櫻井画伯から招待券を頂いた

新国立美術館「土日会」


櫻井画伯は、私の大学の先輩からの紹介。

ノーベル賞の大村智先生とも

懇意にされていて、

授賞式にも一緒に行った仲。

画伯の個展会場で大村先生に

お目にかかったこともあった。


ビビットな色使いで


この会は、個性的な絵が多い。

今更上手いだけの絵に

心を動かされることはないが、

ここの絵は違った。

気になる作品をいくつかパチリ


マスキングテープを使っているのか、

境界線がとってもシャープ


落ち着いた色彩












ついでに

お隣の出光アートアワーズも鑑賞











スマホの上は、リアルな巨大イワシ






見学後、天祖神社にご挨拶




鳥居前には、昔ながらの井戸


暖かくて穏やかな気候だった。


ありがとうございました。


楽しそうなケルティッククリスマス
行ってみたいなと思ったものの

12/13防災、12/18食品表示の

講座の準備があり、行けそうもない。

公演の1週間前、まだ席が空いていたので

夫と息子を送り込もうと急きょ2枚購入した。

ギリギリの申し込みだったのでチケットは

当日カウンターで受け取りとなった。なのに

家族中で失念。所要を終えて家に着き、

気づいたのが、16時半!夫も息子ももういいや

というので、慌てて自転車を飛ばして

 

最後の2曲とアンコールにギリギリ間に合った。

流石に物足りなさを感じていたところ、

ロビーでセッションをするという。

 

思い思いの楽器を持った日本人やケルト人?が

わらわらとロビーに集合。17:15ごろ

誰かがさわりを奏で、みながそれに続く!

なんだなんだ!これは

日本のケルトファン大集合ではないか

 

楽しすぎる!

アコーディオンのシャロン・シャノンさん


音楽!文字通り音を楽しむみなさん

 

ポール・フレディさん登場

 

アイリッシュダンス

ビール片手にジョン・ピラツキさん

 

ネイサン・ピラツキさん

魂に響く系のリアムさんの歌声

 

キャラ・バトラーさん

リアムさんの還暦祝い🎉

川島さんからプレゼントされたホイッスル

奏でるリアムさん

 
 
 

 

 

 

 

ケルトのおみやげ



軽食やビールも販売されて、
会場は、お祭り気分!
 

18:15もっと聴いていたかったものの

そろそろ家に帰らねばと

会場を出た後、見納めは、ガラス越しの

ダン・ステイシーさん

 

ダンスっていいな 音楽っていいな

 

プログラム

 

 

 

来年の12月には忘れずに行こうっと
 

ミューズ会報誌 特集ページ

 

 

 

金大偉さんの個展「火と水と風の対話」

 

 

トークショーに時間休をとって

20分遅れで駆けつけた。

 

アーチストはすべからくシャーマンであるべき。

かつて石牟礼道子さんの

ドキュメンタリー映画を作る際に

初め思うような映像が撮れなかった。

その場に何時間もいて、場と一体になった時

一気にいい映像が撮れた。

撮れたというより、撮らされた。

もし、スケジュールが決まっていて

何時まで撮らねばならない状況だったら、

あの映像は撮れなかった。

撮らされる状況になると、

(いわゆるゾーンに入った状態⁈)

仕事は一気に進む。

 

私も、講座のレジュメ作りでも

一気呵成に進む時は、

自分ではないものの存在を感じる。

 

来年、風から火の時代に入る。

浄化の火のエネルギーの喚起が期待される。

 
この狂気に満ちた日本も浄化されるのだろうか。
いや、浄化されなければ満州族の文化のように
滅んでしまうのではないかと危惧する。

 

哲学者で茶人の黒川五郎氏から

金大偉は画家として覚えられる人。

 

トークショーの後の演奏

 

 

ビビットな色使いながら

天空や

大地、水、火の

プリミティブな光の世界

 

その後は有楽町の金の招き猫へ

マイクも金!金まみれのゴージャスな内装に

ウェルカムドリンク付き


テントウ虫のサンバや、
数日前アイリッシュダンスを見た影響で
「サーモンダンス」をひと踊りしてみました。


良き夜をありがとうございました。

11/22

大学時代の同級生と久々のランチをして

帰る途中、新宿西口のイベント会場に

浮世絵が展示されていた。何かと思ったら

土木コレクション展だった。


橋が描かれた浮世絵多数!

