第六話「新たな苦難」
今日のお題
〇 旅立ちの朝(22才夏)
〇 久しぶりの我が家
〇 3週間と3ヶ月
〇 うん
〇 ハローワークにて
の５本です。
こんにちは
クルーNO.1003 TAICYOです。
独立・企業・法人化を目指す僕たちの挑戦を書いています。
僕は発達障害だから社会が受け入れ難い
「社会不適合者」として長い間苦しんでいた。
だから自分の居場所を自分で作ることにしたんだ。
それが「社長になる」ということ。
僕と同じ様に悩んでいる人たちの参考になればと思っているよ。ではよろしく
前回までのあらずじ
「発達障害の検査を受けること」
「仕事を辞めること」
に最初は反対していた両親がなぜかあっさり認めてくれた。
ただ条件があって「仕事は契約期間の残り1年間継続する」ということ。
そして僕は、抑うつの精神科受診時に先生にお願いして検査を受け、
『ADHD(注意欠陥多動性障害)』と確定診断されたんだ。
旅立ちの朝（２２歳夏）
ADHD(注意欠落多動性障害）と確定診断を受けてから１年、僕は２年間の契約期間を満了して退職した。
父さんは、朝４時に家を出て寮の玄関で待っていてくれた。
グループの皆に見送られて2年間の経験に幕を閉じた。
そして、今日から新たな旅立ちが始まる。
僕の手には契約期間を勤め上げたことを証明書する辞令書があった。
父さんは病気退職を避けようとしたわけだ。
そのために残り1年間継続できるように奔走してくれてた。
僕の職場は就職援護に力を入れていて部内にハローワークの様な機能をもっている。ただ、僕はそこを利用せずに次の職場を決めた。
それは、療養中に何度か行った両親の知人が働いている飲食店のご主人に紹介してもらった料理店で、あっさり正社員として採用されたんだ。コネ入社ってやつだね。
こんな僕でも何個か資格をもっている。
- 調理師
- 食品衛生管理者
- 食品技術管理専門士
- 食育インストラクター
調理師専門学校では和食を専攻してたから、
学校を卒業してから2年半、
僕は『料理人の世界』にひとまわりして戻ってきたことになる。
久しぶりの我が家
荒れ果てていた僕の部屋は綺麗に片付いていた。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしてられない)、衝動性(考えずに行動してしまう・キレやすい)という3つの代表的な症状がある。
子供の頃から、ゲームでミスするとコントローラーを投げつけたり壁を殴ったりしていて、部屋はボロボロになってたんだ。
不注意もあるけど、ゲームボーイやコントローラーは何台壊したかわからない。
そんな僕の部屋は、綺麗に片付けられていた。
3週間と3ヶ月
お店での修行は想像していたものとは全く違った。
料理人として修行してると思っていたのは自分だけだったのかも知れない。
実際は接客がメインで、
1. お客様のご案内：席への案内やメニューの説明など。
2. 注文の受け付け：お客様からの注文を正確に受け付け、キッチンへ伝える。
3. 料理の提供：料理を適切なタイミングで提供し、必要に応じて説明を行う。
4. ドリンクの提供：お客様の注文に応じてドリンクを提供する。
5. テーブルの片付け：お客様が食事を終えたら、テーブルを片付けて清掃する。
6. クレーム対応：お客様からのクレームに対応し、解決に導く。
7. メニューの提案：お客様の好みや季節に合わせてメニューを提案する。
8. ホスピタリティ：お客様が快適に過ごせるような気配りや心配りを行う。
9. 清掃業務：店内の清掃を行い、常に清潔な環境を保つ。
10. スタッフ間のコミュニケーション：キッチンスタッフや他のウェイトスタッフとの円滑なコミュニケーションを保つ。
料理人の世界を目指したのは、長い修行の末に職人となり(目標)、自分でお店をもち独立(目的)することで『コミュ障』の僕が独立する方法として選択したからだけど、
お店が求めていたのはウェイトスタッフだった。
