東京都知事選が終わった。
小池氏の勝利は予想通りだったが、蓮舫氏がここまでボロ負けしたのは予想外。
理由については、いろいろと言われているが、結局のところ生理的に嫌われている、ということなのだろう。
予想外に躍進したのは、石丸伸二氏。
僕もSNSでその演説を観て興味を持った。
分かりやすいモノ言い、切り込んでいく鋭さ、そして熱量。
痛快だった。
しかし、都知事選後のマスメディアへの対応には疑問を持った。
「パワハラ上司みたい」「マスコミ返り討ち」「公開○刑」などと
賛否両論があるが、もう少し〝大らかさがあってもいいのでは”と思ったのは僕だけだろうか。
質問をするマスコミの人間も、確かにパッとしない質問をしていた。
「石丸さんが言う政治屋とは、どう違うのか？」という面倒で上げ足を取るような質問。
「風が吹いたと思いますか」という、どうでもいいつまらない質問。
そうした質問に対して、石丸氏は挑発的に詰問。
「定義は？」「何を差してます？」「愚問ですね」「勉強してくださいよ」「すでに応えてますよね？」など。
「メディア戦略」として、あえてやっているなら、分からなくはない。
しかし、そうでないとしたら、ただの「面倒くさい奴」なんじゃないか。
元エリート銀行員と言われているが、ニューヨークは銀行本体の出向ではなく、
子会社での出向だと、ラインから外れてた？とか、どうでもいいことを思ってしまう。
現代のメディア環境では、情報が氾濫し、人々の関心を引くことが難しい。
挑発的な発言は、注目を集め、ニュースの見出し飾る手段として効果的だ。
これにより、短期間で認知度を獲得することができる。
また、挑発的な態度は、強い感情を持つ特定の層に強く訴えかけることができる。
熱心な支持者を動員し、選挙活動での勢力を強化するためには有効だ。
多くの人は、既存の政治システムや政治家に不満を抱いている。
挑発的な政治家は、この不満を代弁し、変革を訴えることで支持を得ることができる。
しかし、大成する政治家は、こうした姿勢とは異なっていたように思う。
優れた政治家は、他者と協力し、妥協点を見つける能力に優れている。
異なる意見や利益を持つ人々と、いかに上手く合意するか。
そのためには、少なくとも嫌われないこと。
意見が違ったり、利害が対立したりしても、人として嫌われないことは大切だ。
田中、大平、中曽根、竹下、小泉、安倍、、政治家としての評価はともかく
他者と上手くやる感じだったように思う。
石丸氏を見ていて、橋下徹を思い出した。
橋本氏の失敗は、挑発的なスタイルの限界があったように思う。
メディアに対して挑発的な姿勢を取り続け、多くの注目を集めたが、
同時に多くの敵を作る結果にもなった。
このスタイルは短期的には効果的だったが、長期的な信頼関係を築けなかった。
欠けていたのは、大らかさ、協調性、長期的視野、だったのではないか。
大らかなリーダーは、対立を乗り越え、人々を結びつける力を持っている。
彼がこの資質を取り入れ、対話と協調から信頼関係を築ければ、より広範で長期的な支持を得られる。
若い石丸氏が、政治家として大成することを期待しよう。
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