これもご縁とあちこちパチリ


橋の今と昔を辿る展示

皇居と馬のお尻と富士山と



























猿がかけたとの言い伝えのある橋


専門家による講演会も行われていて

プロジェクトXの主人公のような人々が

会場を埋めていた。


コンプリートダムカードや

八ッ場ダムの製造過程の写真も展示されていた。

その道の人にはたまらないのだろう。


そそられる橋の浮世絵を撮影

ガラスケースの中の浮世絵はコピーではなく

本物のようだった。






ジグザグに視線が走る


浮世絵って構図が斬新で面白い。


【編集後記】

この日は、沖縄に嫁いだ大学時代の友人と

京王百貨店でランチをした。

京王にしたのは、

今新宿はあちこち工事中のため

迷わないようにと、

昔ながらのアナログな店が多いから


案の定、ランチに選んだ清月堂は、

周りは我らより年配の人でいっぱいだった。

注文は口頭で、注文は手書きだった。


百貨店内の通路には

あちこちに椅子が置かれていて

どこか、昭和の

古き良き時代を思い起こさせる。


高齢者に特化したある種のニッチ戦略が

功を奏しているように思えた。



クリスチャン・ツイメルマン ピアノリサイタル

2025年11月29日(土)17時開演

所沢市民文化センターミューズアークホール


70歳、新境地、
ミューズ10回目のツィメルマン

燕尾服に身を包んだツィメルマン
白髪はつややかで絹糸のようだった。

マイピアノは、スタインウェイ&サンズ

前半、シューベルトの後に
ドビュッシーが2曲追加され、
ホールは、まどろみの世界に誘われる
前半終了後、鳴りやまぬ拍手に
再び舞台に…

後半は、

前奏曲を、前奏のくびきから解き放つ試み。

 

ツィメルマンが選んだ曲が選んだ順番で
あたかも一つの物語のように、
拍手を挟まず演奏された。

間髪入れず次の曲に入るときもあったが、
多くは、音の響きが完全に消えるまで

余韻を味あわせてくれた。


11曲目のショパン(太田胃散のCMでおなじみ)の後は
咳き込む観衆に向って、どうぞゆっくり
咳をしてくださいと言わんばかりのジェスチャー

19曲目カプスーチンの
明るいジャズバーのような雰囲気から
一転、ラストのラフマニノフ「鐘」へ

間を意識させることで、音のならない間が
音楽を創っていることが感じ取れた。


全身全霊のフォルテシモ 静と動

鬼気迫る鐘に息を呑む


曲が終わり、
音の余韻が完全に消えるまで待つ姿は
祈りをこめているかのようだった。

祈りを終え、ゆっくりと
厳かに、ピアノの鍵盤を閉じた。

 

鳴りやまぬ拍手、スタディングオベーション
何度も、舞台に戻って、
最後は深々とおじぎをしてくれた。

70歳のツィメルマンには、
真央君や亀井君のような
新進気鋭のピアニストにある
超絶テクニックはなかったかもしれない。


その代わりに深い精神性がそこにはあった。


日本びいきで、日本にも拠点をもつツィメルマン
音の響きが消えるまで 待つ姿は
日本の武道や芸道の伝統の「残心」そのものだった。

また、かつて、ドラッカーは、日本画には
西洋画にない空間(空気)が
描かれていると語ったことがあった。
ツィメルマンの間のとりかたに、
空間を感じ取ったのは、きぅと

私だけではなかったと思う。


 

プログラム (17時開演)
<前半>

シューベルト:4つの即興曲 Op.90,D 899

F. Schubert: Four Impromptus Op.90, D 899


追加

ドビュッシー:アラベスク 第1番

C. Debussy: Arabesque No. 1
 

ドビュッシー:月の光(ベルガマスク組曲より)

C. Debussy: Clair de lune (from Suite bergamasque)

 

*曲目追加:本日、出演者の意向により、
前半の終わりにドビュッシーの上記の2作品を追加演奏


  ・・・・休憩(20分)・•・・
 

<後半>

プレリュード&CO(その仲間たち)~アーティスト・セレクション

Preludes & Co - Selected by Artist

 

1.スタトコフスキ:前奏曲Op.37-1/J.S.バッハ:奏曲第1番BWV 846R.
 Statkowski: Prelude Op. 37-1 J.S. Bach: Prelude No. 1 BWV 846 (WTK I)

 

2.スクリャービン:前奏曲 Op.11-2
 A. Scriabin: Prelude Op. 11-2

 

3.ショパン:前奏曲 Op.28-15「雨だれ」

 F. Chopin: Prelude Op. 28-15 "Raindrop"

 

4.ショパン:前奏曲 Op.28-16

 F.Chopin: Prelude Op.28-16

 

5.ラフマニノフ:前奏曲 Op. 23-4

 S. Rachmaninov: Prelude Op. 23-4

 

6.フランク:前奏曲(前奏曲、フーガと変奏曲Op.18より)

 C. Franck: Prelude (from Prelude, Fugue & Variations Op.18)

 

7.ドビュッシー:ミンストレル(前奏曲第1集12番)

 C. Debussy: Minstrels (Prelude1-12)

 

8.ショパン:前奏曲 Op. 28-4

 Chopin: Prelude Op.28-4

 

9.ドビュッシー:パックの踊り(前奏曲第1集11番)

 C. Debussy: La danse de Puck (Prelude1-11)

 

10.JS. バッハ:前奏曲第2番BWV 847(平均律クラヴィーア曲集 第1巻より)
 J.S. Bach: Prelude No.2 BWV 847 (WTK I)

