初めての方は、プロフィールをチェック✅

今日のお題は、
1 賞賛の要求
2 自己愛性パーソナリティ障害
3 ライバルの出現

4 復讐
5 無能の証明
  の5本です。

サムネイル

クルーNO.1001  
アニおた担当のYOU-MINです。

アニおたシリーズは、悩みの答えや幸せになるヒントをアニメや映画に求めるアニおたがするお話です。

 

今日は、

新世紀エヴァンゲリオンから

セカンドチルドレン
(二人目の適格者)
惣流・アスカ・ラングレーの行動
思秋期の子供の問題行動シンクロさせて考察してみようと思います。

 

では、よろしくお願いします。

 

●映画・アニおたシリーズVOL.4

『惣流・アスカ・ラングレー』

 生年月日:2001年12月4日

 血液型 :A型

 年 齢 :14歳

 所 属 :NERV

      EVA弐号機専属操縦者

 

 

 アスカは「使徒」と呼ばれる謎の生命体を殲滅するための兵器(EVA)のパイロットとして、2番目の適格者に4歳の時に選出

セカンドチルドレンとして英才教育を受けた

エリートパイロットです。ニヤリ

 

EVA (人造人間エヴァンゲリオン)を操縦するには、『神経系統(A 10)が接続され、その接続率が2桁(10%)以上であること』と言う条件があります

 

これはEVAがロボットではなく人造人間だからです。

 

そのため、神経接続を容易にするために、EVAのコアの中には、パイロットの母親の魂を取り込ませてシンクロ率(神経接続)の向上を図っています。

 

これは絶対的な条件ではないのですが、条件を満たさない場合パイロットとしての適正率は低下します。

 

アスカは明朗で闊達、かつ勝気な性格で高い自尊心を持ってパイロットとしての能力を保持していますが、幼少期の大きなトラウマを抱えています。

 

それは母親との関係です。

 

アスカの母親(惣流・キョウコ・ツェッペリン)は科学者で育児には消極的でした。アスカは幼少期母親の振り向かせようと行動します

 

作中、『ママ私を見て』という言葉で、母の愛を希求している様子が描かれています。

 

 

キョウコはEVAとの接触実験中、その魂の大部分をEVA弐号機のコアに取り込まれていて(意図的)、サルベージされた心と肉体は精神崩壊している状態で入院中、人形を娘(アスカ)と思い込み、後にそれを道ずれに自死します。ガーン

 

それは、アスカがEVAパイロットに選出され、キョウコに(母)に喜びを伝えようとした日の出来事でした。ショボーン

 

  称賛の要求

 

全ての問題の始まりがここにあります。

アスカは母親の愛情を求めており、「褒めてもらう」ことで母親を振り向かせようとします。

 

実際、彼女は天才的で14歳の時点で大学を卒業していますが、自己肯定感を他人からの評価に依存してしまうという「歪んだ価値観」を盲信してしまいます。

 

それは成長とともに自己顕示欲が過剰となり、

評価や承認要求に過度に依存することに繋がります。

 

面上は誰にも頼らずに生きていくことを望み、早く大人になりたいと強く願うようになりますが、深層心理ではEVAに乗ることで誰かに褒められたいという心理的不協和の状態に置かれます。

 

共働きの家庭では、親が忙しくて子供に充分な時間や注意を与えることが難しい場合が多いでしょう。そのため、子供は自分の存在を主張するために褒められる行動を積極的に取ることがあります。

 

それは、親が子供の成果や努力を褒めることで子供は自己肯定感を高めることができるからです。子供にとって母親は初めての信頼の対象なのです。

 

子供は親から愛情を注がれないと

「愛されないのは自分に責任がある」と考え、子供を愛するという親の課題を自分の課題に置き換えてしまうのです。

 

これが全ての問題行動の始まりなのです。

 

いみじくも精神崩壊で母親は入院し、病院を尋ねることで母親の存在を得たのです

 

しかし、本来自分に向けられるはずの愛情は、自分ではなく母親が持っている人形に注がれていたのでした。

 

  自己愛性パーソナリティ障害

 

 アスカが10年間の成長過程で得た特質は、自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder)だったのかもしれません。

 

1. 自己の重要性の過大な評価

自分自身を特別であると信じ、他の人々よりも優れていると感じる傾向がある。

 

2. 妄想的な思考

自分自身に対して妄想的な思考や自己陶酔的な幻想を持つことがある。

 

3. 周囲の人々への無関心

他の人々の感情やニーズに対して無関心であり、自分自身の利益や欲求を優先します。

 

4. 承認と称賛の欲求

他の人々からの称賛や特別な承認を求める傾向があある。

 

5. 威信や成功の追求

自分自身の威信や成功を追求し、他の人々を利用して自分の目標を達成しようとすることがある。

 

6. 傲慢な態度

他の人々を見下し、傲慢な態度をとることがある。

 

7. 共感の欠如

他の人々の感情やニーズに共感することが難しく、自分自身の利益を優先します。

 

これらの特徴が持続的で広範囲にわたり、個人の日常生活や人間関係に重大な問題を引き起こしている場合、自己愛性パーソナリティ障害の可能性があります。ただし、診断は専門家によって行われるべきであり、自己診断は避けるべきです。

 

  ライバルの出現

 

3番目の適格者(サードチルドレン)である碇シンジは、使徒の初戦でEVAをコントロールできない状態で、EVAの暴走という形で敵を殲滅しました。

それは、使徒殲滅の為のエースパイロットとしてEVAパイロットであることを自身の存在意義としながら一人で生きて来た少女(アスカ)の心を大きく傷つけます。

 

