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プレデター世界の描き方として、複数の勢力が現れた、というのは新しいのですが、人間に対してのスタンスがこれほど敵対的に描かれた、というのは今後に向けて禍根を残すような気もします。

メキシコで暗殺任務遂行中に宇宙船が墜落してきてプレデターにチームの仲間を殺された隊長マッケナが、最初は私怨で宇宙人を追うのですが、実はそのプレデターには逃げた理由があって…、という始まり方。

一方で研究所にはそのプレデターを捕らえたチームがいて、呼出しを受けたケイシーは途中で逃げ出したプレデターを追うものの、途中からはCIAに命を狙われる存在になります。

で、精神異常者として隔離されそうになったマッケナは他の退役兵たちといっしょにバスを乗っ取り、プレデターを追うことに。ところが途中でそのプレデターはもっと大きいヤツに殺されて…。という展開。

マッケナの息子ローリーが、過失とはいえ持ち出したマスクが原因で隣人を射殺・家を爆破してしまう、というシーンはどうなんだろう、と正直思いました。クラスメートが彼をいじめるシーンでは、「ass-berger」と呼んでいるのですが、これはローリーがアスペルガー症候群であることを揶揄しているのですね。彼がチェスの動きを全部再現できるほどの優れた記憶力の持ち主であることや、プレデターの装置を即座に使いこなしてしまう才能を発揮するところまでは面白いのかな、と思ってみていたのですが、その後どんどん普通のこどもになってしまうのは表現としてどうなのかな、と疑問に感じました。

あと、プレデター同士の交信が字幕で翻訳されてしまうともはやなんでもありだな、というのと、人間側でも解読できるような言語であることも、なにか設定上新しいものを持ち込まねば、という試行錯誤なのだとは思いますが、後戻りできないパンドラの箱を開けてしまったな、と思っています。

プレデターのDNAまで人間を取り込んでいる、という「種」の功利的な行動である、と位置づけてしまうと、今までのスポーツマン精神的な戦いぶりとは整合性がとれないような気がしますが、気にしない人の方が多いでしょうか。
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工場で男5人が目覚めて、自分たちは誰か、そろいもそろって思い出せないという、一見あり得ないようなシチュエーション。しかも工場は頑丈に外から鍵がかかっていて抜け出せない、というのがミソ。

日本のミステリーだと、誰かの意図で拉致されてきて、過去に起きた殺人の犯人がこの中にいる、とかいうパターンがありました。あと、「キューブ」シリーズにも共通したパターンでもあるのですが、この作品がちょっと違うのはすぐに外の世界で起きていることが並行して描かれている点です。どうもこれは人質事件で身代金の取引があるらしいと。

そうなると、見る側にとっては、誰が人質で、誰が犯人サイドか、というのがポイントになってきます。個人的には、この手の話の先読みが好きなので、犯人のように思われた人物のうち誰かは、潜入捜査官だろうな、と当たりをつけてしまったのですが、やっぱり当たってました。ちょっと「レザボア・ドッグス」も連想しますかね。

ただ、最後の最後にもう一捻りあって、助かった人質の奥さんだと思われた人が、実は身代金騒ぎの狂言を起こそうとしていた張本人だった、という点で、まあこれには裏をかかれたな、とは思うのですが、シナリオとして説得力のある展開だったかどうか、はちょっと別問題です。

冒頭でキャストを見たときに、ジョー・パントリアーノとピーター・ストーメアがいたら、まあ、面白いんだろうな、とは思いましたが、まあまあいい線いってたんじゃないかと思います。他のキャストで目を引いたのは、追跡する刑事のカーティスが、ツイン・ピークスでハンク役のクリス・マルキーだったことですか。主役のジム・カヴィーゼルの出ている映画は「ザ・ロック」ぐらいしか見てませんでした。ブリジット・モイナハンは「ジョン・ウィック」シリーズ、「アイ、ロボット」、「ロード・オブ・ウォー」などいくつか見てました。
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予告編がいかにも怖そうで、ストレートなホラーかと思わせるのですが、これはどっちかというとブラック・コメディーかな、と思えるジャンルのものでした。

原題はTwixt。原稿(テクスト)の「ひねり」を意識してるんですかね。編集者にさんざんBulletproof(テッパンのオチ)を要求されているので、常にそれを追い求めている作家のさまよいぶりを全面に出しているのかもしれません。そうだとすると、見る側にも何を期待するべきか、ウソはついていないわけで、日本の売り方は見る側を騙してはいないか、という気にもなります。

ヴァル・キルマーを久しぶりに見て、売れない作家役を見ていると、なんだか彼のキャリアと微妙にオーバーラップしてないかな、と思ったりするのですが、決して彼も仕事が途切れているわけではなくて、コンスタントに出演作があるので、「ウィロー」あたりのはつらつとしたイメージを追いすぎているのかもしれませんね。

売れない作家が、サイン旅行でたまたま通りすがりの町で聞きつけた殺人事件を、保安官から一緒に捜査して本にしよう、と持ちかけられて、なんとなくその気になるというところから。どうも娘を亡くしている、という見え見えの伏線もあるようです。

夜に出歩くと現実と幻想の間に落ち込み、森で正体不明の少女に出会います。彼女といっしょにいたけれど殺されてしまった12人のこどもたち。その運命と、保安官事務所に保管されている少女の殺人犯は?