 

11.ショパン:前奏曲 Op.28-7
 F. Chopin: Prelude Op. 28-7

 

12.スクリャービン:前奏曲 Op.11-8

 A. Scriabin: Prelude Op. 11-8

 

13. ドビュッシー:亜麻色の髪のおとめ(前奏曲第1集8番)

 C. Debussy: La fille aux cheveux de lin (Prelude 1-8)

 

14.ガーシュウィン:前奏曲 第3番

 G. Gershwin: Prelude No. 3

 

15.J.S. バッハ:プレリューディウム BWV 825(6つのパルティータ第1番より)
 J.S. Bach: Preludium BWV 825 (from 6 Partiten No. 1)

 

16.フォーレ:前奏曲 Op.103-3

 G. Faure: Prelude Op. 103-3

 

17.ショパン:前奏曲 Op.28-11
 F. Chopin: Prelude in B major Op.28-11

 

18.ラフマニノフ:前奏曲 Op.32-12

 S. Rachmaninov: Prelude in G-sharp minor Op.32-12

 

19.カブースチン:前奏曲 Op.53-9

 N. Kapustin: Prelude Op. 53-9

 

20. ラフマニノフ:前奏曲 Op.3-2「鐘」

 S. Rachmaninov: Prelude Op. 3-2

 

(19時終焉)

 

 

当日パンフ


 

 

 

当日プログラム



チラシ

 


帰り、出待ちをしている人が何人かいたので、
しばらく、出口のまえで待ってみた。
ツィメルマンは現れなかったが、
ツィメルマンのピアノを積み込む音が聞こえた。


次は12月3日のサントリーホールへと向かう、

良き夜となった。

 

 

ツィメルマンの思いは⤵コチラ

 

 

11/24 振休の月曜

飯能で北欧気分が楽しめるメッツァビレッジ

まずは11時50分、混む前にビッフェへ

 

2700円で90分食べ放題

 

席から宮沢湖を見下ろす

以前より品数が少なくなっていたが

この物価高では致し方あるまい。

 

13:10 

クリスマスツリーの前には

二人がけのベンチがあり、列ができていた。

列には並ばず、歩を進める。

 

新しくできた人工島

 

カヌーやカヤックが上陸していた。

 

湖畔を歩きながら

 

紅葉狩り

 

屋根付きベンチ

 

 

 

青空に透ける紅葉や一刹那

 

 

そこら中、織る錦ではなかったものの

 

湖畔の青と空の青に染まず佇む紅葉は

 

美しい。

 

 

 

 

紅葉の赤はアントシアニン

樹木へ最後のご奉公を終え

大地又は湖面に迎えられる

夏に光合成で盛んに吸収してた赤波長を

はね返して私たちの目に届けてくれる

 

湖に浮かぶ花火の打ち上げ場

夜は花火大会もあるらしい。

 

ムーミンヴァレーパークの入り口

 

スケートリンクが開設されているようだ。

電気自動車も、走っていた

 

ススキ越し

灯台を臨む

 

カヌー、ボート乗り場

 

秋深し たった一羽で鴨はしる

 

 

白色光が虹色に分かれる

 

クリスマス商戦中の売店

 

 

 

ムーミンのモビール7200円

 

来た道を戻る

 

ライトアップされる夜まで待たずに

日常へ帰る

13:40、ランチ含め2時間弱

束の間の紅葉狩り無事終了

11/18に2日目のおでんは危険との

根拠のない内視鏡医の発言について

反証しました。

この内視鏡医は、

家庭では、鍋の中心部がぬるい温度が

長時間続くから危険であるかのように

書いていますが、↓


ウェルシュ菌の食中毒は、
給食病との異名がある通り、
寸胴鍋など深さのある鍋で
大量に作った時に発生しています。

家庭用の鍋でぬるい状態が
長時間続く可能性は低いはず!

ちょうどカレーを作ったので
検証してみました。

室温20℃で、残ったカレーの容量は1ℓ程度

ウェルシュ菌の至適温度は43~45℃ ですが

1時間弱で、35℃まで冷めました。


業務用寸胴鍋は20〜50ℓですから、

計算上、30℃以下まで冷めるのに

20〜50時間かかります。


ウェルシュ菌が増殖しやすい40〜50℃に

長いこと置かれることになります。


ゆっくり冷めて危ないのは業務用のほう‼️


なお、問題の本質はウェルシュ菌を

大量に増植させないことなので、

そのための温度と時間の管理が必要です。


家庭用であっても

土鍋や保温鍋などの場合はゆっくり冷めるので

当然リスクは高くなります。


また、20℃まで冷めたとしても

ゆっくりと増殖はするので、

2日目は、朝と食べる前の晩に

しっかり加熱することを

強くおすすめいたします。


ところで、

2日目のカレーが危ないと

言われ始めたのは2000年ごろ。


もし本当に2日目のカレーが危ないなら、

2日目のカレーにあたったとの話が

巷からもっともっと出てよいはずですが、

2000年以前は、

もっぱら2日目のカレーは上手い!