ライバルの存在が自分に対する賞賛を奪ってしまうという恐怖にかられるからです。
 

深層心理では自分の存在に自信が持てていないのです・・・だからこそエヴァで活躍することで存在価値を示そうとしていたのに、ルーキーに先を越されてしまったという感情が湧き出たのかもしれません。

 

シンジとの初見で

『フーン、冴えないわね』

とアスカは悪態をつきますニヤリ

 

アスカは自信家である一方で内向的な一面も持っています。

 

彼女は自身の感情や心の問題に向き合うことが苦手であり、防衛機能を用いて自己保護を図ろうとしたのかもしれません。

 

勝気な言葉を使うことで彼女自身の不安や劣等感を隠そうとしているのです。

 

その一方で、初陣でエントリープラグ内にシンジを同席させた理由は、同じく初陣で使徒を殲滅した少年を心の支えとしたかったのかもしれません。

 

 

  復 讐

 

分裂したイスラエルを倒すためのユニゾン攻撃を実現するためにシンジとアスカは、完璧なユニゾンのマスターが必要とし、音楽による同調訓練を行います。

(第9話「瞬間心重ねてから」)

 

シンジとのユニゾンがうまくいかずに苛立つアスカを尻目にレイがシンジと完璧なユニゾンを見せ、プライドを傷つけられアスカは泣きながら部屋を飛び出していくのです。このあたりからメンタルの弱さが現れてきます。

 

戦いを経験するたびにシンクロ率を上げていくシンジ

アスカはシンジにシンクロ率を抜かれ

(第16話『死に至る病、そして』)

 

『まっちゃったわよね〜あっさり抜かれちゃったじゃない〜』

 

『ここまで簡単にやられるとちょ〜っと悔しいわよね〜』

 

ズタズタになったプライドを必死に隠そうとしているのですが、動揺が言葉ににじみ出ています。

 

このアスカの長セリフの後、一瞥もくれずに『さよなら』と言い残して去っていくレイのセリフが余計にシュールでした。

 

EVAのパイロットとして褒められることでアイディンティを保っていたアスカがその手段を失い道化を演じたもののさらっとかわされ、レイが出て行った後にはロッカーを殴り、あからさまに怒りの感情を爆発させてしまいます。

 

  無能の証明

 

アスカは何もできずゼルエル(最強の使徒)に完敗し、暴走したシンジがゼルエルを倒すところを傍観します。( 第16話『男の戦い』)

 

アスカは命令を無視して先行したものの、衛星軌道上の使徒アラエルからの心理攻撃によって過去のトラウマと同調した結果、心的外傷(ASD)により戦意を喪失して逃避反応(固まる)に陥ります。その後、レイに助けられたことでさらにプライドが消失します。

(第22話『せめて、人間らしく』)

 

アルミサエル戦でバックアップとして出撃するもシンクロ率は二桁を切り、EVAを動かすことができず後退。そしてレイの救出のためにシンジを出撃させたことで自分の価値観が消失します。

(第23話『涙』)

 

シンクロ率「ゼロ」セカンドチルドレンたる資格なし

もう、私がいる理由もないわ

誰も私を見てくれないもの

パパもママも、誰も

私が生きていく理由もないわ

EVAに乗るというアスカにとっての「生きる意味」を喪失(第24話『最後のシト』)

 

そして、廃墟の浴槽に横たわり自暴自棄の状態でネルフに保護されるのです。

 

テレビ版では語られなかったアスカの話は、別のエピローグとして描かれた『新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを、君に』に続きますが、そこで

 

廃人と化し病院で横たわる姿で登場するのです。

 

もし、彼女の深層心理を紐解いて他者の評価ではなく本来の自分自身を愛することを教えてくれる人が、アスカの側に存在したのなら...

 

 

学校にも行かず、家にも帰らず、クラスメイトのアカリの部屋でずっとゲームをして過ごした数日。
アスカは布団の中でアカリに話しかける。

 

アスカ「わたしEVAで勝てなかったんだ」

   「もう私の価値なんて、無いんだ」

   「嫌い、大嫌い、みんな嫌いなの」

   「でも一番嫌いなのは、わたし」

   「なんか、もうどうでも良くなっちゃたは」

アカリ「わたしは、
    アスカがどうしたっていいと思うし、
    何も言わないは」

 「アスカは、

  よくやったと思うもん』 
    (承認)

 

アスカ(涙)(第23話『涙』)

『トラウマ・失敗・挫折・悪いあの人に・かわいそうな私』

 

それらに心が支配されている時『鳥かごに心を囚われている』状態では人は幸せにはなれません。

もし、アカリが僅かな「承認」をすることもなく。

 

「これからどうしたいの?」

 

と聞いてあげることができたなら...

 

新世紀エヴァンゲリオンは、子供の教育がどれほど重要であるのかを学べるストーリーです。

 

そして、もし心的外傷を負った人が傍にいるときには、適切なサポートができる人(ここでは専門家と表現します)につなげてあげることが大切であるのかをも物語っていると私は思います。

今日のお話は、EVAを知らない人には

理解し難いものでしたが、見たことのない方は、一度ご覧になっては如何でしょうか

では、また

 

 映画・アニおたシリーズは、こちら↓

🚩 エヴァンゲリオンから考察する心の成長

🚩 トップをねらえ 時を超えあなたと会うために

🚩 ピノキオと人造人間キカイダー

🚩 映画「アンドリューNDR114

🚩 『愛する力の秘密』セーラームーン

 

 最後まで読んでいただき

 ありがとうございます。

 

 皆さんの幸せを願っています。