夢の中にはホテルに泊まったことがあるというエドガー・アラン・ポーも登場。「大鴉Raven」に引っかけて、いろいろとミステリー談義など。

そうこうするうちに、こっくり様みたいな降霊盤で犯人を占ったり、いろいろしているうちに保安官の様子がおかしくなってくる。作家は作家で作品の印税の前借りなどをして生活費の算段に四苦八苦。

そうこうしているうちに、時計台に登ったり落ちたり、湖の向こう側の不良グループと接触したり、保安官に襲われたりいろいろして、娘を亡くした事故と自分の責任を告解するシーンがあったり。

で、最後にはヴァージニアの胸の杭を抜いて襲われたところで、それを本にしてベストセラー間違いなし、と編集者に太鼓判を押されて終わり。

話としてのローラーコースターはオチの予想がつきすぎていまいち、という感じですが、これは空気感と雰囲気を楽しむものなのかな、と割り切ればけっこう楽しいです。ちょっと「ツイン・ピークス2017」のある面を切り出したようでもあり、異世界へのトリップ感は、音のサラウンド効果も含めて同じコッポラのかつての豪華版「ドラキュラ」よりも効果的かも。

作家の妻役、実はヴァル・キルマーと「ウィロー」で共演して、後に結婚して、後に離婚したジョアンヌ・ウォーリーなので、ちょっとにやりとしてしまいます。保安官役のブルース・ダーンはあのローラ・ダーンのお父さん。ポー役のベン・チャップリンは、名字は母方の旧姓のようですが、喜劇王とは関係ないようです。

余談ですが、どうもヴァル・キルマーとビル・パクストンを混同して覚えてしまっていて、ヴァル・キルマーが「スリップストリーム 風の惑星」でキティ・オルドリッジと共演したあとに結婚した、と変な覚え方をしていましたが、そんな事実はありません。
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「ラディウス」とは、一般的には「半径」の意。一定の距離以内に近づいた者が死んでしまうなんて、なんと恐ろしい。

序盤の登場人物の振る舞いを別にすれば、なかなか巧妙な設定と人物の心理描写で見せる、上質なスリラーだったかな、と思います。部分的にはSFですが、その中身は非常に濃密な記憶喪失ものの人間ドラマでした。

車の事故の後に意識を取り戻した記憶喪失の男。しかし彼が関わる人間はすべて死んでいる。なぜ?というところから物語が始まります。

そして、人を避けて生きようとしているところに、なぜか彼の近くにきても死なない女性が。彼女も記憶を失っている。

そこからは、警察にも追われつつ、二人の記憶が少しずつ戻るところが中心に展開。

まあ、もう少し電話なりをうまく使って、状況を説明すれば、この悲惨な死のループから抜け出す方法は考えつきそうなものですが、そうすると話が進まないですね。

終盤の二人の皮肉な正体と、ハッピーエンドを許さない悲惨な別れ、というのがなるほどな、とうならせました。結局原因はわからずじまい、というのもハリウッド製とは違った、カナダ映画ならではの味わいでした。

ラスト、リアムは記憶が戻ったからにはもはや自分を許すことはできない。ジェーンも決して今のリアムが憎いわけではないけれども、決してその過去の罪を許すことはできない、終わり方はこうするしかなかったんでしょうね。

役者さんたちは、ほぼ無名と言っていいでしょうか。リアム役だけは「パシフィック・リム」「キューブ・ゼロ」に出ていて、少しヒュー・ジャックマンに似たところもあって、犯罪者もこなせるワイルドな風貌をしていますが、他は日本で知られているような出演作はないようです。
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シャーロック・ホームズの老残の姿、というのは本当は見たくないもので、記憶が衰えたり、足どりがよたよたしたり、というのは最もホームズには似つかわしくない、という気もするのですが、それがエンディングに向かって許せるようになってしまうのがムービー・マジックですね。

冒頭の電車を降りて歩くシーンで、背中が丸いのでそれだけでちょっとがっかりしてしまうくらい、自分のホームズ像というのは厳密なものなので、最初は違和感。しかし原作にあった老後の目標である養蜂に取り組んでいる、という要素をこういう風に取り込むのか、と感心しました。