だけでした。


先週、木鶏クラブの例会があったので

10名の出席者にカレーで当たったことがあるか

聞いてみたところ、経験ありは1名だけ。

事情を聞いたところ、

夏の暑い時に、夜作ったカレーを

昼に食べて当たったとのことでした。

ウェルシュ菌に増殖するための

温度と時間を与えたことよるものでしょう。


他は、70〜80代の人生経験豊かな方々

ばかりでしたが、いずれも経験なしでした。


それが、家庭での2日目カレー食中毒の

頻度がまれであることの証左と考えます。


何事も近視眼的な事実だけでなく、

起きてる現実を広く見ないと、

ネズミをやっつけるのに大砲使って

猫まで殺してしまうようなことにも

なりかねません。


人流抑制、面会制限、

子供たちにまで努力義務を課したワクチンなど、

コロナ対策がそうであったように…


そして、それを主導したのも

今回と同じく、医者でした。


人は誰しも何かしら

洗脳されているものですが、

コロナ騒動のおかげで、医者の多くは、

人格者で頭の良いとの洗脳は

みごとに解けてしまいました。


しかし、

コロナに罹り、39℃の熱が出てるのに、

ワクチンのおかげで軽く済んだという人は、

洗脳が解けるどころか強化されるばかり!

山上容疑者の母親のような不幸に見舞われたら

幾つもツボを買ってしまうことでしょう。


お前が消えて喜ぶものに

お前のオールを任せるな!

オールは、櫂とAllの掛け言葉


 冬になると恋しくなる「おでん」

な・の・に
「2日目のおでんは危険」「ウェルシュ菌が…」
という記事をネット見つけました。

 

え? 

これを読んで、

おでんも2日目のカレーと同じく、

小分けしてすぐ冷蔵しなければいけないの?
めんどくさいけど、危険なら仕方ないわ
と思った方も少なからず
いらっしゃるのではないでしょうか。

 

ちょうど先月、食品ロス削減講座で
ウェルシュ菌など芽胞菌について
リスクを減らす方法を解説したばかり。
これは、看過できない!ということで、
「2日目のおでん」のリスクを

科学的に検証してみたいと思います。

まずは、おでんの食中毒の原因として挙げている

ウエルシュ菌(Clostridium perfringens)の

性質をまとめます。

  • 嫌気性(酸素を嫌う)細菌で、自然界や腸内に広く存在。
    栄養細胞で増殖し、環境が悪くなると芽胞を作る。
     
  • 至適温度は43〜47℃
    冬場の室温(10〜20℃)では増殖しにくい。
  • 芽胞は熱に強い栄養細胞は弱い
    (75℃以上で死滅)。
  • 毒素(エンテロトキシン)を生成するが、
    毒素は熱に弱い(60℃10分で失活)。
  • 芽胞は熱に強いが、
    腸内で発芽・増殖するには大量摂取が必要。

これを踏まえ、

  「2日目のおでんは危険」という主張への反論

  • 科学的根拠が乏しい
    ウェルシュ菌による食中毒は、
    冷めにくく無酸素状態になりやすい
    主に業務用の大量調理(寸胴鍋など)で
    発生する(「給食病」の異名あり)。
    家庭用鍋での事例は極めて稀

    ウェルシュ菌の原因食品として多いのは、
    加熱ムラが起きやすく冷めにくい
    カレー、シチューなど粘性がある食材で、
    だし汁中心のおでんは原因食品になりにくい。
  • 毒素に関する誤情報
    記事では「ウェルシュ菌の毒素は壊れにくい」
    と記されているが、



    実際は、毒素は熱に弱く、
    75℃以上でかんたんに失活する
    基本的な食品微生物学の知識がない‼️
 さらに
もし「家庭で安全に寝かせることが難しく

もっとも危険な状態になる」なら、

おでんの食中毒はもっと頻繁に

起きていなければおかしい!


寸胴鍋鍋で大量に作れば冷めにくく
ぬるい温度が続く状態となり、更に
底の方は無酸素状態になるため
ウェルシュ菌のリスクは大きい。
これが、給食病と言われる所以なのに、
なぜ、家庭がもっとも危険になるのか
理解に苦しむ。
 
  • 冬場の室温では菌の増殖は緩慢
    ウェルシュ菌の至適温度は43〜47℃
    寸胴鍋と比べ家庭の鍋は速く冷めるため
    冬場の室温(10〜20℃)では
    増殖速度は非常に遅く、
    実質的なリスクは低い!

