうちに
お花を返しに行くと
垣根の向こうから、
お花にお水をあげていた
優しいお姉さんは…
「よかった。お花が無事で」
少年は、うつむきながら
ごめんなさい、と…
ちいさな声で、そう言いました。
そして、なぜだか
お母さんには言えない、
その訳を、話します。
お姉さんは、優しく微笑みながら
「…いいのよ、花ぬすびとはつみならず、って言うのよ」
優しいお姉さんは、少年の涙をガーゼのハンカチでふきながら
…そのお花、あげたのよ、坊やに。
少年は、訳がわかりません。
でも、お姉さんの優しさにまた、涙があふれ…
「あらあら、泣かないで」
お姉さんは、少年の頭をなでながら…
☆
お母さんは、お姉さんのお話を聞きながら
坊やの気持ちにきづかなかっかた事を恥じました。
ごめんね。と…ちいさな声で坊やに言うと
坊やは、お母さんの胸で泣きました。
お母さんは、お姉さんに
…お気遣いありがとうございます。
そう、言いました。
☆
それから…
少年は、一生懸命
花を育てました。
庭いっぱい、その花を
咲かせました。
花は、お庭のある丘いっぱいにひろがって…
お花の丘、と
今では呼ばれている…
と言うことです。
少年は、今では
すっかり、おじいちゃんに
なって…
ちいさな子を、お花畑で
あそばせたりして…
今でも、その、遠い日の事を
懐かしく思い出します。
そして、時々
お花畑の花を、鉢植えにして
その思い出を綴った絵本と一緒に
垣根のとこに、おいておきます。
…すてきな思い出、さしあげます。
そう、記して。
ーおしまい。
燃費とスロットル戻し
電子スロットルの車ではできませんが、機械式スロットルの車では
アクセルコントロールで結構燃費を稼げます。
と、言うのは
アクセルを踏んだ瞬間の燃料は、大抵直ぐには燃えずに
バルブやマニホールドに溜まって、それから蒸発するからです。
特に低速では顕著な為、発進加速でアクセルをグイ、と踏むなら
ワンテンポ遅らせてスロットルを少し戻してやる。
エンジンの挙動に注意してみると、この域では
多少戻しても加速に違いは出ない、と言う事がよく判ると思います。
もちろん、最初からじんわり開けていけば、この現象は起こりませんが
大抵の運転手は無頓着にグイ、とアクセルを踏むので
そのペースに合わせて走るのはムリです。
個人的には、ムリに合わせなければ燃費が5%も違うなら
合わせなくてもいい、と思ったりするのです。
もっとも、最近の車は急に発進するように設定されています
(試乗の時に力強く見せる演出です)。
なので、それはメーカーが悪いとも言えますが.....。
フリクション・ロスと回転
回転を上げると、このフリクションロスがとても増えますから
それに拮抗するくらい、爆発力が必要になります。
つまり、フリクションロス分、余計に燃料が必要になるので
低回転を保った方が、良燃費になる訳です。
ところが、低回転で大トルクを出そうとすると、お金が掛かります。
また、レース・マニアみたいな評論家や、暴走族みたいなユーザーには評価が得難い。
それで、低速型トルクエンジンは企画されにくい、と云う訳ですね。
でも、逆転の発想で
回転が上がらなくても、大トルクでぐいぐい加速すれば、それはいいのですが
ガソリンエンジンでは、いままでそういう発想でパワーを出してこなかったので
どこのメーカーも作らないんでしょうね。
あれば、燃費の良いエンジンになるのですが.....
燃費ゲーム
雑誌「自動車工学」連載で有名な燃費和尚さんがお考えになった
燃費ゲーム。
新車時のカタログ・データとどのくらい差が有るか、で
勝負すると言うゲームです。
なるほど、これだとどのクルマでも公平に競技ができますね。
燃費値は国交省届け出数値ですから、一応信頼するとして....
ウチのかろーら、AE91型は16.4km/Lですから
大体達成されてます。時には、それを越えるデータも出てますから
ほぼ満足、と言ったところ。
今回の燃費は、16.3KM/Lでほぼ満点。
メーター読みですから、実走行で補正するとおそらく17KM/Lくらいの筈です
(地図で見るとそのくらい)。
なかなか、大したものです。