記憶が衰えてきて、自分が最後に取り組んで、引退したきっかけになった事件のことすらよく思い出せない。これではいかんということで記憶を取り戻すためにわざわざ戦後の広島にまで行って山椒を手に入れたりしています。

家政婦のマンロー親子との距離感が微妙で、おかあさんはホームズのことをただの変人と突き放すけど息子のロジャーにとっては憧れの的、という点など途中から非常に重要な要素になってきます。

途中日本で広島への旅に同行するのが真田広之。町のセットが微妙に中国っぽいのはご愛嬌。

最後には記憶を取り戻し、謎を解いたが事件は悲劇の結末を迎えた原因が自分と人との距離感にあった、ということを改めて悟り、自分の生き方を最後だけでも変えようとする、という努力がマンロー夫人にも届くところが感動的です。

話し方や息づかい、歩き方など、いくつかの時代に分かれるホームズの年代記を、一つの体でイアン・マッケランが見事に演じ分けています。ロジャー役がまさに天才子役、といった感じで、親に秘密を隠し持った年頃の微妙な表情を使い分けています。

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銀行強盗でダイヤを盗んだついでに手に入れたUSBを取り返そうと政府系の殺し屋に追われ続けるアレックスの物語で、それなりに戦闘シーンがあったり、トリックがあったりします。

オルガ・キュリレンコがいろいろとアクションもこなし、相手を出し抜くクールさで最後は勝利を手にするので、まあいいといえばいいのですが。

冒頭の銀行強盗はまあスタイルが面白かったと言えますが、その後は基本的に敵のスケール感がなくて、スーツ組の間抜けな殺し屋ばっかりで、途中相棒の奥さんと子どもを守るくらいしか課題がないのに、なんでわざわざ相手の懐に飛び込んでいくのか、ちょっと説得力がなかったかな。あと、あんなに疑り深かった敵がなんで最後は騙されるのか。

USBドライブの中身が最後にはわかって、巨大な陰謀が動き出す、というところでやめるのとか、明らかにシリーズ狙いなんでしょうが、果たしてそううまく行きますかね。
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一度劇場で見て、エンディングには「ああ、ここにつながるのか」という驚きがあったのですが、やはりレンタルして見直すと、ちょっと荒っぽいな、と思う部分が多すぎてちょっとがっかりな作品かなと思います。

人類発祥の起源を探りたいショー博士とホロウェイ博士が主導した探検、の体裁でコールドスリープで宇宙の果てまでやってくるわけですが、その割にウェイランドコーポレーションが幅をきかせてわがままを言ったり、アンドロイドのデイヴィッドは勝手な行動に出ていたり、そもそもそれぞれの動機や思惑がバラバラで、しかも科学的探索の体をなしてないいい加減なリスク管理、彼らの情報管理は一体どうなっているのでしょう。

ホログラムで先住民の過去がわかる、というのも手がかりとして中途半端だし、彼らの技術力に対するリスペクトも研究心も感じられない。何より検疫に対する考え方が野蛮。本当に21世紀後半の人類ですか?

ウェイランド本人が乗船していた、というのが最後にわかっても大した感動もなく、目的がただの延命だった、というのもせこい。先住民の生き残りも最後に狂暴化して地球を滅ぼしに向かった意図も分からず、彼は錯乱していたのか、それとも人類に対するなにか深い憎しみがあったのか?

解決できない矛盾と謎を残して、中途半端に終わってしまったな、と残念な気持ち。これ、次の「エイリアン・コヴェナント」で解決してましたっけ?やっぱり見て確認しないとかな。

ノオミ・ラパスはいわゆるセクシー系ではないので、露出が多くてもそれほどうれしい気持ちにはならず、閉鎖空間でのシーンが多いので、その意味でも少し物足りなかったですかね。冒頭のシーンとか、映像の設計だけは、わくわくするんですが。
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今をときめく?マイケル・ファスベンダー主演の歴史ロマン。

ローマ帝国がブリテン島を侵略しつつあった時代の、ローマの百人隊長とピクト人の戦いを描いた作品。ローマ帝国が強大な軍勢でピクト人を蹴散らす話かと思ったら、むしろベトナム戦争に似た泥沼になっていた、という解釈で全滅を目前にしてピクト人の追手から逃げまくる、という話。

史実として、スコットランドに攻め入ったローマ帝国の第9軍団が忽然と消え失せた、という謎があるらしく、それを元に想像を膨らませた話らしいです。DVDの末尾には少しだけメイキングがあるのですが、レンタルだと面白くなりそうなところでカットされていて、「つづきはセルDVDで」と憎らしいテロップが出て終わりです。