     
  • 再加熱で栄養型と毒素は失活する
    食べる前によく混ぜながら中心までしっかり加熱すれば、
    栄養細胞も毒素も死滅・失活!
    芽胞は残る可能性があるが、
    腸内で発芽して発症するには
    大量摂取が必要で、
    家庭調理では条件が揃いにくい。
 
  • 具がタンパク質だから危険?
    タンパク質は数多の食材にある栄養成分。
    タンパク質豊富の具が多いから特に
    おでんは要注意との発想がおかしい。

    冷めにくいのが危険なのはその通りだが、
    ジャガイモの主成分は炭水化物で
    タンパク質は極わずか。

 

  • 「危険」断定で生活者に過剰な負担を強いる
    リスクは極めて小さいのに
    小分け冷蔵や即時冷却を「必須」
    と誤認させることで、
    家庭の食文化や調理習慣に
    不必要なストレスを与える!

     
  • 医師は食品衛生の専門家ではない
    医療の専門知識と食品微生物学は別分野。
    専門外の断定的な発言は、
    誤解と不安を招くリスクが高い!


     
  • 結論(対処法)
    冬場の室温+再加熱(75℃以上)
    家庭鍋でのおでんの
    食中毒リスクは極めて低い!

    情報を鵜呑みにせず、実際に
    起きていることを観たり
    統計データを確認して判断しましょう。


    更にリスクを減らすには、
  • 間欠滅菌※で芽胞を減らす
    一度加熱して芽胞を発芽させ、
    再加熱で栄養細胞を死滅させる間欠滅菌※は、
    家庭でも応用可能な技術
    一晩置いてから朝 再加熱で
    芽胞由来のリスクをさらに低減

※間欠滅菌とは
間欠滅菌とは、一度加熱して芽胞を発芽させ、
再加熱で栄養細胞を死滅させる滅菌法で、
家庭でも応用できます。

芽胞は100℃でも死滅しませんが、冷めて
生育できる温度になると栄養細胞になります。
栄養細胞になって増殖しているタイミングで
加熱すれば、75℃以上で簡単に死滅します。

たとえば、再加熱せずカレーを放置すると
芽胞が栄養細胞となって生育します。
3日目の写真、鍋を真っ白にしているのは
好気性(酸素を好む)の芽胞菌です。

ところが、夜と朝に、
内部までしっかり加熱すると
芽胞菌の生育は抑えられます。
右の写真は4日間、
夜、朝 加熱を繰り返した結果です。



2日目のカレーが危険との説はよく聞きますが、
それは、寸胴鍋で大量に作った場合であり、
一般家庭に直ちに当てはまるものではありません。


微生物検査に携わって来て

かつ ずぼらな私は
間欠滅菌はしますが、
夏場でもカレーを小分け冷凍したことなど
一度もありません。

それでも家族で2日目のカレーを食べたあと
一斉にお腹が痛くなった経験は皆無です。
「2日目はおいしいね」と言いながら
頂いています。

 

おでんより遥かにリスクが高い
夏のカレーですらです。


 

「2日目のおでん」は、
正しく扱えば安全においしく楽しめる

冬の定番料理です。

一部の断定的な情報に振り回されず、
科学的根拠と生活実感のバランスを

大切にしたいですね。

 

なお、あるリスクをゼロにしようとすると
トータルリスクが増えます。

それでもリスクゼロを目指したい方は、
限りあるヒト・モノ・カネの資源をつかって、
どうぞ小分け冷却してください。


<参考情報>

 〝大量調理は〟要注意

提供前にしっかり再加熱

 

 家庭での発生少ないことが特徴

 

食中毒全体を俯瞰すれば

そもそもウェルシュ菌の食中毒自体さほど

多くないことがわかります。

 

 

おでんの食中毒の極稀報告が載っていました。

参考になりましたが、唯一残念なのが

「リスクは減らすに越したことはない」との記述

減らすことは大切ですが、限りなくゼロに

近づけようとすると、さまざまな

負担が増えることを理解して欲しいです。

 

 

 (2022年ドラッカー学会会報誌への投稿原稿) 

8.すでに起こった未来

「未来について言えることは,二つしかない.第一に未来は分からない,第二に未来は現在とは違う」「我々は未来を語る前に今の現実を知らなければならない.なぜなら常に現実からスタートすることが不可欠だからである」.

 

権威ある専門家でさえ,すでに起こった現実を無視した未来予測はことごとく外れた.ドラッカーが重要視した人口動態の現実から,すでに起こった未来を見た.

 

図7に人口動態速報の死亡数データをグラフ化した. 2018年からパンデミック初年2020年までは各月の増減に顕著な差はないが,例年の変動はこの程度であった.

図7 人口動態速報2018年~2022年6月死亡数の推移

厚労省データ(2022年8月現在)より筆者作成

 

ところが,昨年2021年は4月頃から死亡が異常に増え,前年比6万7千人(4.9%)増と,戦後最多の増加となった.この年のコロナ死は1万7千人であるから増加の主たる原因ではない.東日本大震災の2011年でさえ前年比5万6千人(4.7%)増であり,いかに異常かがわかる.

更に今年2月3月は2箇月で3万5千人を超える前代未聞の増加を見た.その内訳は主に70代以上の高齢者で,老衰,誤嚥性肺炎,心疾患などが増加していた.

