フェスタinビニール!

ビニールハウスでフェスがありました。

 

 

練馬区大泉学園の白石農園さんといえば、

東京×農業(都市×農業)で知らない人はいない先駆的な体験農園の実践者で、

風のがっこうなどの活動であらゆる賞も受賞されています。

 

 

昨日の東京は好天に恵まれたこともあり、ハウスの温度計は27度!

初冬のビニールハウスがこんなに温かいとはびっくりしました。

 

 

誘ってくれたぐっさんはTシャツ1枚になり、

 

 

梅津和時さんという有名なサックス奏者のバンドや、

知久寿焼さんの歌でノリノリになったりしんみりしたりしました。

 

 

途中ライブのお休みタイムがあって、

畑へ出てにんじん掘りをしました。

 

 

「100円で1人2本です。

どれが大きいか自分で株元を見て選んでください」

というゲーム感覚の収穫体験で、

わたしも真剣に選んで、まあまあの大きさのにんじんを手に入れることができましたー!

 

 

自分で株元を見てその地下に埋まっている大根の大きさを想像しながら掘る。

わりに大きいのが当たるととっても、嬉しい!

勝負に勝ったような喜び!

 

にんじん2本で100円で、

そのほか販売していた野菜はブロッコリー200円、

パクチーは3束200円でした。

スーパーよりはもちろん安いけれど、

感動ポイントは安さではありません。


 

買ったパクチーをポテサラとともにつまんでワイン〜

 

 

フェスタinビニール

ネギを吹く人。So Fresh…サイコーー。

思わず、野菜入れエコバッグを買いました。

 

 

フェスの最中も、ハウス内のパクチー畑で収穫作業をする白石さん。

詰んだパクチーを「とれたて野菜」の販売コーナーで販売。

ほんとうのとれたてです!

 

 

ライブでは知久さんの歌と声があまりにも心に染みて

わたしはビールとワイン飲んだせいかじ〜んと来ました。

「電車かもしれない」

「セシウムと少女」

 

 

最後に白石さんが出てきて1曲歌った。

 

 

 

会場となったハウスは昨日まで小松菜がなっていたそうである。

その真ん中だけを一掃して会場にして、

野菜の出荷ケースをひっくり返してイスにして、

両端にはまだパクチーと小松菜がなっていて、

野菜の呼吸のある中でのフェスでした。

 

 

 

わたしの友達にも農家、生産者はたくさんいるけれど、

自家の「収穫祭」を自分の畑やハウスでできている人はどれだけいるだろうか。

自分のハウスで収穫祭をやれるなんて、白石さんは幸せな農家である。

と同時に、その実現までに一体どれだけ闘ってきたことだろう。

 

都市近郊で農業を続けると土ぼこりだとか、臭いだとか、近隣から言われることも多い。

白石農園のある練馬区大泉町は、西武池袋線の立派な住宅街である。

このフェスも実は数年前、騒音や大勢の人で警察を呼ばれ、翌年は開催を見送ったこともあったそうだ。

 

 

そういうことをわかっている仲間が集まって、

最後に白石さんが出てきて1曲歌った。

風のなんとかというオリジナルの歌のようだった。

サックスの梅津さんは、このフェスの校歌みたいなものだと言っていた。

 

 

16時半、日暮れとともに終演です

帰り支度をしてハウスの表に出たら、

 

 

さっきまでステージ側で歌っていた白石さんが、もう販売コーナーにいて、

その動きの速さにびくりしました。

オータムポエム100円とブロッコリー200円を買いました。

 

 

明日から「ジャパンハーヴェスト」なるイベントが(ハーヴェスト=収穫)

国をあげて東京駅丸の内周辺ではじまり、いろんなブースが出店する。

 

都市に農産物をもってくることは必要なことではあるけれど、

これからこの国の農業として売るべきなのは、農産「物」だけではないだろう。

収穫祭とは本来、農家のもとに親しい仲間が集まって、

好きな楽器を奏でたり歌い踊り、酒やごちそうで祝い合う、

その土地や気候や家族、仲間たちへ感謝祭だったのではないか。

 

あちこちで地域の祭りが消えてゆく。

畑の、その土地の民によるその土地のための祭りには意味がある。

だから人を引きつけるのだ。

日本じゅうの世界じゅうのあちこちの収穫祭。

誘ってくれたぐっさん、ありがとう〜♡

 

 

琉球新報「はいたいコラム」第29回 16/11/20に書きました。

ビニールハウスでJAZZフェス

〜音楽も人も小松菜も生き生き

 ビニールハウスのフェスに行ってきました。

全国にいろんな野外音楽フェス(フェスティバル)はありますが、このフェスは畑のど真ん中!東京都練馬区で300年以上続く白石農園さんのビニールハウスが会場です。

100人は入れる大きなハウスで、野菜のコンテナを逆さにしたイスやベンチに座って、

農園コロッケや豚汁など手作り料理を味わいながら音楽を楽しみます。

 サックス奏者の梅津和時さんや、知久寿焼さんといった一流アーティストによる演奏も、

小春日和のハウスの中ではほのぼのとして、子ども達は泥んこ遊び、大人達はビールを飲んだり、畑でにんじん掘りをしたり、まるでむら祭りです。

 じつは農園の白石好孝さん、宅地化が進んでいた都市近郊で農業を続けていくために、

「これからの時代、野菜を売るより野菜づくりのノウハウを売る方がおもしろい」と考え、

1997年から「体験農園」を主宰し、実践されてきた都市型体験農園の第一人者です。

 行政や農協ではなく、農家が自分の農地を体験農園にするには、農地法などの問題がありましたが、仲間と何年も勉強会を開いて仕組みを確立し、今、練馬区では17ヶ所に広がり、他の地域にも展開しています。

 白石農園では現在、134区画に年間3万8千円の利用料で野菜づくりを楽しむ人達がいます。収入以外に得た思わぬ宝物とは、「農」の体験を求める都市住民が多いこと、

農には癒しや感動があること、そして体験から農への理解が生まれると学んだことだそうです。

畑を解放することで理解者が集まったのです。

 ライブの締めくくりは白石さんの歌でした。

畑に家族や友人知人、地域の人を招き、収穫を喜び合い、祝い合う、

これぞ「収穫祭」です。

自分の畑で収穫祭ができるとは、なんて幸せなんでしょう。

昔ながらの祭りが消えていく一方、こんなにあちこちでフェスが流行っているのは、

人々が「祭り」というハレの場を求めている証拠です。

誰だって時々は野外で無礼講になる息抜きが必要です。

働き方が問題になっている時代、都会にこそ、土に触れ、植物のにおいや自然の風を感じ、

飲んで歌ってお祭り騒ぎできる心の解放の場としての「農」の役割を感じました。

2016/11/20 琉球新報「はいたいコラム」

 

 

ベジアナ@あゆみ