そもそも、グナエウス・ユリウス・アグリコラが団長に与えた偵察のエテインが裏切ったのがこの悲劇の原因なんで、なんでそんな敵のスパイを抱え込むことになったのか、大問題じゃないかと思うのですが、それは割に不問に付されたりするのですね。

捕虜になった隊長を救いに行くけど、それは失敗に終わって、しかも相手の部族長の息子を殺してしまう大失態、それが原因で徹底的に追跡されることになるのですが、暗いしみんな顔汚いしで、誰が何をやってるのか、誰が殺されてるのか、ちょっと分かりにくくて、最後の最後に、子どもを殺したのはタックスだった、というのがハッキリする程度で、途中までは全然印象ありませんでした。

途中で匿ってくれる“魔女”がやけに美人だな、と思ったらやっぱり最後はそういうオチですか、みたいな話で、この辺少し「ローズの秘密の頁」を思い出しました。

顔全面を塗りたくってローマ軍を執念で追い詰める闘士エテインを熱演したオルガ・キュリレンコは、見ているとなんだか中島美嘉さんに似ているような気がしてきました。「オブリビオン」とか「慰めの報酬」とか「その女諜報員 アレックス」とか、いろいろと演じていますが、出演作で日本では公開されていないものが多いのがちょっと残念です。
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厳しい雪の中で過ごす先住民居留地での少女の死を巡る、ミステリー仕立ての人間ドラマです。

ジェレミー・レナー演じる主人公コリーはハンターでもあり、かつて年頃の娘を死から守れなかったことをずっと抱えて生きてきた男。そこに娘の親友だった少女までも雪の中で死体となって発見される。他殺か、事故死か、それとも…?

最初、幼い息子を連れて行くシーンがあるので、もしもこの子が事故にあうような展開だったらいやだな、と恐れていたのですが、そうはならなくて本当によかった。

白人でありながら先住民の妻と結婚していたコリーの、二つの文化圏の間で揺れ動く心情と、そこに何も知らずに派遣されてきた若手FBI捜査官ジェーンの戸惑い、白人に向けられる複雑な住民の感情が絡み、捜査を難しいものにします。

かつてアーミッシュの村を舞台にした「刑事ジョン・ブック/目撃者」というハリソン・フォード主演のドラマがありましたが、それの先住民版、といった趣です。

犯罪をたどっているうちに、少女のつきあっていた彼氏をたどったりと、捜査の筋道は案外単純なのですが、複雑な地形と、時間が経つと消えてしまうスノーモービルの跡、などが絡み、物語に起伏を加えています。

ジェーン役エリザベス・オルセンはジェレミー・レナーとは「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」でも共演しているようですが、ちょっと見メグ・ライアンを少し地味にしたような丸顔ですが、愛嬌があって、役作りも丁寧で見るものを引き込む力があると思いました。

メイキングでは、特に撮影スタッフが大変で、使える機材も限られているので、手持ちで撮影したシーンが多いようなことを言っていました。途中でピューマが出てくるのかな、とか思ったのですが、そうはなりませんでした。
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宇宙に植民地を作り始めた人類の物語。

統治機構の中の暴走が原因で、人種改良によって生み出された化け物が刑務所で働いている労働者を襲い始め、事件を闇に葬ろうとする組織のために惑星が破壊されると。そこに娘を置き去りにされた男が組織に反旗を翻して助けに向かう、という話。

時系列が微妙に入り組んでそれぞれの登場人物の背景を少しずつ明らかにしていくのですが、それぞれに少しずつ説得力不足だったり、ご都合主義だったりして、あまり効果的に編み込まれている感じがしないですね。

最初から娘の目線で語っているわりに、途中でその娘の存在感がきわめて希薄になり、最後に急にたくましくなって終わるので、その辺のちぐはぐさや、父があっけなく死んでしまったり、バスの運転を引き受けてくれた兄妹も無残な殺され方をするのがなんだかなぁ、と。

結局、サイが怪物になっても人の心は残せるんだ、とかいうのが安直だったり、サイの過去がラスト直前に明かされてもなんだかなぁ、と思ったり。

原題がScience Fiction Volume One: The Osiris Child となっているぐらいなので、長期シリーズ化も想定してこの娘インディを追っかけていくんでしょうけど、映画としてはそういう作り方をしているとどんどん娘は大きくなっちゃうし、難しいんじゃないですかね。原作があるのかな、と思ったけど、話も監督が考えてるみたいだし、うまくいくのかなぁ。

オーストラリアって、最近いくつか作品を見ているけど、ハリウッドやイギリスとは少し違った独特な作風のSFを作りますね。「プリデスティネーション」もそうだし。