 

2月3月に顕著にあったことして,2月に高齢者の5割が,3月に2.5割が3回目のワクチン接種している.早急に因果関係を調査しなければ同じ未来がまた起きるやもしれない.

 

しかし,たった2箇月で東日本大震災2回分に相当する死亡増だというのに,国も主要メディアも,なぜかほとんどこれを取り上げない.「経済より命」をあれほど主張していたというのに….

 

未来を考える上で重要な出生数の減少は更に深刻だ.1973年(210万人)以降,減少し続けていたが,昨年は前年比3万人減の81万人(23).2022年は速報値で上半期2万人減の38万人と減少に歯止めがかからない(24)

 

2021年は少子高齢化が一気に20年進んだと言われたが,2022年はそれ以上になるだろう.

 

急激な円安,国際競争力の低下,賃金低下で若者は婚姻を控え,合計特殊出生率は間もなく1.3を割り込むだろう.

 

 

総人口の推移(図8)は急下降しており,変曲点は未だ見えない.

 

イーロンマスク氏は、日本は消滅すると言ったが,このまま行けばそれはほぼ確実だろう.過剰な感染対策がもたらした負債はあまりにも大きい.

 

しかし,ドラッカーは,日本は知覚する能力に優れ,危機にこそ強いと語っていた.地霊人傑,この未曽有の危機を乗り越え,未来を創る国民であることを信じたい.

 

2022年9月投稿

 

[注] 参考資料

(1)豊橋技術科学大学, Press Release, 2020/10/15

(2)Via:Myndi G Holbrokk, et al., “Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1." The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE, 2020

(3)2020年7月7日「コロナは空気感染する」専門家239人,WHOに書簡 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(4)2020年7月10日 飲食店などで「エアロゾル」感染も,WHOが新指針: 日本経済新聞 (Nikkei.com)

(5)2021年8月30日「アクリル板」実は感染対策に逆効果だという衝撃 | The New York Times | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

(6)2020 年3月9日 「新型コロナウイルス感染症対策の見解」(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議)

(7)2021年4月30日 「3密」でなくても集団感染のおそれ | 新型コロナウイルス | NHKニュース

(8)2022年4月18日 過去3年のコロナ対策費77兆円に見る5つの問題点 | マネー潮流 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

(9)2022年8月18日コロナ影響,自殺8000人増: 日本経済新聞 (Nikkei.com)

(10)2021年4月5日Science Brief: SARS-CoV-2 and Surface (Fomite) Transmission for Indoor Community Environments (CDC)

(11)2021年5月3日「お札のウイルス1週間生存」西村大臣,手洗い呼びかけ [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(12)2020年10月12日 科学誌バイオロジー・ジャーナル

(13)2020年2月26日「図.1人の感染者が生み出した二次感染者数(2020年2月26日時点の国内発声110例の分析結果)」新型コロナウイルス感染症の感染性(IASR Vol. 42, p30-32: 2021年2月号)

(14)2020年5月8日 ロックダウンは必要なかった? 「外出禁止は感染抑制と相関がない」と研究結果|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

(15)2021年12月8日新型コロナウイルスに殺傷効果を持つ記憶免疫キラーT細胞 | 理化学研究所 (riken.jp)

(16)2021年11月 RSウイルス感染症を知っていますか?/衛研ニュースNo.207|神奈川県衛生研究所 (pref.kanagawa.jp)

(17)2022年2月1日「SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第6報)」の空気感染(エアロゾル感染)に関わる記述への公開質問状(東北大学大学院理学研究科本堂毅ら)

(18)2022年4月15日 子どものマスク,ワクチン接種を推奨せず… 「コロナ終結宣言」スウェーデンに学ぶ教訓 | デイリー新潮 (dailyshincho.jp)

(19)2022年3月8日 再送-米フロリダ州,健康な子どもへのコロナワクチン接種推奨しない方針 | Reuters

(20)2022年2月25日 Effectiveness of the BNT162b2 vaccine among children 5-11 and 12-17 years in New York after the Emergence of the Omicron Variant | medRxiv

(21)2022年5月6日「2人の食費が1日300円…人生で一番苦しい」コロナ第6波がひとり親世帯を直撃 平均月収13万円余に:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

(22)2022年8月22日 ワクチン後遺症 ファイザー社の有害事象報告書と国内の症例報告(サンテレビ) - Yahoo!ニュース

(23)2022年9月16日2021年人口動態統計(確定数)の概況(厚生労働省)

(24)2022年8月31日 人口動態統計速報(令和4年6月分)(厚生労働省)

 

[主な参考文献]