そしてそれは、発達障害の僕がもっとも苦手とするコミュニケーション能力が一番大切な仕事だ。
料理人としての仕事はお店が開くまでは下準備(雑用)で、お客様を迎えたら厨房に僕の居場所は無く、見とり稽古すらできなかった。
日に日に疲弊して集中力は低下し、ミスを繰り返すというドツボにハマっていく。
普通にしていても部屋を片付けるのは苦手なのに、頭の中がぐるぐるしてどんどん散らかっていく
。
壁掛けテレビは、液晶が割れて映らなくなって買い替えた。(衝動を抑えられない。)
3週間目に正社員からパートに格下げされた。
例え、パート扱いになってもここでの仕事は自分の将来のために役に立つと思って雑用でもなんでも頑張った(つもり)。
3ヶ月間の試用期間が終わり、僕は解雇された。
解雇の理由は、
賃金に見合う仕事をこなせていない
うちは慈善事業で商売をしてるわけじゃないから
僕は何も言い返すことはできなかった ．．．
店を出ると街はすっかり秋になっていて
紅葉が風に吹かれて舞い落ちる。
さみしさを感じる風景だけど、
肩に乗っかった一枚の🍁が
『TAICYOくん』
『頑張れ👍』
って肩を叩いてくれた様に
思えたんだ。
僕は
空を見上げて
うん
って一言だけ答えて歩き出した。
またスタートすれば良いだけだ。
紅葉樹の葉は大きく薄くて脆く、冬を乗り越える事ができません。
だから乾燥や寒さから
『 樹 』を守るために
春のRESTARTのために実をつけて落葉するんですね。
そして木の実は、森の動物たちを育て、貯蔵されて春に芽吹くんです。
うん
僕は自分の思っている事を上手く言葉にできない。
母 : TAICYOくん
お昼はラーメンにしようか？ うん
醤油にする？ う〜ん⤵︎
味噌かい？ うん
麺は2玉？う〜ん⤵︎
3玉？ うん
辛味噌にする？ うん
できたわよ〜
食卓には大盛(3玉)辛味噌ラーメンが湯気を上げている。しかも中華なべのままでね。
家の中では大して不自由せず生活していた。
それは家族が僕のことを理解してくれていたからなんだ。
僕は「うん」としか答えてないのに
表情・イントネーション・声量・仕草などあらゆる情報から感情を読み取ってくれる。
それを他人に求めるのは難しい。
社会に出てそれを痛感した。
生活にも就業にも手厚いサポートが必要だったてこと
ハローワークにて
ハローワークで仕事を探す
父さんの心配していたことの現実を知ることになる。
- 精神疾患の既往あり
- 発達障害で治療中
- 前職を試用期間で解雇
面接にさえたどり着けない
僕の治療薬は結構値が張る。このままでは貯金がそこをついてしまう。
そこで、障害認定を受け就労支援を受けること決意した。
ADHDの診断を受けると決めた時から僕はどんな自分も受け入れる覚悟をしていたし、
確定診断を受けてから父さんは常々こう言うようになった。
『父さんと母さんは君たちよりも先に死ぬ。それは自然の摂理でいつまでも傍にいてやることはできない。父さんや母さんが生きているうちに経済的に自立しなさい。父さんは寝室でミイラになるのは勘弁だよ
』
巷ではやりのFIRA（Financial Independence, Retire Early）「経済的自立」と「早期リタイア」ではなくて、とりあえずFI（経済的自立）が目標だ。
父さんは『親の年金を当てにして、親が死んだあと不正受給なんかするんじゃない』『ハンデがあるならそれを見越して準備しなさい』って言っていた。
次回は、僕が受けた福祉制度について話すよ。
じゃあ今日はここまで
またね
今日は、TAICYOが料理人としての修行を開始して挫折するまでのお話でした。
TAICYOは肩に乗っかった🍁に励まされて新たなスタートを切る。
人生には壁は多いけど進むことを諦めない。
次回『障碍者として生きる』
に続く．．．
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