上田惇生著, 『ドラッカー入門』ダイヤモンド社, 2006

P. F. ドラッカー著, 上田惇生訳, 『「経済人」の終わり』ダイヤモンド社, 2007

P. F. ドラッカー著, 上田惇生訳, 『傍観者の時代』ダイヤモンド社, 2008

P. F. ドラッカー著, 上田惇生訳, 『経営者の条件ダイヤモンド社, 2006

P. F. ドラッカー著, 上田惇生訳, 『マネジメント 課題,責任,実践』 (上・中・下)ダイヤモンド社, 2008

P. F. ドラッカー著, 上田惇生訳, 『産業人の未来』ダイヤモンド社, 2008
P. F. ドラッカー著, 上田惇生訳, 『断絶の時代』ダイヤモンド社, 1999

P. F. ドラッカー著, 上田惇生訳, 『企業とは何か』ダイヤモンド社, 2005

P. F. ドラッカー著, 上田惇生+佐々木実智男+林正+田代正美訳, 『すでに起こった未来』ダイヤモンド社, 1994

(2022年ドラッカー学会会報誌への投稿原稿)  

6.知りながら害をなすな

6.1なぜエアロゾル感染を認めない

2020年7月にWHOがエアロゾル感染を認めた後も,国立感染症研究所は主たる感染経路は接触感染と飛沫感染とし,エアロゾル感染を正式に認めなかった.2

022年2月1日,東北大学大学院の本堂准教授,仙台医療センターウイルス疾患研究室西村室長ら10名がこの件について感染研を糺す公開質問状を提出(17),感染研が正式にエアロゾル感染を認めたのは,ようやく2022年3月28日のことであった.

 

公開質問状でも指摘されていたが,感染研は換気の必要性については当初から認めていたのだから,エアロゾル感染を認めないのは矛盾している.

世界的にもコンセンサスが得られ,現実に起きているクラスターもエアロゾル感染で説明がつく.感染症のプロ集団なのだから気づいていた者は当然いたはずであるが何かに忖度していたのであろうか.

 

「プロたる者は知りながら害をなすことはないと確信できなければ,世の中というものは成立しない」国の機関が知りながら害をなしているとしたら,日本は危うい.

 

6.2小児のワクチン接種がなぜ努力義務に

小児へのワクチン接種に関しても,世界の趨勢に反し,2022年9月,我が国は推奨から努力義務に格上げしてしまった.

ヨーロッパ,北欧はもはや推奨すらしていない(18).米フロリダ州も,健康な子供の死亡例がほとんどないことや接種後に心筋炎等の副反応があることから健康な小児には推奨しないとしている(19)

 

接種券の説明書にも「新しい種類のワクチンのため,これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります」とあるとおり,あくまでも緊急の特例承認であり,中長期の安全性は不明である.実際,リリースされた時点では明らかでなかった心筋炎・心膜炎,ギランバレー症候群などが重大な副反応として追加されている.

 

また,変異により感染予防効果は落ち,5~11歳は接種後1か月で逆に感染しやすくなるとのニューヨーク州保健省の大規模調査結果もある(20).現に小児の接種率5割の秋田と1割に届かない大阪と陽性者数に大きな差はない.2022年9月14日の厚労省アドバイザリーボードによれば8/28~9/10の10歳未満人口10万人あたりの陽性者数は,大阪2483.5人,秋田2733.7人と秋田の方がむしろ多い.これが現実である.

 

現実を見ない.空気に忖度する.現場の声を聴かない.問題の兆候を放置する.

リスクを過小評価し被害を増大させる.有効性を失った戦略に固執し失敗を繰り返す.過ちに気付いていながら止められない.

 

作戦を変更せず,兵站もないまま多くの兵士を餓死させたガダルカナル島戦いで「知りながら害をなした」かつての日本軍の「失敗の本質」が透けて見えた気がした.

 

6.3「悪の凡庸さ」誰もが悪をなしうる 

私が担当した消費者講座ではマイクロ飛沫感染を当然のこととして解説し,ある講習会で小児も重症化するから接種すべきと語った医師には,小児の重層化率は極めて低いのだからメリットだけではなく副作用の情報も併せて伝えるべきと投げかけた.

 

論理に矛盾がなくコンセンサスが得られているなら国や空気に忖度する義理も理由もないから,貢献に焦点をあてた行動を選ぶことができた.

 

だが,もし忖度が当たり前の人間集団の中にいたらどうだったろう.矛盾を感じながらも,世話になった上司に逆らえない,自らの生活を守らなければならない,皆もやっているなど,理由や言い訳を探して,知りながら害をなしていたかもしれない.

 

「悪をなすのは平凡な者」大義を忘れ小義につけば誰もが簡単に悪をなす.特に義理堅く,人に気を使い,周りの空気を読み,みなと同じであることを良しとする日本人のこれは大きな弱点なのかもしれない.

 

しかし,個の多様性を封殺して全体(空気)に従えば全体主義に傾きかねない.個人が自由であることは,自由で機能する社会の必須条件である.集団の圧,空気が個を支配してしまうとしたら,それはとても危うい.

 

「我らを試み(誘惑)に遭わせず悪より救い給え」と聖書にあるとおり,人は誘惑に弱い.「人に気を使わなければならないのは最悪の人間関係である」といったドラッカーの慧眼を思い起こす.個人を誘惑に遭わせないために,まず外への貢献を当然のこととしなければならない.保身や人間関係を優先させる組織に存在意義(正統性)はないと知るべきである.

 

7.異なる意見を否定しない

7.1 警戒すべきは絶対正義

今回のパンデミックは意見の対立,分断を生んだと言われている.

しかし,ドラッカーが全会一致は無効,意図的に意見の不一致を作り上げよと言ったように,対立する意見があることはむしろ歓迎すべきことである.

「一つの行動だけが正しく,他の行動はすべて間違っているという仮定からスタートしてはならない」「意見の不一致の原因は必ず突き止めよ」.

 

問題は,唯一の正しい答えの他はすべて間違っているという仮定からスタートしてしまったことであったと思う.

 

前述したが,感染を制御するためには行動制限が必要との〝正しい答え〟は疑われることなく何度も繰り返された.感染者数は欧米の数十分の1以下であったが「経済よりも命」が絶対正義となった.

 

「経済も命も両方大切」「感染対策をしながら経済を回し,行動制限は高齢者に特化すべき」などの意見もあったが,意見の不一致の原因は突き止められることはなかった.

 

反論する者は命を軽視する人でなしと決めつけられたが,経済を止めれば,派遣社員など経済的弱者が割りを食う.失業増と自殺増に相関があることは良く知られたこと.シングルマザーの平均月収も13万円にまで落ち込んだ(21)

 

また,老舗ホテルやテーマパーク,貴重な水源,京都の観光地などが次々外資に買われ,超過死亡も戦後最多となった.異なる意見を排除した結果,命も経済も守られなかった.「経済よりも命」という反論を許さないスローガン,その独善性こそ警戒すべきであった.

 

「人間社会にかかわる事柄において,重要なことは正しいか間違いかではない.うまくいくかいかないかである.」行動制限が社会に及ぼした影響の甚大さを思えば行動制限がうまくいったとはとても思えない.

 

ワクチンも7割接種で集団免疫ができ,元の生活に戻れると喧伝されたが,うまくいかなかった.重症化予防効果はあるとゴールポストを動かされたが,国民の8割が2回接種を終え,6割が3回目を済ませたにも拘わらず,死亡者は過去最多を更新,陽性者数は10週連続世界最多になってしまった.

 

アジア圏で比較するなら,3回接種率23%のインドネシアや17%のフィリピンよりも,6割を超えた日韓やシンガポールでむしろ感染は拡大している.人口100万人当たりの陽性者数グラフ(図6)を示したが,その差は歴然だ.(いずれも2022年9月現在)

図6 人口100万人あたりの陽性者数の推移 出典:Our World in Data

 

抗体価が上がることが予防の指標にされているが,それは部分的事実に過ぎないことが,現実を見るとわかる.現実が理論に膝を屈してはならない.アメリカはそれに気づいたのか3回目接種率は3割で頭打ち,他の多くの国も,もはや積極的接種をしていない.

 

様々な副作用も徐々に明らかになり,日本の医学会でも接種後の症例報告が相次ぎ,半年で約150件に登っている(2022年8月現在)(22)

 

当初,mRNAワクチンは新しい技術であり,慎重にすべきとの意見がウイルス学や免疫学,薬学の専門家からも少なからずあった.

 

しかし,為政者や御用医師たちは,それらをすべてデマと決めつけ,意見の不一致について一顧だにしなかった.そして,もはやブレイクスルー感染が当たり前になっていたにも拘わらず,感染そのものを防ぐ効果があると政府は若者への接種を勧めた.

 

7.2人は誰しも井の中の蛙

コロナに罹患した人で症状が重かった人は,コロナが普通の風邪なんてとんでもないと言い,軽かった人は,コロナは風邪以下という.

どちらも正しく,またどちらも間違いである.

「自分とは全く異なる見解に達している人は違う現実を見ていると考えるべきである」個々の問題を社会の問題とするときは,軽々しく自分の経験をすべてに当てはめてはならない.多くの事例を長期的,客観的に見て判断すべきである.

 

ドラッカーは,真理はあるが人は真理をつかめない存在だと言う.「群盲象を撫でる」の喩えどおり,人には象の全貌は見えない.牙に触っている者は,象は危険なものと言い,しっぽに触っている者は安全なものという.異なる意見を否定すれば象の全貌は永久に見えてこない.

 

触っているのは象の一部であるから,決めつけることなく「~かもしれない」,「可能性が高い」というのが真っ当な科学者が使う表現である.

 

象とはこういうものだと断定する者がいたとすれば,嘘つきか井の中の蛙である.しかし,残念なことに特に恐怖の感情が優位になると群集は断定表現のほうを信じてしまう.

 

ソクラテスは「無知の知」,孔子は「知るを知ると為し,知らざるを知らずと為す.是知るなり」,東西の賢人がともに自分が知らない領域があることを知ることが重要だとしている.

 

ゆえに不確実なことを断定する者を信じてはならない.科学万能主義,査読された論文信仰はルソーからヒトラーへと続いた道に似ている.

 

つづく